そう、誕生祭である。


袋詰めキャット 愛誕好きなんですよね。

藤田るいふ氏のこの記事が、好きなんですよね。好きというか、ああ、いいなあって、読むたびに嬉しくなる。
誕生祭に限ったことでもありませんが、何かしら熱量を発散しているものがあるならば、それにふさわしい、その熱を受けとめる言葉が、どこかには存在したらいいな。そんな、希望というか欲求というかが、私の中にはあります。
そういうわけで、誕生祭があってこういう文章が上がる、と。それも、愛ちゃんの誕生祭でこういう文章が生まれるというのが、ねえ、ほら、いいじゃないですか。

そんな前書きを書いて、では私も一念発起して誕生祭レポートでも書くのかというと、そんなこともなく、また一本の動画についてちょろっと感想を……感想でもないですね、動画を見ていたら浮かんできた思い出話を書いたのが、この記事です。








アグモンP アイドルマスター 春香 『風のランナー』 【4月3日は春香の誕生祭】 13年04月03日





アグモンPは1007P、HaruKarnival'10でデビューした動画作者です。
このHaruKarnival'10では、アグモンP、ルカニP(仮)(現:ル蟹P)、satsutomoPと3人のPがデビューしていて、それぞれに個人的な思い入れのある存在ですが、なかでアグモンPは、2010年の下半期という時期にこの人が現れて軌跡を残していった、ということそのものが、この時期の私の記憶の中に、不可欠なピースの一つです。

アイドルマスター 春香 『信じる力』 【HaRuKarnival'10】 10年07月24日

すなわち、『信じる力』に始まるアグモンPの初期の春香ソロ作品は、物語的に繋がりのある連作になっているのですが、その活動が、ちょうど10年7月の『アイドルマスター2』の制作発表後から、ニコマス的にもアイマス的にも大混乱が始まった9月の前とその後、という時期に積み上げられていった、ということ。
今この時期に、まっさらな”駆け出しプロデューサー” としてニコマスに現れて、これからこうやって自分は春香と一歩一歩歩んでいくんだと、そういうメッセージを現在進行形で積み上げている人が、居る。そのまぶしさ、嬉しさは、今でも鮮明に思い描くことができます。


さて、そうして11年の2月、『アイドルマスター2』の発売がやってくるわけですが。
この『2』の発売「前」と「後」というのは、世間的には今、どのようなものとしてイメージされているんでしょうね? 
私にとっては、それはもちろん、衝撃だったり絶望だったりの大きさという点では、10年9月直後に大きな出来事がいくつもあったけれども、しかし芯から心が冷えていくような、心に刺さるような体験という点では、むしろ『2』の発売後にこそ、到来するものがあった。そういう時間でした。
そこでニコマスに居る私は終わってもおかしくなかったのだけれど、結局そうはならなかったね、とは、前にも書いたことがあります。


アイドルマスター 春香 『夢で逢えたら』 【銀杏BOYZ】 (11年12月31日)

アグモンPは、2011年に入っても、年始、春香誕生祭、ハルカニと動画投稿を継続していますが、その最後に投稿されたのが、この動画になります。無印素材で、そして動画説明文からも動画の内容からも容易に察せられますが、『アイドルマスター Live For You!』に登場する「ファン代表プロデューサー」をテーマにした動画です。

この動画が、11年12月31日という時で投稿された、というそのタイミング自体が、アグモンPという動画作者の特質を示すものである、と私は思っています。
そうでなくても年末というのは、ニコマス的にはいろいろ活発で忙しなくなる時期ですが、特にこの年の場合は、VRF'11 があり、 しわっす! もあり、あるいはアニマスがあり……。まあ、なにしろ『2』の時代になって初の年末ですから、いろんな人にとって、すべきことしたいことの多い時間だったはずです。

そういうタイミングで、当時すでに量としては圧倒的に少数な無印素材で、何かの祭りに参加するでもなく、しかもテーマはL4U、という動画をぽつんと置いていく、ということ。
アグモンPというプロデューサーは、じっくりと、本当にじっくりと、ものを考え続ける人なのだと、私は感じました。
氏の自作動画についてのマイリストコメントには、そういう態度、歩み方が色濃く現れています。11年末という時になって、同時代的にはほとんどの人が気に留めてない、それどころではない、遠い昔の「ファン代表プロデューサー」という存在を語る、というこの動画にも、それが現れています。

