1月19日、最近見た東方卓遊戯動画①


タイトルは「最近見た」ですが、対象は16年下半期から一月前半に見た動画となっております。①ということは②がある筈ですが、いつ書き上がるのかは不明です。







緑赤石氏 【東方卓遊戯】無意識GMと成り行きでSW2.0 5-11 16年08月13日
GM:古明地こいし PL:秦こころ、アリス・マーガトロイド、西行寺幽々子、ルナチャイルド、九十九八橋

何をやっているかをわかりやすく提示する、ということに長けた作者で、このセッション5のボスとの戦闘は、ぼんやりとしかルールを把握していない私でも、どこにギミックがありどこに工夫があるかがよくわかって、とても面白かったです。
このシリーズが描き出すキャラクターは、それぞれに、単純にかっこいい、可愛い、むかつく、好感が持てる、というのではない癖、主張があって、しかも全体として軽妙なノリの良さがあって、場面場面の会話に、このキャラクターとこのキャラクターが絡むとこんな展開になるんだなあ、という、セッション的な楽しさがあります。
貼っているのは5章の最終回ですが、次の6章から「東方流転石剣」とタイトルが改められています。2013年から継続的に投稿されているベテランの作者さんですが、改題に合わせて画面のインターフェースを大きく変更するなど、いろいろ模索されている様子。元々好きなシリーズですが、内容的にはどんどん面白くなっていると思うので、こういう工夫で、作者さんの望むような手応えがあればいいな、と願います。個人的には、立ち絵が全身表示に近くなって、ユーユ(幽々子)の可愛さの威力が増したな、と。


BBB氏 【SW2.0】鈴奈庵の積本供養 8-1 16年10月01日
システム:ソードワールド2.0 GM:本居小鈴 PL:博麗霊夢、霧雨魔理沙、ルーミア、赤蛮奇、茨木華扇、東風谷早苗
システム:ソードワールド2.0

下半期、新作が来てその空気に浸ると安心できた、私にとって居場所感があったシリーズ。
こう、主人公が活動している場所の社会や歴史について、想像と論理を緻密に練りこんで独自の世界観を構築している作品って、時々あります。そういうものを構築する人というのは普通、自分の作り上げた世界に愛着とプライドがあるんです。もちろん、このシリーズの作者にも愛着やプライドはあるでしょうが、しかし、この人の作品にはどこか、それにとどまらない、自分の作った世界全体、その中に生きているキャラクターひとりひとりを、等価に冷ややかに見下ろしている視野が存在している気がします。登場人物の誰も彼も、偶然の巡り合わせによって今の位置にいて、それぞれの視野の限界の中で精一杯に生きているのであり、そしてそういう個々の営みの集積として、不条理だったり不公平だったりする世界が存在している、という。
他方で、人が集まって、一つの卓を囲んで騒いで遊ぶひとときの楽しさ、あたたかさがにじみ出るような描写もこのシリーズの特徴であって、それは、上で述べたような冷静さ、冷徹さと表裏一体だと思うのです。

 
九十九掛け軸氏 【SW2.0】東方剣遊記16-5 17年01月13日
システム:ソードワールド2.0 GM:博麗霊夢 PL:フランドール・スカーレット、封獣ぬえ、風見幽香、秦こころ、綿月依姫、蓬莱山輝夜

現今の卓遊戯作者同士の交流の結節点的な存在であり、戦闘画面でどんどん新しい演出を投入する "進化の秘法" 系の作者でもありますが、個人的には、そういう側面と、テキストを形にして営々と積み上げていく、という連載作者としてのモチベーションとが両立しているところがすごいな、と思います。
イチャイチャするロールプレイとか苦手、と自ら言明する作者ですが、そういう人ならではの距離感、空気の描き出し方というものがあって、最近はそれがどんどん洗練されてきている気がします。お風呂回での女性陣の会話とか、ロコ(こころ)とロコの師匠(天子)の会話とか、最新回の船上での思い出語りとか、ごく穏やかで何気なくて、取り立てて面白おかしかったり甘酸っぱかったりする内容じゃないんだけど、でも、積み上げてきた時間、信頼関係がにじみ出るようで、しみじみと、いいなあ、と思うのです。


ケリス氏 【東方卓遊戯】東方風祝卓11-8【SW2.0】 17年01月14日
システム:ソードワールド2.0 GM:東風谷早苗 PL:姫海棠はたて、水橋パルスィ、十六夜咲夜、犬走椛、鍵山雛

