犬とか馬とか


「性癖」あるいは「趣味」、という言葉を耳にしまして、少々思い出すことがあったのですが。

ウマ動画を語るとなれば他にいくらでも適任の人はあろう、と思ったので、とりあえずいくつかイヌ動画を貼ってお茶を濁してみました、という記事。

何の説明にもなっていないように見えるかもしれませんが、ええ、まったくその通りですね。






犬が出演しているアイマス動画ももちろん存在するわけですが、ここではとりあえず、アイドルが犬になっている動画、を。


麻呂氏 THE 愛犬 M@STER 08年11月08日
犬春香 0:34

犬アイドルとしての知名度は「犬千早」に比べるべくもなく、春香系クリーチャーとしてもごくマイナーな存在である「犬春香」ではありますが、歴史自体はなかなか古いものである、ということを示す動画ですね。このブログのわりあい初期の頃、春香派生クリーチャーをいろいろ並べる記事を書こうとした時があって、その時にこの動画のことは覚えました。


愛識P さむしんぐ らいく あ ろまんす 09年06月06日
愛識 さむしんぐ 0:11

この動画はタグに「土佐犬春香」とありまして、品種にまでこだわって具体的に指定するあたり、クリーチャー化、派生キャラクター化のスペシャリストたる天海春香の矜持が感じられます。……いえ、動画中のネタからそのままネーミングされているだけですが。
この動画もそうですが、愛識Pは文章中に脈絡も断りもなくどこかから引用してきた文体やネタを挿入して継ぎ接ぎしていくという、技法というかノリというかを得意としていて、ある意味、氏は文章によるコラージュを行なう作家である、という言い方もできるかもしれません。
ともあれ、個人的には愛識Pの春香短編の中ではいちばん好きな作品であります。


風野シュレンP アイドルマスター やよいと格差社会 08年03月25日
風野シュレンP やよいと格差社会 0:23

山本m@s之で風野シュレンPより、『畳屋の犬』。
歌詞の中に犬が登場する曲を用いたPVで、必ずしも映像として犬になっているわけではないけれど、特定のアイドルに犬役を振って歌を表現している動画は、探してみると結構いろいろあったのですが。
その例がこれでいいのだろうか、という気はしますが、しかしこれをやよいで動画にするからこその「少年山本やよいシリーズ」である、と。犬要素少ないですけどw。


怪盗紳士P 【im@sコラボPV】犬 雪歩【ヒゲカワイイ】 10年09月10日
怪盗紳士 犬 雪歩 0:00

タグ「いぬぽ」。これは映像的にも犬要素が表現されているタイプの犬アイドルPVですね。
この動画の約1ヶ月後にだいすPの『パブロフの犬』が投稿されるわけですが、このタイミングの一致は偶然とは思えない、そうつまり2作の物語は繋がっている! すなわち、この動画で犬になりたいと願った雪歩の心がやがて『パブロフの犬』の犬になるのだ……と考えると話がわけわかんなくなるので、混同しないように気をつけましょう。


コロP アイドルマスター がんばったがダメ 07年12月02日
コロ がんばった 1:00

この絵を貼って、さてなんとコメントしたらいいものやら。
コロPの近作を見ていると、なるほどつまりこのPの世界というのは、現今のBB素材文化に接続するものだったと考えればいいのか、というような気もしてきますが、見返せば見返すほど、やっぱりそういう問題じゃねえ! という気もしてきます。


コガブシP [第五次ウソm@s] 忠犬ミキィー 11年11月05日
コガブシ 忠犬 5:43

アイドルをペット役にして愛でる、というのはノベマスで時々あるネタですが、定番のネタも、立ち絵加工でギャグ漫画を表現するエキスパートであるところのこのPにかかると、なんか違う方向に行っていますね。


二色ほたるP 【黒い犬】 黒井社長 10年09月12日
二色ほたる 黒い犬 0:20

タグ「黒井社長ファンの聖地」「その発想はあった」。


駄コラP 愛犬ロボ「ちはや」 12年02月25日

「犬千早」関連は数も多いしいちいち取り上げられない、ということで触れません。が、これはアイドルの顔を刳り貫いて犬の胴体に貼付ける、という、今ホットなタイプの動画の先行例、ということで。
なお、スクショがないのは、この絵は私のブログに写しておきたいものではない、と思ったからです。まあ、その原因として、そもそもアニマス千早のこの歌唱シーンの絵柄があまり私の好みとは合わない、ということもあるのですが。
若干脱線をすれば、私の好みに照らして美しい絵ではなくとも面白い表現や、あるいは美しくないからこそできる表現、というものはもちろんあり得るわけです。しかし、では面白い表現であればどんな絵でもいいか、というと、私の場合はそうではない、ということです。



