私が視てちょっと幸せになれたSF系アイマス動画(ノベマス短編)10本


【SF】別にSFファンが視なくても全然かまわないSF系アイマス動画10本: そんなことよりアイマスの話をしようぜ

これはいい企画。
ということで、特になにかコンセプトを設けてというわけではなく、「SF」と聞いて思い浮かんだノベマス短編(別にSFというテーマで対象をそれだけに縛ることもないですが、上限数の関係で)を、深く考えずにパッと10本、挙げてみます。






おしまいのP 《たんぽぽ娘》 【アイマス×SF名作劇場】 08年11月04日


08年後期から09年初頭にかけて、独特の叙情的な雰囲気をもつシリーズ【はるか、おしまいの日】(アイドルマスター・ノベル)(08年10月27日〜未完)の連載で知られた、おしまいのPの短編。亜美、真美は、ニコマスにおける子ども役であるということ、双子という特性によって、ノベマス短編の中で重要で特徴的な表現を担っていますが、本作も真美ならでは、そしてこの作者ならではの風情のある作品です。
なお、本動画の原作であるロバート・F・ヤング『たんぽぽ娘』はその後2012年になって、扇子Pの【アイマス】水瀬伊織の今日の一冊 たんぽぽ娘【MMD】(12年11月25日)において紹介作品として取り上げられています。縁というものはあるものだと思います。




サド景麒P 【5mium@s】5ア何こわ!! 美希編 09年06月13日


この動画が描いているのは、SFはSFでも「すこし・ふしぎ」のSFというか、いやむしろ「ちょっぴりだけ、ふしぎ……なのかな?」くらいの、ひとさじの不思議さがある日常風景、です。「5mium@s」(5分以下のノベマス短編を投稿するタグロック祭り)の参加動画にはもっとわかりやすくSFしている作品もないではないのに、なぜこの動画を入れたのかと言えば、単純に私がこういう動画大好きだから、ですね。
ノベマスにおける美希は、常識的でない出来事を自然に当たり前に受け入れてしまう、とか、他人の気にしない些細なことに気を留めたり真剣に考えたり、とかいったことをする役柄が似合うところがあって、美希主役の短編には、そういう美希の持ち味を生かした、ちょっとした不思議さやおかしみに味わいがある作品が、少なくないように思います。
本作はその好例で、5mium@sというレギュレーション、立ち絵という素材、そして美希というアイドルならではの佳品だと思います。




ya-P ご主人様のオモチャになった春香さん 09年10月04日


ya-Pは、ノベマスにおいて、動画でショートショートを表現したり、星新一や筒井康隆といったSF作家の作品とのコラボを行ったり、といった試みを行った、開祖というべき存在です。残念ながら多くの作品がすでに削除されていますが、本作は氏のショートショート作家としての腕前を現在でも存分に味わうことのできる、貴重な動画のひとつです。
紙幅の都合で取り上げていませんが、ya-Pが先鞭をつけた、星新一作品や筒井康隆作品とのコラボは、その後様々なPの手によって、現在に至るまで連綿と系譜が続いています。




ひゅんP 【im@sミステリー祭り】 萩原雪歩と秘密の壺 10年08月09日


「S(酸素)F(不足) 」がテーマの「アイマス×SF」作品。
”ある朝起きたら、芋虫になっていた”、とか、”道を歩いていたら宇宙人に攫われた” とかいうような、登場人物の異物への変身、あるいは異物との憑依・装着・遭遇。ノベマスにおいて、そうしたテーマが面白い表現になり得ることが広く認知されるようになったのは、やはり2010年前半、どきゆりPの出現によってであり、そして引き続いて現れた下風ゥP、本作の作者ひゅんPといった人々の活動によって、ひとつの分野として確立したと言っていいと思います。
本作は、そうした時期に生まれた、奇想の人であり、論理の人であり、コメディの名手でもある作者の冴えが存分に発揮された快作のひとつです。




藤花P 【ノベマス短編】春香の異常な愛情 10年09月20日


春香博士とメカ千早と千早の、ちょっとシュールな一幕。上遠野浩平や森見登美彦を題材にしたノベマスを作られている藤花Pの短編。どこがどう物凄い、ってことではないのだけれど、いつまでも心に残っていて、ふとした度に思い出されてくる動画、というものがいくつか私にはあって、本作もそんな忘れられない掌品の一つです。