ほのぼのした人間関係が魅力で、とか、一癖も二癖もある変人が集まっていて、とかまとめると、類例がいろいろありそうなんだけれども。PCたちはみんな、実のところ感覚的には結構常識人なのだけれど、オタクで元ひきこもり、とか、おしゃれに異常にこだわる、とか、主人命で他のことは目に入らない、とか、それぞれに変な特性が持たされていて、その特性ゆえに、周りの社会との関係をうまく結べていない部分がある。
で、普通は、そういう人間が、吹っ切れて自由にのびのびと生きられるからこその、アウトローの冒険者であり、ファンタジーである筈なのですが、このシリーズでは結局、親子間の意思疎通とか、近所づき合いとか、ぜんぜんアウトローじゃない卑近な問題に話の焦点がある。でも、まともに描けばごちゃごちゃして終わりが見えない問題でもあるそういう課題が、毎回それなりに穏やかな着地点を見つけて収束して、彼女たちはアウトローとしての自由で楽しい生活と、社会との関係をそれなりに両立させていく……という、現実とファンタジー、常識と変さの接合のさせ方に、なんとも独自の味わいがある作品。


biyo氏 【SW2.0】東方紅地剣 S14-6【東方卓遊戯】 17年01月15日
システム:ソードワールド2.0 GM:火焔猫燐 PL:レミリア・スカーレット、霊烏路空、パチュリー・ノーレッジ、古明地さとり、古明地こいし、フランドール・スカーレット

安定して高い投稿速度。「技術」「演出」と言えば卓遊戯視聴者がみな連想する美麗な画面作り。ハードボイルド・人情もの・ミステリー・コメディ……と一章ごとに趣向が違い、どの路線に振っても十二分にエンターテインメントし、納得のいく綺麗なオチにまとめてくるストーリーテリング、そしてそれぞれに個性的で可愛いキャラクター……、と、言うところなしのシリーズ。
あえて何か言うとすると、どこのサークル、どこのコミュニティにおいても、そのグループの中で頭が切れて言動が面白いアイドル的存在の人であったり、阿吽の呼吸で通じ合える絶妙な人間関係であったりが存在するもので、実プレイをベースにした動画では、動画から透けて見えるそういう内輪の人間関係を共有する、というのが視聴者の一つの楽しみとしてあるわけです。ところが、このシリーズは、そういう画面の向こう側にある内輪の人間関係が全く透けてこなくて、描かれているものが動画の中の世界で完結している。そういうところが職人的な仕事だなあ、と思います。
他方また、あえてこのシリーズに無いものはなにか、という話をすれば、引っかかり、もやもやが無さすぎる、ということでしょうか。どんなテーマを扱い、どんな人間を描いても、後腐れなくすっきりと綺麗にオチすぎる、というか。つまり、この作品のシナリオは、細部にはいろいろ豊かな工夫があっても、基本的な構造はいつも『水戸黄門』なのです。印籠を出せば誰も逆らえず、戦っても誰にも負けない黄門さま一行が諸国を漫遊して、訪れた場所にある悪いもの、醜いものを祓って消し去って、颯爽と去っていく、という。それは、プレイヤーに主人公として楽しんでもらうためのシナリオとしては、実に正しいのです。ただ、テキスト系動画としては、この作品のありよう以外にもいろいろ可能性はありますよね、ということで。
あと、ここで書いても誰に向かって言っているのか、という話ではありますが、この作者さんは動画の編集にAfter Effectsを使っているということで、視聴者の側は、あまりこの人のやっていることを基準に卓遊戯全般を考えない方が、みんなが幸せになるんじゃないかと思っています。


タコヤキ氏 【SW2.0】GM上白沢慧音と愉快な勇者たち38-8 16年12月29日
システム:ソードワールド2.0 GM:上白沢慧音 PL:蓬莱山輝夜、比那名居天子、博麗霊夢、アリス・マーガトロイド、藤原妹紅 

長く卓遊戯の代名詞的存在であるシリーズ。大詰め。パワーインフレ化した大河シリーズの常として、国家レベルの戦争の話になって久しいですが、それで個人的に得心がいったのが、このシリーズって、ニコ動的には戦略シミュレーション系の架空戦記にノリが似てるんだな、ということと、リプレイ的には、現今の卓遊戯動画の多くが「へっぽこーず」以降だとすれば、このシリーズは「バブリーズ」なんだな、ということ。含意は同じで、描いている世界の中に没入していくのではなくて、プレイヤーが上から盤面を見下ろしてコマを操作している感覚が常にある、ということ。私はこのシリーズにおける"かっこいい人物" "有能な人物" の描かれ方にずっと、うまく言葉にできない引っかかりがあったのだけれど、多分それも、物語世界の中に没入する、なりきるのではなく、盤面を見下ろす視点から見通せる正解、最善手を物語に、人物に落とし込む、というこの作品のありように起因していたのだろうと思います。
で、最近のこのシリーズの何を自分が楽しんでいるのか、というのがまた言葉にしにくくて。なんかもう、ドラマの展開がどうだからどう、とかこの場面の演出がこうだからこう、とかいうことではなくて、全体としての風格とか荘重さとか、そういうものが……という、腰痛Pと糸冬Pと庭上げPの雰囲気をどう説明し分けるか、みたいな領域の話になってきて、雅雪Pかカズマ氏にご出馬願いたくなります。


さっちゃん氏 【うっかり卓ゲ祭り】地味ぃに進む〇〇〇(改変)その11【SW完全版】 16年12月16日
システム:ソード・ワールドRPG(無印) GM:アリス・マーガトロイド PL:博麗霊夢、魂魄妖夢、射命丸文、東風谷早苗、霧雨魔理沙、鈴仙・優曇華院・イナバ

ゆっくり音声あり。冒頭の、とりあえずアリスに無理やりGMをやらせるお決まりの流れが苦手、というのはともかくとして。「地味ぃに進む」というタイトルの通り、無印ソード・ワールドの既成のいろんなシナリオを、特に派手な演出や奇抜なプレイイングで味付けすることなく淡々と動画にし続けている、それ故に、よく出来たシナリオを最初から最後まで通して、全貌が見えた時の静かな感動を体感できるシリーズで、本セッションはその中でも出色だと思います。
二人の人間のどちらが犯人か、またその目的は何か、というシンプルで明確な謎があって、順番に情報を集めていくことで謎が解けていく楽しさがあり、そして謎が解けた先で人間ドラマが浮かび上がってくる。そして、このシナリオは、謎めいた館に住む美人姉妹、というエキゾティックなロマンが一つの味わい所なわけで、そこにCroんte氏立ち絵の紅魔館メンバーがよく嵌まっています。


せやろか氏 【卓遊戯】パチュリー「話聞けよ」セッション6-1【SW2.0】 16年12月03日
システム:ソードワールド2.0 GM:パチュリー・ノーレッジ PL:レミリア・スカーレット、十六夜咲夜、魂魄妖夢、東風谷早苗、霧雨魔理沙

ゆっくり音声あり。相変わらず、徹夜でプレイしてそのまま出勤、みたいなことをやって製作されているようですが、動画の方は立ち絵にまばたき、口パクが実装されてますます楽しく可愛くにぎやかに。今後とも、長いスパンでの構想、計画を立てながらやっていくのは難しい状況だと思うので、こうして場面場面、その場その場での楽しさ、可愛さの密度を上げていくのは、この作品の場合には良い選択、ふさわしいありようだと感じます。


Miyako氏 【東方卓遊戯】GM小町の従者卓 Session5-1【SW2.0】 16年07月21日
システム:ソードワールド2.0 GM:小野塚小町 PL:魂魄妖夢、鈴仙・優曇華院・イナバ、十六夜咲夜、射命丸文、東風谷早苗

動画の中でGM自身がネタにしているように、冒険に出かける前の食卓を囲んでのダベりとか、旅の途中の馬車の中でのやりとりとか、そういうところでいちばんキャラクターが生き生きと楽しそうにしている、という。そしてまた、そういうちょっとした会話を通じてキャラクターがちょっとずつ変化、成長していく、新しい関係を築いていく、という描写に光彩がある作品で、今回も、冒頭の文と はたての会話とか、たまらなくいい。他方で、戦闘やリドルを飽きさせずに見せる工夫に富んだシリーズでもある。
書けばキャラクターが勝手に動き出してとめどがないような楽しい部分と、どういう敵、どういう課題を設定してどういうギミックを突破してどう解決を提示するか……という、アドベンチャーものとしての枠組みの部分、さらには、ギミックや映像をどこまで作りこんで、一回一回工夫を足そうとするか、という部分。たぶん、話が進めば進むほどそれらのすり合わせが難しくなっていくと思うのですが、いつかその着地点が見つかって続いてくれることを期待しています。


enough氏 【SW2.0】GM娘々と往く東方開拓街 3-8 16年08月03日
システム:ソードワールド2.0 GM:霍青娥 PL:村紗水蜜、秦こころ、魂魄妖夢、宮古芳香