そんなところでイヌ動画の話はおしまい。
ということで、この記事もこれで終わり……ではなく、本来書くつもりだったネタは、ここからなのですが。



「ケンタウロスという獣人を生みだした古代ギリシャの人々は天才だと思うんだよね。

ただ、馬の胴にヒトの上半身を乗っけた図って、バランスとろうとするとヒト部分が巨人になるか馬部分が仔馬になるんで、

ちょっとヘンだよね、って話を、まだ学生の頃にTRPGの席で話した事がありました。」
性癖というか趣味の暴露になるんだけど。 - 箱の外からより)


馬の大きさってどれくらいだっけ、と適当に検索してみると、現在のサラブレッドで体高160~170cmくらい、アラブ種で150cm、くらいと出てきました。
古代ギリシャの人々が接していた馬がどういう品種だったのか私は知りませんが、まあ高さ150cmくらいはある胴体の上に、釣り合う大きさの人間形の上半身がそびえている、と考えると、これは確かにデカい。

一方、ケンタウロスってどんなもんだっけ、とまた適当に検索してみると、ヘラクレスと喧嘩して退治された連中であって、基本的には野蛮で粗暴な種族である。しかし全員が全員野蛮というわけでもなく、中にはケイローンという、大変に智慧があって粗暴でもない賢者のケンタウロスもいる、というような話が出てきました。
で、私の持っていたケンタウロスのイメージって、どちらかというと、後者の賢者っぽい方のイメージなんですよね。何故だろうと考えてみるに、それはC.S.ルイス著、瀬田貞二訳の『ナルニア国物語』の影響であるように思われます。

『ナルニア国物語』は私の幼少の頃のバイブル(←という表現を、神学者であり伝道者であるところのルイスの書物に対して使うと話がややこしいけれど、深い意味はありません)のひとつですが、このシリーズには、何人かのセントール(瀬田訳の表記)が登場します。
たとえば、『カスピアン王子のつのぶえ』に登場するセントール ”谷あらし” は、善側の勢力の有力な味方のひとりであり、予言者で星占いの名人であるという設定になっています。この "谷あらし" は、王の使者になったり、一騎打ちの決闘の際の警備役になったりと、善側の勢力の中で重要な役割を担っています。
ナルニア国の住人は、もの言う動物や巨人や小人などというような、架空の生き物で構成されています。こういう連中が人間と交渉するに際して、ネズミや小人のような種族では見た目でなめられるし、熊や巨人のような連中はガタイはよくてもおつむの出来がちょっと……、という中で、戦闘力も賢さもあり、風采も立派で「だれも馬鹿にする者はいない」ということで白羽の矢が立てられるのが、セントールであるわけです。
『さいごの戦い』に登場するセントール "星うらべ" もまた、その名の通りに星占いに長けた予言者であり、物語冒頭で王に危急を報せ、ナルニアの滅亡を予言する役割を果たします。このように、『ナルニア国物語』におけるセントールは、一貫して善性、強さ、賢明さを兼ね備えた種族として描かれており、ケイローン的な賢者のイメージが強く投影されているものと思われます。

ちなみに、『ナルニア国物語』においては、セントールのみならず馬に代表される四つ足動物一般が、好意的なイメージで描かれているように私は感じます。同じ大型動物でも、二足歩行の熊や巨人が、先ほど述べたように善良ではあっても鈍重で頭が弱いイメージで描かれがちなのに対し、四つ足の種族には、俊敏、勇敢、賢明といったイメージが強く打ち出されています。
たとえば『馬と少年』においては鹿が、のんびりやばかりの住民たちの中で小人と並んで気が利いて行動力のある存在として描かれていますし、『さいごの戦い』では王に味方をする数少ない戦力の一人として猪が登場し、勇猛で忠実な者として描かれています。
そして馬は、『馬と少年』ではタイトル通りに人間のキャラクターと並ぶメインキャストになっていますし、『さいごの戦い』においては、犬とともに一族全体で善側に立つ種族、という扱いになっています。『ナルニア』的な善・正義というのは、悪の誘惑、まやかしの宗教を看破して振り払える賢明さを不可分に含みこんだものなので、こうした扱いは、犬と馬という動物全体に、忠実かつ賢明というイメージが投影されていることを意味するでしょう。

