ちょっと前に見たもの:ゆっくりTRPG


いま現在の私の集中力では、長い記事は書けないので、のんびりと、視聴したもののメモなど貼っていきましょう。
一度ねじが切れるとなかなか戻ってこられないのは、今に始まったことではありませんが、編集画面を開くことができる時点で、今回は比較的軽症かな、と、ここらへんの呼吸、サイクルも自分で慣れてきた感があります。


2012年、動画を視聴するにあたっての私のテーマは、広く、浅く、薄く、でした。具体的には、ノベマス以外のテキスト系動画の各サブジャンルを、浅く薄くでもなるべく全部つまみ食いしよう、ということです。もろもろの動向を考えた時、たとえ私が今後ともノベマスを中心に視聴生活を送っていくとしても、そうしないと見えないことがたくさんあるだろうと思ったからです。
記事を書くにあたっても、そこらへんの成果を生かして……、というようなことは、別に大してありませんでしたが、いろいろ見て楽しかったのでいいです。

そんなわけで、この記事は、そういう視聴コンセプトの一環として、昨年の秋頃に見たものについてのメモです。




・ゆっくりTRPG

ゆっくり実況プレイによるTRPGリプレイ動画は、ニコニコ動画において11年から12年にかけて爆発的に流行していたわけですが、ニコマスブログの中ではami=go氏くらいしか語る人がいないので、日頃のサーチ範囲がニコマス内に限られている私としては、何が起こっているのかあまり実感できないところではありました。
で、去年の秋のいつ頃だったか、どういうものがあるのかちょっと見てみようと思って、土日を一回潰していくらか見て回った、その見たもののリストがこれです。知っている人が見ればわかりますが、このジャンルにおけるメジャー作品ばかり、というか、要するに再生数の多い順でソートして目についたものをいくつか見ただけですね。

ちなみに、「ゆっくりTRPG」というジャンルにおいて、いくつものヒット作が出現するのは12年になってからですが、このジャンルのヒット作は、軽く10万再生を越えるものがゴロゴロしています。つまり、「ゆっくりTRRPG」のヒット作は一つ一つが、ニコマスで言えばマスクエ・ぷよm@s・雀姫伝くらいしか匹敵しないか、あるいはそれを上回る規模を持っていて、ニコマスのテキスト系動画における通常のヒットの規模とは、桁が一つ違っているわけです。
また、「ゆっくりTRPG」においては、流行がクトゥルフ神話TRPGを用いたシリーズから始まっているため、卓m@sにおける一時のソードワールド2.0に相当するような、一見すると不思議に思えるほど多くの動画が一つのルールに集中する地位を、クトゥルフ神話TRPGのシステムが占めています。



ゆっくり達のクトゥルフの呼び声TRPG (11年03月31日~12年10月10日打ち切り)

全てのきっかけになった、最初のメガヒットシリーズ。im@s架空戦記で言えば呂凱P、ノベマスで言えばタミフルPストレートP、卓m@sで言えばブリッツPのポジション。
作者は、制作時点でのTRPG経験はそれほどなかった人のようであり、それ故の破天荒で勢いの良い展開であったり、戦闘重視かつその戦闘内容が豪快であったり、卓m@s初期のブリッツPと相通じるものがあると感じる。


【ゆっくり実況】ゆっくり妖夢と本当はこわいクトゥルフ神話 (12年01月28日~最新12年12月27日)

こちらもモンスター級のメガヒットシリーズ。出現タイミング的にはペデューサーPや開拓流行れPの、立ち位置的にはておくれPや介党鱈Pのポジション、というところだろうか。
ここぞという場面での感情の盛り上げ、伏線回収の印象づけであったり、キャラクター性や関係性の見せ方であったり、実にエンターテインメント的なツボを心得ている。演出、BGMの扱いも、盛り上げを最大限に増幅して巧み。
ニコマスのテキスト系作者でもこのシリーズを激賞している人がいるけれども、確かにこういうものを理想だと感じる人、書きたいと思っている人は少なくないだろうな、という内容。
第2幕終盤の、見ていてあーこりゃ大変だわ、という感じが、同時期のマスクエの大変だなあ感とダブったものだが、きっちりと収束したのは凄いとしか言いようがない。いや、まだ完結したわけでは全然ないのだが。


本当にあったSAN値が下がるクトゥルフTRPG (12年04月28日~12年07月28日完結)

いわゆる「跳躍卓」として知られる作品。(卓m@s同様、ゆっくりTRPGでもメジャーな作品には「〇〇卓」のような略称が定着してしている。)長期キャンペーンではなく、奇想天外な展開になった1回限りのシナリオを動画化したもの。この作品の製作者、というより製作チームは、以前から仲間内でTRPGを行っていたグループであり、グループ内で実際にあったプレイの内容を動画化した、としている。キャラクターも、前記2作のような2次創作の形ではなく、専用の絵を使ったオリジナルのキャラクターを使用している。
本作で面白い使われ方をした技能やアイテムは、共有されるネタとなって、後の他の作者の作品でもしばしば言及、模倣されている模様。