レストP 【第三次ウソm@s】置き去りセカイ 第一話 10年12月03日


「第一話」とありますが、「ウソm@s」作品なので、続きはありません。いわば、こんな世界を思い描いてみましたよ、という風景だけが提示されている動画。このように魅力的で空想のふくらむ、突飛な非日常的世界をひととき体験して、後は私たち自身の想像に任される、というのも、短編作品ならではのひとつの楽しみでありましょう。
文章やストーリーテリングとともに、スタイリッシュで美しい画面作りにも定評ある作者ならではの世界が展開している一品です。




kyeP(仮) 【ノベマス短編】 寄生体の不戦勝 【SFM@STER】 11年01月09日


kyeP(仮)は、最初の連載作品が神林長平原作ということで、元々SFと縁の深い作者でしたが、本作『寄生体の不戦勝』は、デビュー作からの一連の投稿活動の後、半年近く沈黙していたPの久々の動画であり、そしてこの後、【ノベマス】段違い連立方程式【短編】(11年05月16日)や【ノベマス】バタフライエフェクト【短編】(11年06月23日)等の作品によって、立ち絵を用いないノベル作品の名手として氏が知られていく手前、端境の時期に位置する動画です。
本作は、「すこし・ふしぎ」のSF、起こっている事件としては、そんなに突飛な出来事を描写しているわけではありません。すこしだけふしぎで、すこしだけドラマティックで、とても素敵な出来事を、ちょっと回りくどい喩えで描く。キャラクターの心情に寄り添う優しい視線と、当時のこの作者の特徴である堅い言い回しの独特な比喩表現とが、個性的な融合を果たしている作品で、これも私にとって忘れがたい掌品のひとつです。
「SFM@STER」は、近年すっかりタグとして定着しつつあって嬉しい限りですが、元々は11年1月初頭、O(オー)Pの発案で企画されたタグロック祭りの名称でした。参加動画数や再生数においてそれほど目立つ祭りではありませんでしたが、個性的かつ粒ぞろいの作品が集まった企画で、私はこの祭りとこの祭りに集まった動画のひとつひとつが大好きです。開催当時、この祭りに感想記事を書けたことは、同様に個性的な動画が集まった「15行PoeM@ster」企画の感想記事を書いたこととともに、いい思い出です。

「SFM@STER」特集






こたつにアイスにみかんP スマ歩【NovelsM@ster短編】 11年11月17日


ねんがんのスマートフォンを購入した伊織。箱の中から出てきたのは……。
この記事で取り上げた中ではもっとも人口に膾炙した作品、ということになるでしょうか。ヘンリーPの家の壁が千早になっていた。【第四次ウソm@s祭り】(11年05月03日)などもそうですが、物体の擬人化という題材は、ぴったりとハマると、アイドルの可愛さを爆発させる起爆剤になるようです。




我孫本P 【スペース雪貴1】大宇宙を継ぐアイドル【宇宙英雄ペリー・ローダン】 12年08月12日


我孫本Pはアシモフなんかも題材にしていたりしますが、この作者の天衣無縫さが実にわかりやすくみなぎっている動画、ということでこちらを。
ペリー・ローダンシリーズは、ドイツで複数作家の持ち回りによってめっちゃ大量の巻数製作されている、スペースオペラ小説なわけですが(私は日本語訳を50冊くらいで心折れて放り出した記憶があります)。この動画は、うーんなんというか、「だいたいあってる」というタグも確かについているのだけれど、別にあっているかあっていないかとか全然関係どころかどうでもいいような気もすらしてくるというか、そういう横溢するマイペースさ、ゴーイングマイウェイさが楽しい動画です。




魔道書P Rに至る【クトゥM@s祭2参加作品】 12年09月10日


「クトゥM@s祭」はカイザーPの企画による、クトゥルフ神話を題材にしたニコマス作品を投稿するタグロック祭りで、第1回は09年8月に開催。魔道書Pの本作が参加している第2回「クトゥM@s祭2 」は12年9月の開催だったわけですが、これが当日参加作品は3作のみ(他に遅刻が2作)とかなり小規模なものとなって、主催のカイザーPとしても残念なところはあったようです。

ただ、この参加した3人の面子が、とても面白かったんですね。カイザーP、猟犬P、そしてこの動画の作者、魔道書P。猟犬Pは「アイドルとともに未確認生物の世界を学ぶ」というコンセプトで教養講座を連載しているP、魔道書Pはその名の通りクトゥルフ神話に登場する「魔道書」の解説動画でデビューした人、そしてカイザーPは言うまでもなくラヴクラフト・ダンセイニ卿ほか、多くの幻想文学作品・作者のニコマスにおける紹介者であり開拓者です。
共通していることは、いずれのPも、単にこれこれの分野が好きである、詳しい、というだけではなく、怪奇なもの、不思議なもの、その世界そのものに対して知ろうとする姿勢、面白がろうとする知的好奇心が、彼らの創作の根幹のところにあるように思われることです。

魔道書Pの本作は、アイマスのキャラクター性やストーリーが2次創作としてどう反映されて云々、というようなものではなく、まさにアイマスキャラクターを用いて表現されたクトゥルフ的な物語、であって、それはカイザーPがノベマスにおいて切り開いたひとつの可能性の、純然たる後継であり発展となるもの、と言えます。
私は、魔道書Pの本作を生み出さしめたことただひとつをもっても、「クトゥM@s祭2」には大きな意味があった、と言えると思っています。

なお、カイザーPの短編については、私は以前に一本記事を書いています。

 忙しい人のためのカイザーP試案



番外
天才カゴシマP (のべます短編) 不思議なエレベーター (アイドルマスター) 13年02月22日


動画自体は傑作短編として入れるに疑いはありませんが、この作者について書こうとすると、どうも私の話はSFというテーマからどんどん外れていく気がするので、番外、ということで。

天才カゴシマPは、自他ともに、"映画的" な作品を作る作者として認知され、自らも作品に「映画」と冠する人です。
けれども、本作を見ると、このPの動画が、たしかに ”まるで映画みたいだ” という感触を呼び起こさせるものでありながら、しかし同時に、実に ”紙芝居” 的な、あるいは”マンガ” 的な構成法を基底に組み上げられたものでもあることに気づきます。

P自身の解説動画によれば、氏は「なるべく一枚の絵に多くの情報量を持たせ」ることによって「台詞や解説にあまり頼らずにお話がサクサク進めばいい」ということを念頭に、動画を構築しているそうです。
本作はまさに、「台詞や解説」ほとんどなしに絵だけで進行する動画なわけですが、この動画にわかりやすく現れているのは、「一枚の絵の情報量」によって「台詞や解説に頼らずにサクサク進む」とは、単に文章による表現が少なくて済む、というだけではない、ということです。
「絵の情報量」が、動画が進行する上での大胆な省略を可能にしている。すなわち、一枚ごとの絵が何を表わしているかが視覚的にわかりやすいが故に、”使用前”と”使用後”の2枚の絵を順番に並べるだけで、途中の動きをまったく省略してしまっても、何が起きたのか簡単に想像することができる。そして実はこれは、紙芝居や4コママンガや立ち絵ノベマスが成り立つための、基本原理そのものであるわけです。

同じ解説動画の中でPは、「けっきょく、ノベマスをどういじった所で映画にはならない」と感じた、とも述べています。P自身がこの結論をどう捉えていたかはわかりませんが、私はこの「ノベマスは映画にはならない」という結論が、カゴシマP作品にとってマイナスの事柄だったとは思っていません。その認識があればこそ、”映画的” でありながら、しかし ”映画そのもの” ではない天才カゴシマP作品の表現が成立し、そしてそのような表現の在り方こそが、テキスト系動画においても高度な映像編集技術がこれだけ拡散しているにもかかわらず、なおカゴシマPがオンリーワンの境地にあり続けている理由(のひとつ)だと思うからです。
(なお、途中の省略と、それを成立させる個々の部分の情報の豊かさ、という考え方は、このような個々のシーンの表現だけではなく、シナリオ全体を通した時も見られる特徴であるように思いますが、この動画の話からは離れてしまうので、省略。)
ともあれ、私のどーでもいい能書きは脇において、天才カゴシマPが培ってきた表現技法と、その表現技法ならではのアイディアが炸裂する短編を、お楽しみあれ。





そんなわけで、最後の方、やや冗長かつ脱線気味になってしまいましたが、「SF」というキーワードで連想したノベマス短編を10本、思いつくままに書き並べてきました。
ここまで読まれた皆さんは、あれ、SFがテーマなの、なんでアレとかコレとかソレを取り上げないの!? と、疑問に思われたのではないでしょうか。
はい、アレもコレもソレも入っていません、私の10本。
本家SF愛好者たちの盛り上がりなみに、こんなヤツに任せておいてはダメだ、と、「私のアイマス×SF」記事の波が広がっていくことを期待しております。10選でも5選でも1選でも100選でも、なんでもいいと思うんだ。

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