ところで、ファンタジーの中でのケンタウロスというと、最近ではあの『ハリー・ポッター』シリーズにもケンタウルス(松岡佑子訳の表記)が出てきます。
このケンタウルスも、必ずしも人間にとって付き合いやすい相手ではないものの、単に野蛮であったり粗暴であったり、という単純な存在ではありません。人族と異なる論理と文化を持つ異民族、というような、現代的にスマートなテイストで描かれています。
また、その中でも、群れを離れて魔法学校の「占い学」の教師になる "フィレンツェ" は、独自の知恵と哲学を持った存在として描かれ、賢者的なイメージが強く打ち出されている一方、群れのリーダー格である "ベイン" は荒々しく戦闘的な性格、と、種族の中でイメージを二分するキャラクターが描かれているのも興味深いところです。
(もっとも、映画版におけるケンタウルスは、森の中で叫び声を挙げながら襲いかかってくる、まったくの ”未開の野蛮人" でしかない描写でした。尺の事情でどうしようもないとは言え、今どきは欧米人でもケンタウロスのイメージってこんなもんだったりするのか、と思ったものでしたが……。)

盛大に脱線しましたが、野蛮で粗暴であるにしろ、風采立派な賢者であるにしろ、ケンタウロスという架空生物の根本に、馬の足で走りながら人の手で武器を操れる、という、「強さ」の理想的なイメージがあることは間違いなく、その点において、単なる珍奇な怪物ではなく、神的、超越的な要素を必ずや含んだ存在であるように思います。
ゆえにその身体は、人間にとって見上げるような巨体であっておかしくない、というより、そうであってこそふさわしいのではないか、と私は感じます。すなわち私は、「ケンタウロスのヒト部分は馬の大きさに合わせたサイズ」説を支持するものであります。
もっとも日本人の場合は、日本在来馬の大きさは体高120cm程度、ということですから、ポニーサイズのがっしりした胴体にごく普通のヒト型上半身が乗り、起伏険しい山道の踏破や田畑の耕作に長けた日本在来ケンタウロス、というのも、これはこれで魅力的な気がいたします。


なんの話でしたっけ。
そうそう、春香さんは果たして犬なのか猫なのか、という話題でした。
この件について、犬でも猫でもないんじゃないかなあ、という説に私は同感でありますし、いやパンダだろ、という指摘はまことに正鵠を射たものだと思いますし、たとえは所詮たとえでしかない、という空気を読めない意見は私としては大変好ましいけれども今のところ誰も言っていませんが、しかし御本人としてはいかがでしょうか、春香さん?





カゴシマ 無免許 16 8:40

(天才カゴシマP 春香の 無免許&轢き逃げ 逃避行 第16話(アイドルマスター) 11年02月25日 より)



はい、有り難うございました。


そんなわけで、「性癖」と「趣味」という言葉から連想したつれづれを、記事にしてみました。


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農耕ケンタウロスというと

「ケンタウル、露をふらせ。」と言いたくなりますね。賢治は馬が大好きだったようですし。
ケンタウル祭ってのも描写を見るに、お盆の灯篭流しを思わせます。銀河鉄道が現世と幽界を繋ぐものである事を考えると、賢治はケンタウロスを神聖なものと見ていたのかも。

幽界と言えば、ダンテの「神曲」では地獄篇にケンタウロスが出てきますが、扱いとしては日本で言うところの鬼そのまんまでしたね。暴力の罪で地獄に堕ちた者を暴力で罰する存在。
キリスト教ではケンタウロスも悪魔の眷属とみなされるそうで、そんな存在を神学者のルイスが善性の側に立たせたのは、けっこう興味深い話であるなと。ナルニア国にせよハリーポッターにせよ、イギリスのファンタジー文学が見せる面白さが表れている様な。
映画版でああなったのも、制作が米国でなく英国だったら、また違っていたかもしれませんね。
単にルイスが動物好き好きだっただけというウワサも。