間違いだらけのクトゥルフ神話TRPG (12年06月11日~最新13年01月08日)

恐怖もグロもほとんどなく、ギャグ的な展開を多く含み、「茶番」「渡鬼」(渡る世間は鬼ばかり)などと称されるホームドラマ的な人間関係描写を好んで挿入する、などの特徴を持つ、ホームコメディ的作品。
ホームコメディ、と述べた通り、ギャグ要素を多く含みながら、視聴者の好みが分かれるような癖の強いネタやキャラクターづけが少なく、ほのぼのとした世界観に収束している。すっきりぽんP的な立ち位置か。安定した更新速度も魅力。


【ゆっくり実況】ふたりでクトゥルフ! (12年02月28日~12年08月21日完結)

本作も長期キャンペーンではなく1シナリオの作品。初心者キーパー(GM)1人、初心者プレイヤー1人でTRPGをやってみる、というコンセプトで、そのキーパーは小鳥さん。おそらく、ニコ動内でアイマスキャラクターがレギュラー参戦しているTRPG動画として、現時点で最大の再生数をもつ作品と思われる。
TRPGを広めたい、魅力を伝えたい、という動機から作ったものと言明されていて、それは動画の内容からもありありと感じられる。動画につくコメントもそれを反映した空気を形成しているところは、万年Pのゲームマスターになりたい!(万年Pの同作は、『ふたりでクトゥルフ!』の動画中において直接紹介されてもいる)を思い起こさせる。
同作者には新作もあるようだが、未視聴。

本作に限らない話になるが、「ゆっくりTRPG」ジャンルの作品中で、たまにアイマスネタへの言及があるシーンに遭遇すると、ニコマス視聴者としては、制作者がアイマスの中のどういう部分に触れているのか、アイマスネタの中でどういうものは現今においてニコマス外の視聴者の間でも認知されているのか、といったことが窺われて、興味深い。



ゆっくり達のジャズエイジクトゥルフ (12年10月10日~)

発端の『ゆっくり達のクトゥルフの呼び声TRPG』の人の、同シリーズが中絶した後の新シリーズ。1920年代、禁酒法時代のアメリカでギャングとか探偵とかが跋扈する、つまり「バッカーノ!」的なアレ。
キャラクター造型などの持ち味はそのままに、運用面での洗練、練熟が歴然としている。前作では人気がふくれあがったが故に、毀誉褒貶もいろいろあったことが後追いでも窺えるが、こうして己が得てしまった影響力と向き合っている作家らしい成熟を遂げているのは、幸福なことだと思う。


【クトゥルフTRPG】風変わりな旅行  (12年08月21日~12年12月15日完結)

「跳躍卓」のグループによる別のキャラクター、別のシナリオでの新作。プレイヤー二人の小さな編成のプレイで、前作同様プレイヤーのユニークな立ち回りが大きな眼目になっている。
動画自体の話ではないが、このグループの作品ではストーリー完結後にプレイヤーの詳しい経歴、プレイ時の事情が明かされるのが恒例になっている。それを知っている視聴者たちが連載中にあれこれプレイヤーについて想像しているコメントを読むと、作り手に対して何を期待しているか、何を信じたがっているかという読者心理の傾向が窺われる感じがして、興味深い。




【ゆっくりと大正クトゥルフ】灯火の行く橋 【帝都モノガタリ】 (12年04月07日~)

これは最初の一気見より少し後、「ゆっくりTRPG」タグの新着動画のサムネを眺めていて、タイトルが気になったので、遡って見始めた。
タイトルに「大正」「帝都」とある通り、1920年代の東京を舞台にとった "大正浪漫" の世界。それらしいキーワードをふんだんに散りばめ、それらしく文体も凝っている。インターフェースも、ここまで挙げた各作品のような台詞枠型ではなく、全画面に文字を表示するサウンドノベル型で、フォントや文字色、背景意匠にこだわった表現を志向していて、”大正浪漫” を表現することへの並々ならぬ熱意が感じられる。
このシナリオは既に完結し、第2期の新しいシナリオが始まっているようだが、まだ追いついていない。

動画とは直接関係ない雑談。TVドラマについて、明治はもう時代劇だが、大正はまだ覚えている人がいるから気をつける、ということを言ったのは山本夏彦だが、山本夏彦が存命ということは、既にもう10年以上前のことになるわけで、当今エンターテインメントのレベルにおいては、戦前は全部ファンタジー、ってところだよね、と。
しかし、たとえそれがもはやファンタジーであっても、上記の動画がそうであるよう、ファンタジーをファンタジーらしく描くには相応の知識的技術的裏付けがいるわけで、それをやろうとする人がいるのは素敵なことだな、と。
まあ、ニコマスには初めから和風ファンタジーのための架空世界である偶像町幻想百景があったりしますが。つまり何が言いたいのかというと、ニコマスでも1890年とか1920年代とかの和風ファンタジーがいろいろ出てきたら楽しいだろうな、ということです。


この記事、ニコマス記事でいいのか? 別にいいか、半分はニコマスの話をしているようなものだし。

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