「白春香」連想ゲーム


最近、人様の発言や文章からネタを拾ってくる記事が連続していて、元々私は読むことが好きなので、書いていて楽だし楽しくもあるんですが、何か自分が宙をさまよって浮ついている感じがしないでもありません。どこかで軌道を戻さないとね。そんなことを言いつつ、これもまた人様からネタをいただく記事なのです。

わるつP アイドルマスター 春香サンヲノセテ (10/4/11)

 2010年がどんな年であったかというと、「白春香」という概念が生まれた年であったと思うのです。

 ニコマスにはかつて「黒春香」という概念と「白春香」という概念があったわけですが、私がニコマスに入った時既に、実体としてその二つの区別は消滅していたので、私はその区分、あるいは対立を体験していません。していない筈なのですが、しかし私がニコマスを知り、さてPVなるものを見てみようと思った時、真っ先に教えられたのは07年のニコマス動画の世界だったので、それらの動画とそこにあるコメントを通して、おぼろげに「黒」と「白」の対立のイメージを脳内に植え付けられたわけです。過程のいろんなものを省略単純化して、概念の上澄みだけを掬って追体験した、そんな感じでしょうね。

 今はもう消えていますが、わるつPの『アイドルマスター 春香サンヲノセテ』が投稿されてすぐの頃、「白春香」タグがついていたことがありました。それを見て、なぜ今更このタグがつくのだろう、なぜこの動画につくのだろう、という不思議さと違和感が最初はあって。
 「白春香」という概念が、腹黒かったりネタだったり病んでいたりするものとしての「黒春香」との対比で考えられていた時、その「白さ」を具現化するものは、たとえば衣装で言うならばスクールウェアやチェリーギンガムであり、曲で言うならば『ね~え』や『ジェニーはご機嫌ななめ』であり、そういう女の子女の子した可愛さを表すのが「白春香」だったと私は想像しています。まあ次第に、ミニウェディングだったり、あるいは単純に絵面が真っ白であることを表す、より字面に直接反応する使われた方も生じてきたように見えますが。
 いずれにしろ、「黒春香」という存在が実体を喪失し、それと対比されるものとしての「白春香」という概念とタグもとうに役割を終えた2010年の4月という時に、何故しかもこの動画に、「白春香」という言葉が付されるのだろうと。
 けれどもしばらく動画を見直しているうちに、その疑問は納得のような感慨のようなものに変わりました。もしこの春香に、どうにかして名前をつけねばならないとしたら、それはやはり「白」としか呼びようがないんじゃないか、と。黒とか白とか、の概念が消失した時代に、その更にずっと先の地平にこの春香はいて、その春香を表象するものとして、「白」という色がある。何かと対立する存在ではなく、孤高の存在を表すものとして。「白春香」という言葉が、そういう新たな地平に立ったのが、2010年の春という季節であり、『春香サンヲノセテ』という動画であった、と感じたのです。

(今「白」という色の話をしたのは、2011年の春香の話をする時の伏線になる筈なんだけど、このブログで伏線を春のは回収されなくなるフラグなので、どうなるかわかりません。)


ルカニP(仮) 【HaRuKarnival'10】遥_花 -はるか- 【アイドルマスター】 (10/7/30)

 実は今の話を書こうと思ったのは、ルカニP(仮)のこの動画を見ていて、ああ、この春香の色も「白」なんだ、と思ったからです。なんでルカニP(仮)かというと、そういやまだルカニP(仮)のことを一度も書いたことないな、ビッグブレイクする前に見ていることをアピールしておかないと、というとても下世話な理由なのですが、それはともかく。