ボディーのサイズ云々の話は、ケンタウロスと装備の共用はできるかどうか、みたいな話から出たんだったかな。私は先の理由から「規格が違うから無理」派でした。やはり彼等は雄々しくあってほしいですね。

そんなこんなで話を終えてもいいのですが、いちおうアイマスで犬の話をするなら、
昨年同時期に制作されたドラクエ2架空戦記の2シリーズが面白かったですな。
王女(≒犬)役が絵理と涼に分かれる一方で愛ちゃんの安定感。
あとドラム缶Pのメタルマックスではサイネリアが犬だったかな。DS組は犬属性が高い?
馬はどうしたって話ですし、そもそも猫になりたいって話だった様な気もしますが、まあ気にしない方向で。
ではでは、思いがけない話を拾っていただき、また懐かしい動画を色々と見返す事が出来て、とても楽しい思いをさせていただきました。感謝を。

武士ケンタウロスもまた良し

『銀河鉄道の夜』の「ケンタウルの村」のところって、ちょうど原稿がなくなってしまっている部分なんですよねえ。もし残っていたら、ケンタウル祭やケンタウロス座についてのより詳しい描写や、ひょっとすると賢治の描くケンタウロスを見る事ができたかもしれない、と思うと実に惜しいことです。

>ケンタウル祭ってのも描写を見るに、お盆の灯篭流しを思わせます

あの、街中が灯りで満ちる祭りのイメージをどこから着想したのだろう、というそれだけでも、想像と好奇心が刺激されますよね。賢治研究を一生の業とする人が綿々と出てくるのもわかる気がします。

>キリスト教ではケンタウロスも悪魔の眷属とみなされる
全然知りませんでしたが、言われてみれば、そりゃあそうだろうなあ、という気がします。
ルイスは最終的に信仰を確立するまでにいろいろ精神的な遍歴のあった人で、『ナルニア』においてもキリスト教に留まらないいろんな神話や伝説から取り込んだイメージが含まれています。そういうことと、おっしゃる通りに動物への愛着や、あるいはこんな不思議な生き物を見たり乗ったり話したりできたらどんなにか楽しいだろう、という想像力が、教義を説く、という意図している枠組みを超えた、不思議に面白い物語世界を生み出しているのでしょうね。

>ケンタウロスと装備の共用はできるかどうか
こういう事柄が実際にあったら一体どういうことになるのだろう、という、架空世界の普通だったら気が及ばないようなディテールを想像する機会が生まれるのは、TRPGのひとつの醍醐味だと思います。
私だったら……どうだろう、世界観次第ですかね。ケンタウロスのいる世界の冒険者や戦士だったらケンタウロスの遣う武器くらい持てておかしくない、という場合もあるだろうし。もっとも鎧や着物の場合は、サイズ以前に形状でアウトだろう、という気はしますが。

>愛ちゃんの安定感
いろんな架空戦記や卓m@sを見ていて、愛ちゃんは本当にいつでも愛ちゃんだなあ、という印象はありますよね。どんな世界どんな物語でも、愛ちゃんはみんなが知ってる、みんなに愛されているあの愛ちゃんなんだ、という。「愛」という名前は伊達じゃありません。

>DS組は犬属性が高い?
DS組で犬というと、ぜっぱちPの『876プロが放課後怪奇くらぶを遊ぶようです 』シリーズに、何回か獣耳になるエピソードがあるのを思い出しました。が、調べてみたら登場したのは猫、狐、兎で、残念ながら犬になるパターンはありませんでした。
765プロアイドルに役柄を振る場合、人数が多い故にチョイスがばらける面と、一定の役柄について担当するアイドルが固定化する面があるのに対して、876プロの場合は3人(+夢子)で必ず主役級を分担するので、そういうプロダクションの性格の違いが反映されている気がしますね。
あと、サイネリアはやっぱり、サポートキャラ的だったり従者的だったりする役柄について、余人にないこのキャラクターだけの適性を持っていると感じます。ドラム缶Pのアレも、絵理&サイネリア以外のアイドルでご主人様と犬、なんてやったら話が変質する気がします(笑)。

最近は文章を書く手がどうにも遅く、億劫でしょうがありませんが、不思議なことに他人様にのっかる記事はすらすら楽に進む気がします。
興味深い記事、そしてコメント、こちらこそ有り難うございました。

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