2年ぶりの続編。相変わらずのノリで何より。動画時間の半分くらい、2年間時間が止まっていたというメタネタに終始して、今の時代はクトゥルフだとかレモンジーナがどうとかそのネタの内容自体若干古びてないか、というところまで含めてネタですが、しかしギャグのキレとかテンポの良さとかキャラの動かし方とか、そういう面では全然、現役感充分、時代とズレている感じがしないのが凄いですね。そして相変わらず、ここの青娥娘々は可愛い。


く~や氏 【SW2.0】GM霊夢の戦国カルゾラル 最終話【蛮族卓】 16年09月14日
システム:ソードワールド2.0 GM:博麗霊夢 PL:比那名居天子、東風谷早苗、秦こころ、蓬莱山輝夜

16年8月連載開始。わかりやすくツッコミどころばかりの面白おかしいキャラクターを揃えて、ひたすら頭悪く笑っていればいい、楽しいギャグ作品でしたが、1セッションであっさり完結。足そうと思えばいくらでも継ぎ足せるつくりの作品だからこそ、あえてさっぱりとすぐに幕を引く、というのも一つの見識かもしれません。


\(°へ°)/氏 【東方卓遊戯】東方放恣卓 S3-1【ソードワールド2.0】 17年01月04日
システム:ソードワールド2.0 GM:稀神サグメ PL:藤原妹紅、幽谷響子、今泉影狼、東風谷早苗、レミリア・スカーレット

16年8月連載開始。実プレイベース。注意書きに「野郎どものセッションを美化しつつも淡々と描いた」とある通りで、実プレイのノリを残しつつも、「東方」の「卓遊戯」としての落とし込みがちゃんとなされている動画で、説明文でのコメントを見ても、テキストを動画にふさわしい形に整えるのに作者が丁寧に手間を掛けているのがうかがわれます。尺の中でロールプレイや雑談をどこまで盛り込むかにかなり苦心されているようですが、実際、そこの部分のバランスが秀逸だと思います。PLが卓を囲んでいる空気も、PCが物語世界の中で関係を結び、キャラを深化させていく様子も、ちゃんと動画の中に生きている。
テキスト系動画の連載において、面白くなりそうだと思ったシリーズが、コメントがつかないうちにグダグダになっていく、という現象は残念ながら存在します。つまりは、自分が面白いと思ったことを読者も面白がっている、という手応えがないと作者も何をしたらいいかわからなくなっていくのだと思いますが、このシリーズは、コメントの反応が十分につかない状況でも、動画に何をどこまで盛り込んだらいいのか、というバランスが維持されているのが凄いと思います。大百科記事がいち早く出来ていて、立てたのは上の「GM霊夢の戦国カルゾラル 最終話」の作者さんのようですが、このシリーズをそうして応援したくなるのはよくわかります。見る側の楽しみのためにももう少しコメントがついたらなあ、というのと、このまますくすくと歩んでいってほしい作品だなあ、というのと。


烏賊檸檬氏 【SW2.0】GMこいしとラクシアへの旅路パート1-7 16年09月09日
16年7月
システム:ソードワールド2.0 GM:古明地こいし GM:藤原妹紅、比那名居天子、永江衣玖、犬走椛

16年7月連載開始。ロールプレイというか、キャラクターの心情の揺れ動きの描写を大事にしているのが持ち味だと思います。この第1セッションは、ジュヴナイルSF的なシナリオの内容とその持ち味がよく噛み合って、結末によい後味と余韻がありました。


No.85 コミュニケーションL氏 【東方卓遊戯】紺珠一家のレンドリフト冒険譚 6-final【SW2.0】 17年01月09日
システム:ソードワールド2.0 GM:鈴仙・優曇華院・イナバ PL:純狐、ヘカーティア・ラピスラズリ、クラウンピース、鈴瑚、清蘭、レイセン