そして、そうであるがゆえに。私は、この『夢で逢えたら』という動画は、時代の流れとか動きとか需要とか、そういうものと無関係なところに取り残された存在だった、と認識しています。冒頭に書いた、熱量の発散に対して云々、という話で言えば、この動画に対して当時、私の知る限り、ひとつの例外を除いてこの動画を受けとめる言葉が書き残されていない、ということは、その傍証になるのではないでしょうか。
ちなみに、そのひとつの例外というのは、こちらになります。

kusu氏の2011年下半期20選

kusu氏のこの20選を見て、私にはこんな感じ方並べ方考え方はできないな、という感慨もありましたが、それはそれとして、このマイリスト、このコメントの中にあることで、ようやくこの動画が同時代のニコマスの中に繋がり、置きどころを持てたんだな、という嬉しさがありました。この時の20選を巡った中で、とりわけ印象的だったもののひとつです。


そんな2011年も過ぎていって。先に、流れ、とか、動き、とか言いましたが、春香動画に関する限り、私に見えていた流れ、私が語りたい流れ、は概ね2011年末で決着/終息していて、その後を語れる言葉を、私はあまり持っていません。

アグモンPについて言えば、確かに彼は『2』の後も活動を続けていたし、ハルカニというイベントには深く関わりを持っていたし、2の春香でも動画を作っていました。
ただ、私は、彼が実際に『2』のゲーム、『2』の春香に触れた心境を、今は消えているブログでどう書いていたか、多少なり憶えているし、最後の動画は16歳の春香でL4U!だったし、そしてそこでふっつりと音沙汰が途絶えてもう1年になる。
私は、彼はもう、帰ってこないのかもしれないな、と思っていました。


 アイドルマスター 春香 『風のランナー』 【4月3日は春香の誕生祭】 13年04月03日 (再掲)

けれども、アグモンPは、帰ってきたんですよね。
『アイドルマスター2』の物語と、17歳の春香と、手を携えて。
いや、帰ってきた、という表現はふさわしくないですね。
アグモンPは、ずっとそこに居たんだ、というべきでしょう。

『夢で逢えたら』から16ヶ月。あるいは、『2』発売から25ヶ月。
誰にも見られていないところで、私が彼はもういないのかな、と思っている間も、私が彼を忘れている間も、このPはずっと考え続けていたんだなと、私はようやく知りました。

アグモンPの自作マイリスト、4月3日当日の時点では読んだ記憶がないのですが、今見たら『風のランナー』のコメントが加わっていました。
無印、L4U、2、と、順々に積み重ねられたコメント。それは、初めから全部が全部最高、だって春香だから、とのみ思っていたのならば、こんな言葉には成らなかったのではないか、と言うのは、私の穿ち過ぎかもしれません。
だからただ、一番新しいコメントの最初に置かれた一文、動画中の最後の詞についてだけ、書きましょう。

「まだ見えぬゴールへと。」

ここには確かに、2の春香、2の春香の物語への感情・思索・考察を凝縮した、ひとつの結晶が存在しています。それでもなお、ここはまだゴールではなくて、アグモンPはこれからも、考え続けていくのでしょう。

ひとつの結晶、といま言いました。2の春香について、そういう結晶を生み出したPは、他にもいます。
しかし、私はそれらに出会って、そしてこの動画に出会ってなお、まだ先があるのではないか、その先には何があるのだろう、と感じます。
私はその、「まだ見えぬゴール」を目にすることを、欲する者です。

アグモンPがアグモンPにとってのゴールを見つける時が、来るのかどうか。そしてそれ以上に、私がその時そこに居てそれを見ることが、できるのかどうか。今の私にはわかりません。
ただ、私がどうであれ、他の誰がどうであれ、アグモンPは今日も、そこに向かって歩み続けているのだろうと、思うことができる。それは、それだけで満ち足りていることです。


関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

Vinegar56%

Author:Vinegar56%

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
カテゴリ
月別アーカイブ
全記事一覧

全ての記事を表示する

検索フォーム
リンク
FC2カウンター
FC2カウンター
現在の閲覧者数: