必殺忍法ヌリツブシ


いろんな点で、新鮮味のない内容の記事です。








リンスキー師範P 【X年後m@s】変態紳士へのささやかな贈物【ハルカのことづて】 14年07月01日

ミワのいぢP ねぇ。最初に出逢った日 覚えてるかな? 15年04月09日


上記の動画を見て、そこで引用されている音声を聞いて、動画の方も音声の方も、よく出来た作品だと思うのだけれど、ただ私個人の感触としては、非常にもやもやした違和感が残っています。

もやもやした、違和感。まあ事が春香さんなので、実際に私の中で渦巻いてた感情はそこまで生易しくはありませんが、それなりに言葉を選んで表現すると、そういうことになります。で、それは根本的には私自身のアイマス体験によって来たるものですが、この場で自分の思い出語りから話を始めるのは億劫なので、一般論の形で書きます。



この音声、"春香が初めて「プロデューサーさん」と出会った日に、「プロデューサーさん」に内緒で収録したメッセージ" という設定であることが、リンスキー師範Pの動画で聞くとわかります。
当今、公式コンテンツの範疇に含まれるものだけ取ってもいろんな春香があるわけで、別に、そんなシチュエーションでこんなメッセージを録音しようと考える春香が居てもいかしくないだろう、とは思います。ただ、私が認識している、アケマス、無印、SPでの初対面時点の春香だったら、こんなものを残すだろうか。私の感覚では、あり得ない。

「そこの人」という表現がありますね。言ったのは春香さんじゃない、というかアケでもSPでもプロデュース出来ない人の発言ですが、ただ、あの呼び方は、アケマス的な初対面のアイドルとPの距離感をよく言い表していると思います。
こちらは、まだデビューすらしていない、いち候補生。相手は、どこの誰とも知れない、まだ自分のために何をしてくれたわけでも、何をしてくれると決まっているわけでもない赤の他人。アニメ版デレマスの武内Pみたいに、この人に声を掛けられたから事務所に入った、という経緯があるわけでもない。それはまあ、待ち望んでいたデビューをもたらしてくれた人間に、これからパートナーとなる相手に、それなりの感謝や期待を示してくれる子も居るかもしれませんが、基本的に彼女たちにとって、初対面時のPが、ただちに "特別" だったり "運命" だったりするものでしょうか。単なる「そこの人」ですよね、普通に考えたら。
どうでしょう、貴方は残そうと考えますか、"10年後、「そこの人」に見てもらうための特別なメッセージ" 。
だってこっちは彼女の "最初のファン" じゃないか、と思うかもしれませんが、彼女にしてみたら、二人目以降のファンが出来る経験すらまだしていない、もっと言えば二人目以降のファンが出来る保証すら無い状況なんですよ。

そしてまた、「そこの人」は、いつか必ず、いつも必ず「ハニー」に昇格できる、と決まっているわけでもありません。これは、ゲームの構造からして自明の話ですが。SPストーリープロデュースが出る前のアイマスのシナリオは、アイドルランク別(より厳密に言えば、ラストコンサートの会場別)でエンディングが分かれていたのは、周知の通りです。しかもそのエンディングは、基本的には、低ランクにしか導けなかったPは導けなかったなりの関係しか彼女と築けない、というお話になっていた筈です。

もっとも、このあたりはアーケードと無印で文化が違う側面もあります。無印のプロデュース期間1年、という設定は、アイドルとどんなに深い関係を築いても1年で "リセット" されてしまう、という文脈で語られることが多いですが、私のようなヘボプレイヤーからすると、あれは、どんなにダメダメな失敗プロデュースをしても、1年間は彼女のパートナーであることを保証して貰える、という、この上なく優しい世界です。
レッスンもオーディションもろくにやらずに思い出作りばかりして、しかもその中身もバッドコミュばかりだったとしても、これはこれでゲームシステムに認められた自分なりの "プロデュース" のありようなんだよ、と、無印の場合には言うことが出来る。商業的には失敗した活動であっても、そこでそれなりに彼女との思い出、彼女との関係を育めるんだ、と思える含みが、無印ではより大きいのです。
アケマスの場合には、プロデュース可能期間はアイドルランクに比例しますから、商業的には失敗だが彼女との思い出はたくさんある、というストーリーは構造的にあり得ません。

アケマスと無印のもう一つの違いとして、無印の場合、1週の仕事ではレッスンならレッスン、営業なら営業、どちらか一つしか選べないが、アケマスではレッスン1回と営業1回がワンセットで1週の仕事になっている、という点があります。だから、無印では高成績を出すための最善のプレイを追求すると、アイドルとの思い出作りの時間がどんどん減少していく、みたいなジレンマが生じるのですが、アケマスの場合にはアイドルとして強くなるための時間と思い出を育む時間は両立する、というか両者が自然に並行して進展するようになっていたわけです。

つまるところ、アケマスにおけるアイドルとの関係は、金と時間を必要な時にちゃんと費やしたプレイヤーだけが築ける。それもただ費やすのではなくて、レッスンとコミュを効率良くこなし、オーディションに出るタイミングを読み、オーディションでライバルとの駆け引きに勝つ、そういうゲーマーとしてのウデとアタマを備えて、その力を伸ばす努力をした人間だけがアイドルとたしかな関係を築ける。そういう構造になっていた。据え置き機のゲームになった時点ですでに、そういう世界からは変質しているわけだけれども、モバマスなんかは今でもわりとそんな感じなのかもしれません。

何が言いたいのかというと、別にアイマスファンたるもの、アケマスの "廃人プレイヤー" やモバマスの "課金兵" たれ、という話ではありません。それを言うならば、そもそも私個人にとって偉いのは ”面白い動画を作って見せてくれる人” であって、ゲーマーじゃない。
ただ、アイマスコンテンツに浸かっているうちに、現在の自分の視野に見えているものでもって、過去や未来の彼女が抱いているものを塗り替え、さも始めから終わりまでそうであるかのように塗りつぶす。そういうストーリーに馴れてしまう、ということはないだろうか。
今に始まった話ではなくて、アニマスの5話の合宿の時点で、既にそうだったわけだけれども。あれは、この先に765プロが売れて "みんな" が "トップ" になる確定的な未来がある、という前提で、その地点から振り返るために配置されたエピソードであって、一から歩んでようやくFランクやEランクに来ている春香や伊織の姿を描いたものではないと思う。

私はしかし、そういう妄想の仕方は、好きじゃない。過去や未来の彼女たちが抱く想いが、たかだか現在の私たちが持っている程度の内容と大きさの思い入れと、同じであっていいはずがない。私が惚れたアイドルというものは、もっと掴み難くて、計り知れなくて、何だかかわからない深さと大きさをもった存在だと信じている、という話です。




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