その一言が、あればいい。あと主題歌


アニマス13話を見て、嬉しかったことなど。
本編のネタバレがあります。



765プロ初の大きなライブ、という節目のお話でした。

が、私はそもそも、アニメのライブ回自体に、あまり関心がなかったので。
アイマスライブに行かないせいかもしれませんが、ライブシーンを見て、ここでこの曲が来たか、ウウォー!! みたいに盛り上がる感覚がまず、私の中にないんですよね。

それから、765プロのライブと銘打つのであれば、究極的な希望としてはやはり、13人全員が均等にその力を見せつけてくれるライブを見たいのです。けれども、30分アニメでそんなものを完全に表現するのは、まず不可能なわけで。
限られた尺の中で舞台裏のシーンを映すということは、つまりステージ上で彼女たちが起こす諸々の現象の理由づけを、単純化して舞台裏の誰かの言動の中に落とし込む、ということになります。別にそんなものを見なくてもいいなあ、と。

そういう意味では、舞台上で彼女たちが順番に歌って踊っている姿を淡々と映してくれれば、私はそれでいいのかもしれません。しかしまあ、それが見たいならアイマスライブに行くかノーマルPV巡りをしてなさい、という話でもあります。
あるいは、ライブの裏を見せてくれるのであれば、舞台袖にでも設置したカメラから見える光景を、朝から晩まで延々とノーカットで放送し続ける、なんてのがあったら最高ですが、別に商業アニメでなくとも、そんなものが実現するわけがないですからね。

私が見たい理想のライブ回は、そういう非現実的なものなので、別にその通りにならなかったからと言って、実際のライブ回に文句を言うつもりもありません。
が、そういうわけで、特段熱狂することも落胆することもなく、つまらない見方と言われればつまらないかもしれないし、気楽と言えば気楽な構えで、13話を鑑賞することにはなりました。


そんな気の抜けた態度で臨んだアニマス13話ではありましたが、例によって春香さん絡みでひとつ、個人的にポイントだったこと。
よくぞやってくれたというか、これは認めざるを得ないというか、心底嬉しかった、春香さんの台詞。
一回きりしか見ていないのでうろ覚えですが、最初の方の、後ろの人にも前の人と同じくらい声が届くように云々、という台詞と、CM後の、「客席の隅から隅まで」という言葉ですね。

春香の歌については前に一本記事を書いて、その時に大体同じことを言いましたが、繰り返します。
この言葉は、抽象的な精神論ではありません。とても具体的で技術的な言葉だと、私は思っています。

まあ私は野外ライブというものにはあまり行ったことがないので、野外でどういう風に音が聴こえるものかはよくわかりませんが、閉鎖空間のホールの場合ならば、ステージで音楽を表現するとはつまり、ホールの音響特性という固有条件の中で、どれだけ広範囲に狙った通りの音を届けられるか、という作業です。
音を出している演者自身と、真ん前に座っている客、一番後ろに座っている客。同じ音を聴いていても、聞こえ方は全く違うのが当然です。
そこで、ただ自分の耳に心地良い音を出しているだけならば、カラオケで一人で歌っているのと変わりがありません。遠くにいる他者の耳を意識した音を出して初めて、ステージ上の表現と呼べるものになるのです。

ダンス、ヴィジュアルという視覚的な表現についても、全く同じことが言えます。
どう伸ばしても1メートル数十センチしかない人間の身体を、何十メートルも離れた場所にいる他者に対して、どう印象づけるか、ということ。どんなジャンルの身体表現であれ、一流の演者のパフォーマンスというものは、遠くにいればいるほど、空間全体を演者の存在感が制圧しているのがはっきりと感じ取れるものです。

アニマス13話の春香の、最後方の客を意識するという言葉、隅から隅まで届けるという言葉には、ステージで表現するという行為の、根本であり究極である技術のエッセンスが詰まっています。(それ以外には、メンタル的なことをいろいろ発言していますが、そこはまあ、私にとっては基本的にどうでもいい(笑))
別にそんな言葉がなくても、お話をこしらえて出すことはできます。しかし、こういう言葉を言わせればこそ、このアニメが恋愛話でもなく、スポーツ大会で優勝を目指す話でもなく、女子学生のほのぼの日常を描く話でもなく、ステージに立つアイドルの物語であることの、意味があるのだと思います。

で、まあ、それと同時に、そういう言葉を最初に言うならそれは天海春香だろう、という、またそれを言えてこその天海春香だろう、という感情はあるわけで。
プロローグを見た時から、春香さんのこんな可愛い姿が、とか、春香さんにこんなおいしい役回りが、とか、そういうものが見られることについては、何の疑いも不満もありませんでした。そういうものがいっぱい見られるだけでも、満足だった、幸せだったと言うことは出来ます。
が、それに留まらず、これぞアイドルマスターの天海春香よ、と私が信じるものの一つ。それを、ライブステージの回で目撃することが、私はできた。
このアニメを見られて、本当に良かったと思いました。


あと、ストーリー面で個人的に面白かったのは、竜宮小町の到着が遅れて、セットリストの変更でてんやわんやしている描写ですね。
アイドルライブの裏方がどんなことをやっているかなんて知りませんが、別にプロでなくとも、イベント事の進行管理をやったことのある人ならば、土壇場で予定に穴があいた時の、現場の地獄ぶりはよくわかることかと思います。ニコマスは、合作やら生放送やらで、しょっちゅうそういう機会がありますから、思わず共感してしまう方も多いのではないでしょうか。
具体的な描写(たとえば、そういう最中に、衣装にジュースがかかったなんてことで諍いを起こす)に納得感があるかどうかは別として、このバタバタ感はいいなあ、と思って見ていました。

蛇足的に、後半のクールへの願望を。
私としては、出番がどれだけあるとかよりも、この回にこの一言があったことの方がずっと大切なので、春香さんは別にこの後どうなっても構わないのですが。
春香さんはそれでいいとして、他にやるべきことが、たくさん残ってますよね。
まあ、この一言を描けたアニメなので、期待しています。



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No title

私もこっそりと13話を拝見したのですが、確かに今回の春香は良かったですね。
美希や仲間たちへのさりげない気配り、またオーディエンスへの心遣いとか、
見てて「ああ、春香だなぁ…」って感じたシーンがいくつもありました…悔ビク!
後半は雲行きが怪しそうですけど、みんなが笑っていられる展開になってくれたらなーって思います。

Re: No title

ウィンウィンP、コメントありがとうございます!

>こっそりと
堂々とけなしたりけなしたりたまに褒めてしまったりしてもいいと思います!

周りの人への気遣いが描かれるというのは、やっぱりいいですね。まあ、アニメでの仕事ぶりをコミュでの仕事ぶりと引き比べると、心遣いの真摯さはともかく、あんなに気を回してうまく立ち回れるものかなあ、と思ったりもしてしまいますが。
どんな場所であれ、「ああ、春香だなぁ…」と思えるシーンと出会えるというのは、本当に素晴らしいことですね。

>みんなが笑っていられる展開になってくれたらなーって思います。
やはり、それに尽きますね。そうなることを願っています。

では、コメントしていただけて、本当に嬉しかったです、有り難うございました。

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