 もちろん、わるつPの動画と、視線のおき方、距離のおき方は違うのだけれど、ルカニP(仮)の動画でもやっぱり、広いステージを春香が一人で背負っていて、その空間そのものが春香であり、そしてその春香を表象する色は「白」なんだな、と。似ているな、と思ったのです。

 zeit氏がいつだったかわるつPについて書かれた、「コミュニティの空気と無関係でどんなクラスタにも属さないで、突然現れてポンと素敵な動画をおいていく有り様」という言葉がどても印象に残っているのですけれど、わるつPとルカニP(仮)の存在感はよく似ている気がします。
 ルカニP(仮)も、界隈の空気と無縁なような、それでいてどこか呼応しているような不思議な立ち方で忽然と現れて、一本の動画で陶然とさせてまたニコマスの海の中に沈んでいく、そんな雰囲気があるな、と。しかもルカニP(仮)は、デビュー作がハルカニで春香一人の別世界的空間を作り出してしまったこの動画で、その後しばらく音沙汰がなかったので、この人はこのままふっつりと消えてしまうんじゃないか、と私はわりと本気で心配したものです。だから、【アイドルマスター】START!!【春香】(10/10/6)が来た時にはとても嬉しかった。
 そういえば、『春香サンヲノセテ』が現れた時には、いくらなんでもこんな動画が出現するには前触れが無さ過ぎるだろうとびっくりしたものですが、ルカニP(仮)の【アイドルマスター】 We Will Rock You 【はるみき】 (11/2/13)を見た時の衝撃も、よく似た感じでした。いやいや、いくらなんでもこんな凄いものが何の脈絡もなく現れるのはおかしいだろう、ほんと何なんだろうこの人、という。


 ちなみに春香さんとは関係ない話ですが、ノベマスPでそういう、忽然と現れて固有の世界をポンと出す雰囲気の一番あるPが、ばんなそかなPだと思っています。シリーズ物のノベマスの性質上、そこには職人気質的な色を纏った連続性がより強く生じていると思いますが、ばんなそかなPの、何ヶ月かおきに界隈の流行と関係なく『TRIM@S』を投稿し、一瞬のうちに数ヶ月の歳月を越えて連続した時空へ誘ってくれる様は、まさにそれだな、と。


 そんなわけで、2010年という年は「白春香」という概念が地上に降り立った年でした。しかしそれは大勢がそこに向かってなだれ込んでいったのではなく、文字通りに孤高の存在が、ポツン、ポツンと動画を置いていった結果で、しかしそこにはやっぱり歴史の積み重ねがあり、流れがあって繋がりがあると思うのです。

 そんなことを考えていたら、まだ胸の中に何かささやくものがあって。いや、私はたしかにこの春香を知っている、見たことがある、と。記憶を辿ってみたら、この動画に行き当たったのでした。


ななななな~P アイドルマスター 天海春香 未来 (08/3/13)

 ななななな~Pは、誰よりも春香の息づかいを間近にありありと感じているPで、彼の動画の根っこのところにはいつも春香との間の信頼関係があります。しかしそれは彼の見せるステージにおいて春香を私たちが近くに感じることと必ずしも同義ではないけれど、それにしても、多分彼の見せたステージのなかで、春香が一番私達から遠いところに立っていたのがこの動画でした(それは彼の意図ではなかったかもしれないけれど、私にとってはそうだった)。この春香も、一人でステージに立っていて、空間そのものが春香で、そしてその春香の色は、やっぱり白だった。(でも、そんな動画に当てた言葉が「頂点に立つのは、ただ一人」ではなく「二人の未来 輝いている」なのがまた、ななななな~PというPです。)
 それは、この動画の振り付けそのものである、春香の唄う「まっすぐ」という歌がもとから持っていた色かもしれず、私自身が初めてゲームで春香をプロデュースした時ラストに選んだ曲が「まっすぐ」であるために、なおさらそう感じるのかもしれません。いや、逆か。この動画を見ていたから、私は最初のラストステージに「まっすぐ」を選んだのだと思います。

 うんまあ、関係ないように見えても、動画はどこか見えないところで繋がっていますよね、という話です。




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