5/13(金)~5/19(木)の動画覚え書き(ノベマス) 補遺


「後にとっておこう」と思ってそのまま忘れてしまうことってよくありますよね。
記事を書き終えてやれやれと思ってマイリスや履歴を眺めると、取り上げる気満々だった動画がぽつんと残っているのを発見してへこむことがよくあります。百舌のはやにえみたいですね。

イマジンP ミキのハニーは社長なの! その1なの!【NovelsM@ster】 (11/5/14)


いやあ、コメディの可能性はまだまだ尽きませんね。ギャグメインのノベマスは私がもっとも慣れ親しんできた分野なので、かなり身構えて見てしまうところがあります。しかしこのシリーズには毎回、毒気を抜かれるというのか目から鱗が落ちるというのか、こんな発想があったのか! と素直に驚いて笑わされてしまいます。誰にでもわかりやすく(前提知識の多寡に左右されず)しかも他の誰もやっていないネタを作る、というのは本当に難しいことなのですが、この作品からはポンポンとそんなネタが飛び出てきます。発想よし、リズムよし、会話のセンスよし。
コメディは初期3~4話の導入部が終わって、登場時の衝撃に読者が慣れてきた時にさてどうするか、という関門があります。その意味ではこのシリーズもまだまだこれからが腕の見せ所ですが、とりあえずツカミに関しては文句無しに満点でしょう。

さそP 【アイマス2】真のストーリーを偽造してみた 9(終)  (5/17)
 

さそPの『真のストーリーを偽造してみた』シリーズ(5/9~5/17完結)の最終回。
ご自分で、これはノベマスではないだろうと書かれていましたが、そもそもノベマスの源流の一つは捏造コミュ・妄想コミュと言われる類のもので、しかし時代が下るにつれてコミュという形式とその物語構造のノベマスに対する拘束力は弱まっていった、ということを私はどこかに書いた覚えがあります。その意味では原作ゲームの形式を模倣してアナザーストーリーを構築した本作は、きわめて正統的な「NovelsM@ster」作品であるとも言えます。
「ないものは自分でつくるのがニコマス」みたいな言葉をよく聞きますが、当たり前の話、そこに何が「ある」のかを知っていなければ、何が「ない」のかもわかりようがありません。この作品が何故真のストーリーを「偽造してみた」と名乗れるのかと言えば、作者が作者なりに『アイドルマスター2』の真ストーリーを観察し分析した、という経験に則っているからですね。
つまるところ、よっぽど特異な天才でもないかぎり、既存のものを知悉し分析できていなければ新しい価値を創造することは難しいわけで、この作品は、その過程にあった作者の苦悩、葛藤をとりあえず脇においてみるならば、そういう観察と分析を土台にした作品であるということです。単純な話、2行分しかない台詞枠で、文法的にも語彙的にも特殊な会話文を使いこなしてキャラクター性やストーリーを表現する、それだけでも面倒なことです。
このシリーズ、案の上最後は多少荒れたコメントがつきましたが、基本的にはこんなストーリーいいなあ、という素直に楽しむコメントが支配的で、それはそれだけ偏った層の視聴者が見ていたという証左でもあるでしょうが、作品の楽しまれ方としてはとても良いことだと思います。

遼介P レスキューP奮闘記 第18話 (5/14)


3/24連載開始の『レスキューP奮闘記』シリーズ。7/2時点で34話。3ヶ月間コンスタントな投稿ペースを保ち、2話以降ほとんど再生数を変動させずにこの話数。なかなかできることではありません。

たとえばの話、この物語は強くて優しくてかっこいい主人公が活躍する話です、と書いたところで、そいつはどうして強くてどんな風に優しくてどこがかっこいいのか、を物語中で表現できなければそれはメアリー・スーだとか描写にリアリティがないとかいう話になって読者に受け入れてもらえません。物語のリアリティなどと言いますが、ようは説得力の問題ですよね。書いてある内容で読者を説得できるかどうか。
勿論説得の仕方は一つでないわけで、たとえば漫画やアニメなら、あらすじだけなら荒唐無稽な内容でも、絵なり映像なりで説得力を担保できる場合がある。では小説ならどうか、ということで、プロの作家が何故「取材」なんてするかと言えば、身につけた知識経験によって自作品の説得力を増したいがためでしょう。ではプロの手法は二次創作にも適用できるのかと言えば、プロと同じことを趣味でやって身が持つわけがない、ということでもあるし、別にプロの中にだってお前の描写のどこに説得力があるという奴はいくらでもいる、ということでもあります。しかし少なくとも、自分の場合どんな題材を選んで何をやれば、読者に対してより説得力ある物語を提示できるのか、という視点はあってもいいのかもしれません。
 『レスキューP奮闘記』は、元消防救命士のプロデューサー、という存在を主人公にしています。作品中で披露される、レスキューの活動や心理に対する描写の迫真性・知識の深さ、あるいは作者にそういう知識経験があるという実績自体が、視聴者を説得する強い材料として提示されています。
「物語に説得力を与えるための事実の取材」の役割を作者の実体験が果たしている、ということになるのでしょうが、作者の手持ちのカードをどう描きたい物語に活用するか、という視点において非常に鋭い選択がなされていると言えるでしょう。