『東方紅地剣』とともに、今の東方のソード・ワールド2.0界隈の2枚看板的存在。
以下は別に、作者が言明している事柄ではなくて、私が勝手に描いている構図ですが。私の認識では、『東方緋想剣』という作品は『GM上白沢慧音と愉快な勇者たち』に対するアンチテーゼであり、そして『紺珠一家のレンドリフト冒険譚』という作品は、『東方緋想剣』に対するアンチテーゼです。「アンチテーゼである」とは、ここでは、相手をリスペクトした上で、批判的に乗り越えようとしている作品だ、という意味です。
「人族」と「蛮族」の対立なり、「穢れ」に対する差別なりといった事柄を通じて描かれる、物語の中の不条理な "現実" に対峙し、乗り越えていくための手段として、『緋想剣』は、 "人と人は対話できる" という理念を提示しました。一方、『レンドリフト冒険譚』が提示するのは、"実力主義の社会を作ることで差別や抑圧は解消される" という理念です。『緋想剣』の作者もそうですが、おそらくこの作者は、自分が提示しているものもまた嘘であり絵空事である、ということに自覚的です。これは、いかに最後まで堂々と嘘をつき通してみせるか、という物語なのです。物語の中でPCがやっていることとシンクロしているのが面白いですね。


メだまむし氏 【東方卓遊戯】パラサイトブラッドするのはゴムの仕業!③4-9 17年01月12日
システム:パラサイトブラッド GM・PL: 多数

2011年から継続的に連載が続いていて、GM&プレイヤー総入れ替えで3期にわたるシリーズがあって、それが全部統合・集結して最終章の現行シリーズになっているので、正直追いつくのが大変でしたw。ともあれ、キャラクターひとりひとりに、単にこのシリーズの、というだけでなくて、2010〜2011年頃の、卓遊戯の中でのこの立ち絵のこの子ってこういうキャラで、こんな風に可愛いんだよねえ、という "古き良き時代の魅力" があって、そういう懐かしくて愛しいキャラクターたちが、入れ替わり立ち替わりみんな顔を見せてくれる、同窓会にして劇場版、お祭り騒ぎの楽しさがあります。


臓物氏 困ったちゃんのガープス・百鬼夜翔 1-9 16年09月19日
システム: ガープス・百鬼夜翔 GM:稀神サグメ PL:鬼人正邪、風見幽香、聖白蓮、比那名居天子、藤原妹紅、古明地こいし、霍青娥

ゆっくり音声あり。好きなキャラへの贔屓は隠さず、どうでもいいキャラ、嫌いなキャラの扱いはあからさまにぞんざいで、視聴者の反応が薄い時にはモチベーションが落ちるのを隠さない、というあけすけな姿勢の作者で、その分、好きなもの、気に入っている世界を描き出す時の生彩もすごい人。このシリーズの最初のセッションなんて、半分くらい、お馴染みの面々が今回はどんなシチュエーションで、どんなPCとして登場するか、という紹介だけで終わっていますが、それで十二分に面白い、という。
ところで、今のところ、天子が完全にポンコツ可愛いだけの和み要員になってますけど、彼女はこの先どうなっていくんでしょうかw。


こーちゃKP氏 【CoC】吸血鬼姉妹のクトゥルフ怪奇探索録 Part15/終【東方九頭竜】 16年10月21日
システム:クトゥルフ神話TRPG KP:レミリア・スカーレット PL:霧雨魔理沙、フランドール・スカーレット、東風谷早苗

2013年連載開始、この回をもって完結。最終回で作者自身がコンセプトを解説していて、あまり重ねて言う必要もないかもしれませんが。登場人物が、こういう場面だったらどう感じてどう行動しようとするか、ということを、丁寧に丁寧に想像して描いていく。だから、クトゥルフらしく話がどんどん非現実的なシチュエーションになっていったとしても、それがどう扱って放り出してもいい別世界の絵空事や、単なるゲームの中の数字やギミックと化することなく、その中でたとえば自分や大切な人が傷ついたり死んだりするしれないという恐怖、目の前で人が殺される衝撃、重大な痛みであるべきことがきちんと重大な痛みとして感じられる。そういう痛みと向き合った末に、いろいろなものを失って、それでもその先にある日常が、人生が提示される。終わりまで見ることが出来て良かった、と心から思う作品です。


