07~08年のノベマスの話(4): 0711~0712 架空戦記からノベマスへ


 07~08年のノベマスについてだらだらと書いているシリーズ。
 前々回は07年5月~10月のノベマスの表現形態を調べ、

・07年10月までの「Novelsm@ster」タグはほぼ、ノベルゲームを題材、または模倣した作品に付けられている。
・ただし、各作品は各製作者の独自の発想から生まれ、互いに影響関係や同一ジャンルに属しているという共通認識はなかったのではないか。
・現在の「Novelsm@ster」ジャンルに内包される様々なサブジャンルの萌芽が既に出現している。

と結論づけた。前回はim@s架空戦記の成立史に簡単に触れ、07年9月頃から、
             視聴者数拡大⇄視聴者が製作者に移行
というサイクルが生じて、架空戦記ジャンルが急速に発展していったことを確認した。
 今回は、この出来事を前提に、07年末の「Novelsm@ster」タグ作品の動きを見ていきたい。

 本シリーズを執筆するにあたって多くの方のブログや動画を引用、または参考にしています。お礼を申し上げます。

 


 このシリーズでは、いくつか本記事内のみで通用する特殊な用語を定義して用いている。前々回参照のこと。


2ー1ー1 07年11~12月

 では、07年10月までの作品について行ったのと同じように、07年末に初投稿された「novelsm@ster」タグ作品を、表現形態によって分けて見ていく。

糸冬P 『【アイドルマスター×太閤立志伝V】伊織立志伝第一回(前編)』(11/13)
       台詞枠 
おまんP『【新人P】百戦錬磨のアイドル候補生達の実態【歓迎】』(11/13) 
       台詞枠 「アイマス紙芝居」タグあり (NovelsM@ster まとめWIKIに記載無し)
まっこまこP『ウミトラ! 菊地海王伝説第一話~アイドルマスターX チンギスハーン~』(11/17)
       台詞枠 「im@s架空戦記シリーズ」タグあり
なのP『【アイドルマスター】カフェ・ド・アイドルへようこそ』(12/4)
       台詞枠  (10/8/22現在「Novelsm@ster」タグ無し WIKIに記載あり 一作のみ)

・糸冬P作品は、架空戦記とノベマスの線引きを巡る論争の発端となった動画である。その理由は、同シリーズが「静止画の背景+立ち絵+メッセージウィンドウ」という「グラ芝居」の形式のみで構成され、原作ゲームのプレイシーンを持たなかったことによる。
 この論争の結果、

架空戦記スレではこの意見が多くの賛同を集め、以後「ゲームのグラやシステムを流用してるけどプレイ動画を含まない物語作品」には「NovelsM@ster」タグがつくようになります
        (海月P 「ノベマス界隈その1」より引用)

ということになり、『伊織立志伝』は作者が「架空戦記」タグを付けないことを宣言し、「Novelsm@ster」タグを持つこととなった。従って、『伊織立志伝』は当初はあくまで架空戦記ジャンルの作品として投稿された訳であるが、作者・視聴者が意識的に「Novelsm@ster」に属すると判断した最初の例である。

・まっこまこP作品もまた、糸冬Pと同じ台詞枠形式で構成され、架空・ノベタグの整理によって「Novelsm@ster」タグも付いたものと思われる。投稿者コメントには架空戦記作品に触発されたことが明記され、現在も「im@s架空戦記シリーズ」タグが並記されている。

・おまんP作品は、ニコマス全体に多大な影響を及ぼした有名作で、「Novelsm@sterpart1」タグが付けられている。しかし同作品は、「手描き背景+手描き立ち絵(または手描きの一枚絵)+黒帯に文字表示」という構成のため、長らく手描きの「アイマス紙芝居」ジャンルに属すと見なされてきたものである。現在でも2作目以降には「アイマス紙芝居」タグのみがあり、ノベマスwikiにもおまんPは記載されていない。かなり後年のタグ整理でノベマスに分類されたと思われる。

・なのP作品は、おまんPの例とは反対に、1年間以上ノベマスに分類され、wikiにも記載があるが、現在はジャンルを示すタグが付与されていない。理由は不明であるが、同作品がオリジナルストーリーではなく、公式のCDドラマ音源に忠実に「グラ芝居」を付けたものであることによるのかもしれない。発想としては現在でもよくある、ラジオ等の音源に絵を付けた紙芝居・再現動画系の作品と同様であると言えるが、「背景+手描き立ち絵+下方に黒帯(文字表示用)」という、「グラ芝居」の要件をよく満たした形態を取っている。

(参考動画:愛識P アイドルマスター 歴代ノベマスランキング 08年12月23日投稿 なのPは3位にランクインしているが、上位作品に匹敵するか上回る再生数だったと思われるおまんPはランキングに含まれていない)

 このように、07年末の動画では、架空戦記内での論争から、意識的に「Novelsm@ster」タグへ移行する・移行させられるという新たな流れが生まれた。隣接ジャンルの発展でノベマスの概念が拡張・明確化した一方で、10月までに登場した「ノベルゲーム風」や「捏造コミュ風」の系譜を継ぐ作品は現れていない。先行作品の影響から、そのジャンルに属することを意識して投稿する、というジャンル成立を決定づける現象は、まだノベマスには起こっていない。

 次回はこれに続いて、08年初頭からのノベマスにどのような動きが生まれるかを追っていく。書き方と例証の仕方に問題があるせいだろうが、どうも議論がまどろっこしくてなかなか前に進まない。気持ちとしては前回から次回までで一つのパートなのだが…


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