ところで、この回であずさの出番が多かったので思い出しましたが、、12話であずさがPの所属する事務所に入らず黒井にプロデュースされる、という展開になって、コメントが荒れたことがありました。議論を誘発したのは、あずさがP以外にプロデュースされる展開を見たくないので好きだったけど視聴をやめる、という大意の一つのコメントでしたが、興味深いのは、少なくともID上は複数の人間から、ノベマスでまで『アイドルマスター2』をなぞるようにあずさをライバル扱いする展開を見たくない、という意見が表明されていたことです。
私がそれを読んで思ったのは、別に2なんか関係なく、ノベマスのあずささんの扱いなんてこんなものですよね、と。ずっと前からあずささんはしょっちゅう引退したりラスボスになったりPにプロデュースされない立場になってきたし、律子はしょっちゅうプロデューサーになっていたし。公式が、そういう二次創作的なキャラクターの扱いを工夫なくそのまま踏襲した、という言い方はできるかもしれません。が、少なくとも『アイドルマスター2』が出たから2次創作でそういう流れが突然出現したわけではありません。
作品中でのキャラクターの扱いは、しばしば各キャラクター単体でのキャラクター性よりも、キャラクター群全体の中での相対的ポジションに強い影響を受ける、という話を書いたことがあるかどうか忘れましたが。765プロアイドル13人を使って何か物語を作るとして、誰がまとめ役でだれが参謀役で誰がボケで誰がツッコミで誰が和ませ役なのか。男役をやらせるなら誰で、ライバルをやらせるなら誰で、サポート役をやらせるなら誰なのか。普通に考えさせると誰がやっても似た発想になります。それはキャラクターの個性というよりも、相対的なポジションの問題である面が強い。
加えて、ノベマスで近年、とりわけここ半年で加速している現象として、765・961・876・魔王・中子右子と出せるキャラクターの数が増大するのに伴って、多数のキャラクターをシャッフルしていくつかの陣営に振り分ける設定の物語が増えてきました。『アイドルマスター2』の設定がよりその発想を容易にした、という側面はあるかもしれません。しかし、少なくとも公式がそうしたがためにノベマスでも一斉にあずさがライバル扱いされるようになった、というような単純な因果関係は指摘できないでしょう。
で、先にあずささんの扱いなんてこんなもの、と書きましたが、無論私はそうしたパターンに当てはまらない多様な作品がノベマスに存在することもまた知っています。が、人間は自分がサーチしている範囲外のことは想像できないのが当たり前だし、大抵の場合対象の全体像に比べて個人がサーチできている範囲はごく狭いものです。ですから、どっちを向いてもあずささんライバル扱いの動画ばかりじゃないか、という心境になる人がいるのは想像がつく、ということです。
ともあれ、現在のアイマス・ニコマスに対して鬱屈している人の不満がどんな場所でどんなきっかけで顕われてくるのか、と考える時、この12話のコメント群は興味深いサンプルだと思います。

利休P 【Novelsm@ster】こんな大人になりたくない。 (5/17)
 

優れた短編作品を読んでいると、しばしばバッテリーと駆け引きしているバッターの、あるいはフリーキッカーと駆け引きしているゴールキーパーの心境になる気がします。
たとえばこの作品もそうで、利休Pという投手はバッターの心理をよく知っているわけです。最初から、この話では「小鳥さん」を使いますよー、とチラチラ見せてくる。ノベマスで「小鳥さんが叱られている」というフォームを見せたら、視聴者がどんなことを想像するかをあらかじめ計算していて、その先入観を利用するわけです。
何も考えずに打席に立って鮮やかに打ち取られるのを楽しむもよし、騙されまいぞ球種を読んでやるぞと身構えてあれこれ頭を悩ませるもまた楽し。短編を読む醍醐味が詰まっています。



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