安食志貴氏 【CoC】真島探偵事務所活動記録 第六話【ガシャンッ!】 16年09月18日
システム:クトゥルフ神話TRPG KP:古明地こいし PL:鈴仙・優曇華院・イナバ、魂魄妖夢、ナズーリン、封獣ぬえ

ゆっくり音声あり。前作『EX3人娘の9+1割脳内小説クトゥルフ』のスピンアウト……というか、同一の世界観のもとで、出すキャラクターを変えながら個々の作品を作っている作者。追い始めたのが上半期の20選を選んだ後だったので、前作を20選に入れることができませんでした。
ホラーとしてのクトゥルフって、人間が理解しがたい現実に遭遇して恐怖する、というのが基本コンセプトの筈ですが、この作者が出す登場人物は、どいつもこいつも、怪異に遭遇してもちっとも驚かないし怖がらないw。それにはちゃんと理由も意味もある、というのは前作を最初から見てくるとわかりますが、結果として生まれているこの作者独特のノリも面白い。つまり、クトゥルフ神話TRPGにおいては、物語の中の登場人物にとって "未知との遭遇" であることが、外から見ている視聴者にとっては "既知の設定の確認" です。物語の中の登場人物が怪異に近づけば近づくほど、視聴者にとっては、ああ、あのデータでああいう特性のあの怪物がこう行動したからこういうことが起こったんだね、と、既知の枠組みの中に話が回収されていくことになります。
ところがこの作者の動画では、なにかよくわからない不思議なことが目の前で起こっているけれど、まあそういうこともあるかもしれないねえ、とふんわり話が進んでいって、結局原因はよくわからなかったけれど、世の中そういうこともあるんだろうねえ、とまったり終わっていく。不思議が設定に化けてオチがつくのではなく、不思議はそのまま不思議として日常のすぐ隣に存在して、世界が続いていくのです。


ぎしあん氏 [ゆっくりTRPG] 探偵ごっこしようぜ!お前犯人なー 参 [クトゥルフ] 16年12月24日 
システム:クトゥルフ神話TRPG PL:古明地さとり、蓬莱山輝夜
16年08月10日

ゆっくり音声あり。実プレイベースの動画をずっと投稿してきた作者(グループ)ですが、本作は「仮想卓」で、「いつもと違った雰囲気の動画」になったのこと。で、ええ、私はこの動画の雰囲気が好きですね。ハードボイルドな空気の世界を、綺麗な女の子ふたりが気の利いたやり取りをしながら優雅にかろやかに渡っていく……、というロマンが身の上の動画です。


黒崎提督氏 【ゆっくりCoC】KP妹紅の永遠遊戯クトゥルフ①part01【自作シナリオ】 16年08月09日
システム:クトゥルフ神話TRPG KP:藤原妹紅 PL:博麗霊夢、霧雨魔理沙、十六夜咲夜

ゆっくり音声あり。セッション2回分完結済み。自作のシナリオを紹介するための動画ということで、短編としてきっちりまとまったつくりになっています。東方卓遊戯タグはついていませんが、作者は出している東方キャラに愛着やこだわりがあって東方立ち絵を使っているよう。


リオクレア氏 初心者だらけのリスペクトクトゥルフ / part10 17年01月11日
システム:クトゥルフ神話TRPG KP:封獣ぬえ PL:カービィ、比那名居天子、永江衣玖

ゆっくり音声あり、「東方卓遊戯」タグなし。「ありとあらゆるところ」をリスペクト、という説明通り、技能で「料理」にやたら振るのと唐突な「遊戯王」バトルが「間違いだらけ」、「跳躍」に振るのは「跳躍卓」、地下の狼云々の小ネタは「喀血卓」……と細かいパロディネタはいろいろありますが、そういうのはまあ、本筋と関係ない枝葉末節ですね。重要なのは、SE、台詞回しその他動画の基本的なつくりの部分が『ゆっくりクズどものクトゥルフ』の人の模倣だということと、「魔女」・「人形」・「わらべうた」・「見立て殺人」というギミック、フレーバーが東方手書き劇場の『蓬莱人形殺人事件』だ、というところ。
そしてもっと重要なのは、たしかに動画の見た目のつくりは「ゆっくりクズ」の人を見事にトレースしているけれども、その模倣の巧さがこのシリーズの肝であるわけでもない、ということ。内容としてこのシリーズが描いているのは、超能力ありでクローズドサークルなミステリーで、超能力込みでミステリーを成立させるための筋立てもよく考えられているし、群像劇としての人間の描写もしっかりなされている。こういう、長いスパンで描写を積み重ねるからこそ威力を発揮するような物語づくりというのは、実のところ、「高速卓」系の人気作者の多くが得意とする方向性とは違っていて、まさかこんな風に面白くなってくるとは想像できなかった、一本取られた感があります。


sayuki氏 東方ほんわか日和 第5話『ひどくつまらない番組』 16年10月06日

以下、卓遊戯ではないテキスト系動画。
通称ほんわかの人の新作。このシリーズ自体はまったくTRPGしてないですけど、この人のTRPG動画を知っていると2828できる場面は散りばめられています。ネタじゃなくて、キャラクターが繋がってるんですよね。あ、ここでこういう行動するこの子はあの動画のあの子とおんなじ人なんだな、という再会の嬉しさがあるのです。今回は秘封倶楽部組と紅魔館組と河城にとり、つまり『秘封一家のクトゥルフ』のメンバーをめぐるネタがあって、私はことのほか2828しました。あれですね、パラノイアやほんわかクトゥルフの続きが詰まって作れないのであれば、『秘封一家』の続きを書いてくれても一向に構わないんですのよ?


NOH氏 【東方】超幻想郷級のダンガンロンパ Part23 前半 16年11月27日

ニコ動のコメントシステムを生かして視聴者参加型のミステリーを! という発想はよくあるのですが、実際やるとなるといろんな面で難しさがあるもので。ところがこの作者は、ダンガロンパというゲームをそっくりそのままニコ動上で再現しようとするような試みをして、実際かなりの程度やりおおせてしまっている。よくもまあこんな手間を掛ける人がいるものだなあ、という、「アイマスクエスト」的な空恐ろしさがあるシリーズ。
私は謎解き、犯人当てゲームに関しては第1章で早々に撤退してしまったので、なーんも考えないで気楽に見ているんですが、ゲームについていけてない人間がなぜ見続けているか、と言えば、アイマス的に言うところの「コミュ」があるからなんですよね。キャラクターひとりひとりについて美しく輝かしい「コミュ」があり、「思い出」が蓄積している。だからこそ、誰にも死んでほしくない! という切実な感情が生まれるし、〇〇がいない! 無事なのか!? 実はトイレに行っていただけでしたー、みたいな、ほんとに単純な展開でも手に汗を握ってしまう。それがなかったら、ただのゲームなんですから。


ごんだむ氏 【東方】汝は人狼なりや? 幻想遊戯【6-8】 17年01月12日
システム:汝は人狼なりや? GM:八雲紫 PL:多数

実プレイベース。初心者ばかりが集まったコミュニティ、というのが売りですが、だんだん、ほんまに初心者か、というような頭の切れるプレイヤーが増えて、私の頭では展開が想像できない領域になってきました。ただ、初期の回では本当、このゲームでは何をどう考えてどう行動したらいいのか、ということを、みんなが手探りでプレイしているのが手に取るようにわかったし、今でも、このゲームの常識・定跡みたいなものをどれくらい把握しているか、は人によって大きな差がある。で、その結果として何が起こってきたかというと、誰が味方で何が本当がわからない、という状況の中では、しばしば、意図をもって確信的にウソを言っている人の方が信じられて、わからないなりに必死に考えて正直にものを言っている人が信じてもらえない、という現象ですね。このシリーズを見ていて、何がいちばん心に残るって、正しいことを言っていて、勝つために出来ることは全部やって、それでも信じてもらえずに負けていく人の姿が心に残りますし、だからこそ、わからなさ、信じられなさを乗り越えて特別な力を持たない人が勝った時の感動が大きい。まあ、プレイヤーが慣れていくにつれてまた面白さが変わっていくのだろうと思いますが、これまでのところは、私はそういう見方、楽しみ方をしています。ちなみにキャラクター的には、みんなのアイドル幽々子の人と、フランの人が好きです。




関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

Author:Vinegar56%

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
カテゴリ
月別アーカイブ
全記事一覧

全ての記事を表示する

検索フォーム
リンク
FC2カウンター
FC2カウンター
現在の閲覧者数: