FC2ブログ

カーテンコールに代えて Cute編


2月に、KAKU-tail THE@TER for 765MILLIONSTARS!!にかこつけて、「ミリオンライブ!」の登場アイドル52人についてPV1本、テキスト系動画1本ずつを選んでコメントをつける、という記事を書きましたが、その本編を書き終えて思ったのが、"じゃあデレマスはどうなんだ" ということ。デレマスアイドル全員について、ニコマス動画を通じて語ることは可能なのか。頭の中のデレマス動画の記憶をざっと振り返って、まあ、時間と体力が無限にあれば、やろうとすればできるだろうなあ、と思いつつ、現実の私には無限の時間と体力はないので、そのまま何もしませんでしたが。
このたび、「箱の外から」改め「箱の外には」のK_1155氏がブログを「無期限停止」される、ということで。他人をダシにして、〇〇さんが△△を書いてくれたので、こっちは××の話をします、という記事ばかり書いてきた当ブログとしては、K_1155氏が書かないなら全部書きます、と言わざるをえないわけで、とりあえず、まずはデレマスアイドル全員分を書こう、というのがこの記事です。

レギュレーション:
・ゲーム「アイドルマスター シンデレラガールズ」(以下「モバマス」)及びその韓国版、及び「アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ」(以下「デレステ」)の、2019年12月時点までの登場アイドル193人について、それぞれ1本ずつ、もっとも印象に残っている動画を挙げる。
・デレステに3Dモデルが存在するアイドルについては、デレステモデルと非アイマス楽曲を合わせたMAD(いわゆる「デレステMAD」。昔の用語で言うところの「im@sコラボPV」)を優先的に選出する。ただし、他により印象に残る動画が存在する場合はその限りでない。
・デレステMADを選出する場合、当該アイドルがソロ/センター/メインとして扱われているものに限る。
・同一の動画を複数のアイドルについて選出することは認めない。テキスト系動画の場合、同一のシリーズを複数回選出することも認めない。
・同一作者の複数回選出は認める。
・選出動画はニコニコ大百科記事アイドルマスター シンデレラガールズの登場人物の一覧の掲載順序に従って配列し、属性ごとに記事を分割する。

今回は「キュート」編です。……なんか、書き始めた時は、2019年中に全部書くつもりだったらしいけれど、3分の1書き上げるので精一杯だったとさ。とほほ。







島村卯月
森永ダーくっP 「晴れない雲は無い」 15年10月04日 22時35分


"ニコマスの島村卯月を代表する1本" というと、なんだろうか。デレステの素晴らしいところは、楽曲上なりストーリー上なりにおいてどう出番の不均等が存在するにしても、登場アイドル190人の全員について、それぞれに美しい3Dモデルが存在しているところで、それはすなわち、どの190人のどの一人についても、作ろうと思う人がいれば、彼女だけにしか表現し得ない特別な一本のMADが生み出され得るということです。
逆に言えば、ゲーム上、あるいはファンコミュニティの観念上、どれだけ特殊な地位を占めるキャラクターであっても、だからMAD上で特異な表現がなされている特別な存在である、とはならない。島村卯月も渋谷凛も本田未央も、デレステMADの中に、それぞれにいい動画はありますが、それは正確に190分の1の存在としての "いいもの" であって、それ以上の何かを背負わされた "凄いもの" ではない。
そこがいいな、と思っていますが、では、ニコマスならではの島村卯月、というと何になるだろうか。ああ、マリンカリンPと ねこ号氏の畜生な島村さんか、と、マリンカリンPの【モバマス】女三人寄れば姦しい(13年08月09日 00時18分)を貼りかけて、すんでのところで思い出した、森永ダーくっPのこの動画。
デレマスの世界は、百何十人のアイドル全員に充分な十全な量の幸福を行き渡らせるなんて無理だろう、ということが、最初から誰の目にも明らかだった世界であり、そこには、誰かしらの無念、やり切れなさが、常に流れています。「総選挙」なり、何か事件があるごとに、それぞれのアイドルについて、"今回は報われなかったけれど、諦めずに前を向いてこれからも頑張ろう" という、あるいは "今までの苦労が今回報われて良かったね" という動画がニコマスに溢れます。皆が "いつか雲が晴れるから" "いつか雨は止むから" "いつか夜が明けるから" と毎日言っていて、その底にあって、押し殺されたり、いっとき解消したことにされている無念さ、やり切れなさを、この動画は凝視しています。
森永ダーくっPの動画において、それは格別目新しいテーマではなく、ダーくっPはアイマス2素材で、またアニマス素材で、どうしようもない無念さ、やり切れなさを抱えながら続いていく人生というものを描き続けています。けれども、とりわけ本作において、アニデレの素材と島村卯月を中心に据えたことで、そのテーマは、ある時期のある個別のコンテンツの中に固有のものではなく、アイドルに憧れ、アイドルに焦がれた者すべて、アイマスを好きになってしまった人間すべての内にある無念さ、やり切れなさを表現するものへと昇華されているように思います。
無念さ、やり切れなさとつきあいながら、アイマスとともに生きていく人生。ここでこの楽曲と出会って、それを表すためにこそ、アニメ版シンデレラガールズの島村卯月は生み出されたのだと、この動画を見るたびに思います。


中野有香
まっきー氏 ゆかゆかのりこが霧の街に挑むようです Session0 15年11月02日 15時00分


黒髪のツインテールで、なんか格闘技やってる人。CVの声優さんの歌唱と合わせたMADが多く、なるほどかわいらしい歌声だなーと思いますが、私は、CVがつく、とは、アイドルから想像の余地が奪われ、可能性が狭められるということである、と確信しているので、そーゆー動画は基本的に貼りません。
まっきー氏の本作は、公式で仲良し設定らしい水本ゆかり、中野有香、椎名法子の3人が「ソード・ワールド2.0」のシナリオ「ミストキャッスル」を遊ぶシリーズ。「ミストキャッスル」と言えば、ストーリー的にもクリアの難しさ的にもハードなシナリオとして有名ですが、本作はそれに対して、初心者で仲良しなメンバーが和気藹々とゲームを体験していく姿に焦点を当てて、プレイヤーの初々しくて等身大な喜怒哀楽を描き出しているところが持ち味。中野有香の役柄は本人そのままに格闘家。最前線で身体を張るポジション上、ひときわサイコロを振る回数が多いために、活躍の場面もドジを踏む場面もひときわ多くなって、全編を通してよく動き、よく笑い、よく落ち込む彼女の姿が、見ていてとても楽しいのです。あと、中野有香のこの、おさげを下の方で結んだ立ち絵、なんとも言えないすっきり感と穏やかな優しさがありますよね。テキスト系動画で彼女が居るだけで画面が柔らかくなる感じがして、いいなあと思います。


水本ゆかり
手羽崎氏 【デレステMAD】いつものありふれた朝だけど【水本ゆかり】 17年10月14日 23時14分


なんかフルート持ってる人。バニラマリンPのデコのおまわりさん(13年02月25日〜)シリーズの検事役で覚えたと思う。
すらりと伸びたシルエットと目元の鋭さが合わさって、なんというかエルフ的な、威厳を帯びた美しさと、爽やかさとが溶け合っている。手羽崎氏の処女作である本作は、そんな彼女の造型の魅力が、とても自然な形で、それゆえに存分に引き出された逸品です。舞台上で光を浴びて水本ゆかりが踊る光景は、晴れた冬の朝の空気のような瑞々しさ、すがすがしさに満ちていて、心が荒んでささくれだっている時に思い出したい動画。


福山舞
バニラマリンP 【アイマス×オホーツクに消ゆ】 デコのおまわりさん 第二十四話 13年09月02日 20時50分


上でも既に出てきていますが、私のデレマスアイドルに対する認識の3分の1はバニラマリンPの架空戦記で形成されています。(ちなみに、もう3分の1は真里谷氏の架空戦記、最後の3分の1は そば処五三郎氏の架空戦記でできています。)
バニラマリンPの動画と言えば、胃が痛くなるドロドロの政治劇を繰り広げる、中年の政治家だの官僚だのヤクザだのに、似ても似つかないいたいけなアイドルを無理やり当てた……はずが、合わせてみるとこの上なくしっくり嵌まって見える、秀逸なキャスティング。なかでも、バニラマリンP作品での嵌り方、印象の鮮烈さが他の何を見ても塗り替えられないという点において、私にとって随一の存在が福山舞です。豊洲警察署刑事第一課長福山舞警視(38歳)! あの凍りついたような瞳、口元のうすら寒い笑み、小首を傾げてこちらを射すくめるように見つめてくる視線。本作以上に、彼女のポテンシャル、本質を引き出した配役があったでしょうか。いいえ、ありません。


椎名法子
トリライト氏 [MAD]アプリコット 19年08月18日 18時46分


ドーナツ狂の人で、オペラPにプロデュースされてる子。
3Dモデルが登場して他のキャラクターと並んでみると意外とちっちゃくて、立ち絵と設定だけで思い描いていたイメージよりも小動物感が出るアイドルというのが時どきいます。たとえば、「アイドルマスター2」における我那覇響だったり(厳密に言うと、後から見れば「アイドルマスターSP」のモデルでも身長低いですが、SPが出た当初はあまり意識されていなかったと思う)、「ミリオンライブ! シアターデイズ」 (以下「ミリシタ」)における高坂海美だったり。椎名法子もそんな感じで、3Dモデルで見ると意外とちっちゃいんですよね。あと、響や海美以上に、とりわけ3Dモデルで見ると等身の低さが強調されて、頭、でっかいな! と思う。もっとも、上のまっきー氏の「ゆかゆかのりこが霧の街に挑むようです」でメンバーの年齢差に焦点を当てたエピソードがあって認識しましたが、椎名法子の場合、年齢自体がまだ13歳ということで、そもそも私の中で思い描いていた像が設定とずれていたんでしょうね。たぶん、"なんか属性が「キュート」で家事とか料理とかが売りな、名前に「子」がつく子" という感じで五十嵐響子あたりと混同して覚えていた気がします。
「キュート」属性のアイドルのPVって、アイドルの可愛さを共有したいという作り手の思い入れのあまり、画面がピンク色で溢れかえって胃もたれするような感覚を覚える時がありますが、椎名法子の場合、そういうノリで3Dモデルを弩アップでまじまじと眺めると、小さい寸づまりな胴体に、相対的に異様に大きなまんまるの顔、ぱっくんちょとでっかく開いた口……、どちらかというと、ユーモラスさとほんのりとした不気味さを、私は感じてしまいます。こう、可愛い! 尊い! 天使のよう! というよりは、ミリマスにおける佐竹美奈子的存在感というか。(佐竹さんの場合、不気味でユーモラスなのは3Dモデルではなく立ち絵でしたが。)
トリライト氏の本作は、画面を落ち着いた淡い色調にまとめ、ガラス越しにおとぎ話の世界を垣間見るような見せ方でパッケージングすることで、特異な存在感を持つ椎名法子の3Dモデルの、ユーモラスさや不気味さを含みこんだ魅力を巧妙に受けとめていて、この動画を見て、私の中で、ああ、椎名法子ってこんなに可愛いんだな、と腑に落ちた気がします。


今井加奈
ジャバラP 『No Way Out』 今井加奈 18年09月12日 23時12分


ジャバラPの動画には、矛盾した感情をぐつぐつと煮え立たせながら搾り上げるような圧力と、そういう自身の感情の構造と淵源が何であるのか、冷徹に切り刻んで抉り出すような視点の鋭さと、ステージ上で全力で全身を振り回す歓びと、互いに異なる三つの要素が、緊張を孕みながら同居しています。
私は今井加奈というキャラクターについて、ほとんどこの動画の中でしか知りませんし、作者がこの動画に至るまで、どこで何をして何を考えていたのかも知りません。けれども、ここには間違いなく、ひとりの男の心を捕えて離さず、感情を搾り上げるようにして映し出さなければならないほどに、新鮮で、不可解で、重い存在としてのアイドルが居て、画面の中の彼女はこんなにも切なく輝いている。それだけで、私には十二分です。


持田亜里沙
しんこんP ありさ先生の「ロックン・オムレツ」 16年03月19日 15時34分


なんか幼稚園の先生だった人。意外と、年少アイドルを引き連れてキッズソング、というもろそのままのネタをやっている動画は本作くらいなのですが、かわいさ、かっこよさ、和やかさが調和した、何気ないようで彼女の魅力が詰まった動画です。


三村かな子
れぐるす(万事屋) 氏 【MAD】甘くて苦い恋の唄【三村かな子】+α 18年06月26日 00時00分


アニメ版シンデレラガールズ(以下「アニデレ」)で、場面によって著しく体型が変化する人。あと、一時期tloPがご執心だった気がするけれど、特に動画で何か表明された痕跡はない(訂正:確認したら結構動画上げてました、tloP。私が忘れてただけ)。どんな子だっけ、と思い出そうとすると、ましんめいかーPのねおあいどるくいず!シリーズ(11年12月17日〜)でひたすら唐揚げ食ってたり、小日向美穂に体重ネタでいじられて凄んだりとか、フリート-氏のデレマンガ日和シリーズ(16年06月09日〜)の「どっこいおむすび君」役とか、そういうのばっかり浮かんできて、どうもすみません。
椎名法子のところでも書きましたが、「キュート」属性の子の動画を見ていると、可愛さを押し出そうとするあまり、絵が重ったるく胃もたれして感じられる時があるのですが、本作はBB素材を駆使したコミカルな演出によって、かろやかさとゆるやかさ、可愛らしさとユーモラスさが同居して、華やかでありながら見ていて疲れない動画に仕上がっています。そして、なんと言っても威力抜群なのが、ここぞという場面でのアップの表情。見ているこちらまでじんわりと幸せになるような笑顔をするんですよ。


奥山沙織
時坂幹彦P 【米の日】Shake Hip!(Ishii Version)【米米CLUB】 19年08月08日 08時08分


東北出身の、なんか方言っぽい喋りの子。デレステMAD的には、立ち絵で見るとぱっとしないが、3Dモデルになるといろいろキャストオフしてスマートで垢抜けた美人になる、結構たくさんいる "3Dモデル時変身アイドル" のひとり。3Dモデル鑑賞の際、ツインテール・ツーサイドアップには自動加点があり、頭にオプションがいろいろつくのも加点対象という基準を有する私としては、両側の二つの大きなお下げに加え長いもみ上げ、立派なアホ毛と、複数の強力なオプションを有する奥山沙織モデルの姿形は非常に好ましいものと言えましょう。
時坂幹彦Pは毎年8月8日に奥山沙織×米米CLUBの動画を上げています。最新の本作は、元PV再現ということで、アイドルたちが座席に並んでステージを眺めているという演出が、見ていて楽しいというか、仲間が、そして自らが歌って踊る姿を自分たちで見て楽しんでいるアイドルたちが、本当に嬉しそうでいいのです。


間中美里
しげゆき。。。氏 【デレマス×RPG】芽衣子と美里がゆく歌と魔法の世界【配布中】 17年05月21日 15時18分


モバマスをプレイした時に何回か見た覚えはある、卵型の顔の人。なんか旅行好きとか。
この人メインのMADを私は見た覚えがありません。メインのMADが全く見当たらないアイドルは何人かいますが、そういう場合でもだいたい、テキスト系動画ではそのキャラクターを主人公にした動画の一つや二つはあるもの。本作は、並木芽衣子と間中美里をプレイヤーキャラクターとする自作フリーゲームのプレイ動画。ふんわりあっさり、マイペースなふたりの会話がいい。


小日向美穂
ましんめいかーP ねおあいどるくいず! 11年12月17日 18時33分


アニデレでは島村卯月を優しくサポートするとてもいい子で、モバマスではfukuyaPのお金を蕩尽させるとても悪い子。
そんな小日向美穂を象徴する動画と言えば、そうですよね、なんと言ってもましんめいかーPの「ねおあいどるくいず!」シリーズですよね。チャームポイントは、ひどい先輩たちのいじりと下ネタ攻勢にさらされても、ちゃっかり清純なイメージをそれなりに維持しつつ、なんだかんだでその場に順応している図太さと、ネタに困るとすぐに与し易い相手(三村かな子とか高森藍子とか、あとその場にいない本田未央とか)をいじって逃げる、いい性格ぶり。
両者を並べて見ると、本作とアニデレにおける小日向美穂の立ち位置には、通底するものがあると感じます。こってりした料理ばかりが並んで味と味がぶつかるような献立でも、間にひとくち挟むと全部が美味しく食べられる、白いごはんのような存在。


緒方智絵里
sTar氏 まゆとちえりのでーとごっこ 17年03月29日 12時15分


アニデレでおどおどしながらカエルに祈りを捧げていた子。……なんか、誰ひとりとしてろくに説明らしいことを書けないので、最初のキャラ説明、いらない気がしてきました。
sTar氏は、佐久間まゆと、まゆのことが大好きで、変態で、ヤンデレ気味な緒方智絵理の掛け合いを描くノベマスPで、本作がシリーズ第1作。作者は日本語が母語ではないようで、台詞の語法が自然でない部分はあるのですが、にも関わらず、場面場面で表現しようとしている感情やユーモアのニュアンス、キャラクター同士の関係性がしっかりと伝わってくるのは、キャラクターへの愛情と観察力の賜物でしょう。


五十嵐響子
ごP 【デレステMAD】五十嵐響子 キョーカ*99【NNNM17】 17年12月17日 21時22分


なんか、存在自体は前々から認知していたのだけれど、具体的にどういう子なのかという認識が曖昧で、あっちこっちでいろいろなアイドルと微妙に混同したまま覚えていた気がする子。ある意味、「キュート」属性のなんたるかを凝縮したキャラクターなのかもしれません。
プロフィール的には、飛び抜けて長身、というわけでも、飛び抜けてナイスバディ、というわけでもないようですが、明るい茶髪のサイドテールに縦長の顔が印象を増幅させるのか、ステージに立つと、ひときわ伸びやかで恵まれたプロポーションが目に残ります。ごPの本作は、出だしはほんわかしたキッズソングと聞こえて、進んでいくうちに次第に不思議で不穏なストーリーが浮かび上がってくる曲に対して、五十嵐響子をセンターとしたのが味噌。曲のイメージそのままに年少のアイドルを当てていたならば、ただ無邪気さと哀れみだけが強調されたであろうところ、五十嵐響子が踊ることで、子どもっぽさとオトナっぽさ、儚さと強さが入り混じった魅力が表現されています。


柳瀬美由紀
かもめP 【デレステMAD】Smiling Spiral【柳瀬美由紀】 17年03月16日 02時12分


お団子氏の教えて!黒川千秋さん(18年06月11日〜)シリーズや水野翠のよりどりみどり(18年05月19日〜)シリーズに出てきてツッコミを入れる子。なんか龍崎薫とか古賀小春とか他の短髪・年少の子とあんまり区別がつかない……っていうか、10歳くらいなのかと思ってたら14歳ってマジ? 
3Dモデルでは大きな目に濃い眉、くっきりと太い顔の造型が印象に残ります。かもめPの本作は、そんな柳瀬美由紀ならではの、はっきりきっぱりと明るくて前向きなステージが魅力。


櫻井桃華
相談P 建国!桃華キングダム【rimworld】 17年09月25日 22時30分


明るい髪色・くせっ毛・被り物(カチューシャ)・低身長・お嬢様。前にも書いたことがありますが、構成要素が東方のスカーレット姉妹的で、非常によろしいと思います。ただ、3Dモデルでももちろん可愛いのですが、立ち絵から思い描くほどではないというか、ポテンシャルを発揮しきれていない気もします。どうもデレステのモデル、お下げやもみ上げのような、細く分かれた毛先を表現するのは得意ですが、櫻井桃華のくせっ毛のように、面の中に細かい起伏がある時のふわふわ感の表現には苦労している印象を受けます。まあ、アイマス2以降の美希の髪なんかもそうですが、軽さ柔らかさの感じられない、ごてごてしたただの塊のようになりがちなんですよね。特に、身体が動いた時に堅さ厚ぼったさ、"ただの塊" 感が強調されてしまう。
そういうわけで、ステージ上の表現にはまだ進化の余地があるということで、ここで取り上げるのは架空戦記。橘ありす、一ノ瀬志希とともに砂漠に漂着した桃華が文明の建設を志す本作は、やりとりの端々から彼女の優しいところと毅然としたところが立ち現れてきて、見ていて、自分もがんばって生きよう、という気分にさせてくれます。


江上椿
あるせ悠P 【デレステMAD】Who[you know]【江上椿】 17年12月31日 12時00分


この記事を書くまで顔と名前を覚えられなかった人のひとり。写真が趣味とか。「キュート」属性の "なんか名前に植物が入ってるよくわからない人" その一。あと、たぶんステージに出ているところを見かけても、"「クール」属性の、たくさんいる黒髪で髪量が多いお姉さんのどれか" と思って通りすぎていたと思う。
江上椿メインのMADはその大部分をあるせ悠Pが作っていて、本作はその1本目。フォントと風景の中に隠れて、江上椿の姿はなかなか見えてこない。だからこそ、いざ彼女に色がつき、全身が映った時の、"やっと出会えた" という感動が胸に染み込むのです。


長富蓮実
あずまの父ちゃん氏 【MAD】Princess Bride!【長富蓮実】 19年03月19日 00時00分


なんか昭和アイドルを目指してる? 人。顔があでやか。立ち絵でみると、その顔のインパクトが強くて、表情やポージング含めて単体で完結している感じがして、動いたり表情が変わったりした時にどうなるのかあまり想像できなかったのですが。
あずまの父ちゃん氏の本作は静止画による演出主体で、ステージ上でガンガンに踊らせるという動画ではないのですが、いろいろな見せ方でテンポよくぽんぽん画面に出てくる長富蓮実の姿からは、くるくると動き回り表情を変えている様子が目に浮かんでくるようで、なるほどこんな風に見ていて楽しい子なんだな、と思いました。


横山千佳
電動P Dance in the rain 19年10月18日 20時30分


ちっちゃくて、明るい髪色のツインテールの子。アニメの魔法少女が好きとかなんとか。名前はたぶん、卓ゲ喫茶Pの【卓M@S×SW2.0】9歳児のソード・ワールド2.0(13年01月29日 06時04分)で覚えた。容姿に私にとって無条件で加点がつく要素が多く、そう、すくすくとそのまま育ってくれるのを楽しみにしていますし、全然育たなくてもそれはそれで大歓迎です。
ノーマルな立ち絵ではツインテールの毛先がシュッとストレートに伸びているのが魅力でしたが、3Dモデルではくるくると先端が巻いているのがチャームポイント。こーいうツインテールの子の髪の、巻いたりハネたりノビたりした複雑な曲線を繊細に表現することにかけては、デレステは天下一品。
そして、こーいうちっちゃい子に関して、各々にぴったり似合うコーディネート、色調、角度、楽曲を見出してその可愛さを120%写しとることにかけて、電動Pの右に出る変態通人はいないでしょう。本作でも、横山千佳の巻いたツインテールがふわっと揺れるさま、くりっとした瞳が輝くさまを、存分に堪能させてくれます。


関裕美
かりふらP ari 16年07月29日 03時33分 投稿者削除


本人がどういう子なのは今もって不明ですが、とにかくtwitterでファンの声がうるさい人。といっても私のTLにいわゆる「関裕美クラスタ」はcha73氏しかいませんが、なにせブロガーだった頃には1記事10万字とか書いてた体力と根性でもって、延々と人力bot的な発言とRTとtogetterを量産し続けているのだから、たまったもんじゃありません。自分でモバマスをプレイした時には、どんな魑魅魍魎が出てくるんだと身構えていたら、なんかすごく普通で優しい子で、拍子抜けしたものでした。
さておき、かりふらPの本作は、1分もない小品でしたが、静謐な音楽と、輝度の高いちらちらとまたたくような画面の中に、関裕美の3Dモデルだけがスローで映し出され、赤茶色の深い瞳の色と、波打つようにウェーブがかかった髪の白光のような輝きの鮮烈さは、目を閉じれば今でもそこにあるよう。彼女の造型の華やかさ、鋭さを全面にとらえていながら、同時に、内面の控えめな優しさをも醸し出すようで。もう消えてどれくらい経つのかわかりませんが、後にも先にもこの動画を超える関裕美動画はないでしょう。


太田優
烈愛王氏 【デレステ】太田優 ほくろおっぱい追尾カメラ 16年08月05日 11時38分


この記事を書くまで顔と名前を覚えられなかった人のひとり。なんか犬を飼ってる人だそうな。
太田優メインのMADは見つけられませんでしたが、だがしかし、太田優のおっぱいメインの動画はここに厳然として存在するのです。ニコマスの奥深さであり、人の業の深さでありましょう。動画はその、ええ、大変結構なお手前で。


棟方愛海
プチキーマンP 喜びの舞【棟方愛海】 16年10月06日 00時27分


女の子ばかり出てくるアニメに大抵ひとりいる、"女にセクハラする女" 役の人。花猪口Pの架空戦記によく出演している。バニラマリンPの動画では、手をわきわきさせている立ち絵のポーズを生かして、死体役として登場して笑いを取っていた。
よく言われることですが、黙っていればものすごい美少女だと思います。いま具体的にどの動画だったか思い出せませんが、何かの架空戦記のとある回で出てきた、"記憶喪失状態でおとなしくてしおらしい棟方愛海" が、とても可愛らしかったのをよく覚えています。
インストゥルメンタルの曲で、棟方愛海をセンターで元気に踊らせる本作は、これもこれで、別の形で "黙っていれば美少女" を存分に見せつける動画。手拍子モーションの時の満面の笑顔がかわいい。


藤本里奈
やる□P りなぽよ♡ふぃーばー 17年05月17日 02時50分


なんか見た目がギャルっぽい人。藤本里奈メインのMADを作るPと言えば、やる□PとトリカラPの二人で、前者は明るくてアイドルらしい曲で藤本里奈をかわいく元気に見せる、後者はロックな曲で藤本里奈をかっこよく見せる、という特色がありましたが、トリカラPの動画は今はもうありません。
やる□Pの本作は、藤本里奈が、踊っていて、アイドルをやっていて、本当に幸せそうに見えるのが何よりの魅力です。それは、作り手の、この子が真ん中で踊っている姿をこそ見たいんだ、この子が踊っている姿を見るのが本当に嬉しいんだ、という気持ちが籠っているからだと思います。


大原みちる
迷い中P アイドルマスター『三国節』大原みちる 17年11月28日 10時00分


なんかパンを作ったりパンを食べたりする人。迷い中Pの民謡m@sterシリーズは、ひとりでデレマスアイドルの半数近くをカバーしていて、ニコマスに何人かいる、MAD上で出番が少ないデレマスアイドルの "最後の砦" 的存在のうちの一人ですが。大原みちるの場合、必ずしも他に動画がないわけではありませんが、彼女の大きな丸顔とまんまるな目の存在感と民謡とのコラボレーションによって、他のアイドルにない飄逸な味わいを醸し出している本作は、3Dモデルの特徴を活かすという点において秀逸だと思います。


遊佐こずえ
電動P 雪美とこずえで野江内代のうた 19年05月26日 02時13分


デレマスに何人かいる、なんか妖精とか精霊とか天使とかそういう人間じゃない系の雰囲気のちっちゃい子、のひとり。私の中で、なんかそういう子がいるな、ということは前々から認識されていましたが、成宮由愛とか依田芳乃とかと混ざって覚えていて、どの子がどの子だかよくはわかってません。
遊佐こずえのMADというとやはり、いかにも清涼感のある音楽に乗せて、妖精さんのように神秘的に彼女を見せる……という動画が目立ちますが、電動Pの本作は一味も二味も違う。なんだかよくわからないコミックソングに載せ、くっきりと明るい世界の中で踊らせることで、実体と重量のある、肌に血が通った年相応の女の子としての遊佐こずえの可愛さを見せてきます。これぞ、真の通人、粋人の手並みというものでしょう。


大沼くるみ
緑青氏 【デレステMAD】Star Cry 19年09月30日 00時00分


なんかおかめ型の顔で、泣きそうな表情をしている人。
緑青氏は元来東方卓遊戯の作者で、私は先にそちらで名前を知りましたが、デレステMADの作者としては、他人が取り上げないアイドルを取り上げて、かつ他人には思い寄らないような見せ方、合わせ方でそのアイドルの像を提示する人、という印象があります。しかもそれは、時流に逆らおうとか他人のやらないことをやろうという "あえて" の意識でやっていることではなく、自らの興味に素直に従った結果、そのアイドルに惹きつけられ、そしてそのアイドルにふさわしいステージのあり方を思索していった結果、自然にたどり着いた地点なのだと、動画を見ていて感じるのです。
4分近く、ほぼソロのような形で大沼くるみが踊る姿を延々と見せ続ける、なんて動画が、そもそも本作以外に例がありません。それだけではなく、この動画では、彼女が踊っている空間を、3次元世界のライブのイメージを投影した、ヒトの群衆が取り巻く場所としてではなく、歌が描く世界そのままに、遠く星々に取り巻かれた宇宙空間として提示します。
広い広い宇宙空間の中で全身で踊る時、大沼くるみの特徴的な造型は、その広い世界の中で埋もれてかき消されるのではなく、切り離されて孤立するのでもなく、この上なく自然に、この上なく堂々と、ただそこにひとりで立っていることができる、強さと包容力を持った身体として見えてくる。そして、最後の最後でカメラがアップに寄っていったとき、私たちは、悲しみの形に固定されているように見えた彼女の顔の中に、本当は、喜びや、自信や、安らぎや、もっといろいろな表情があらわされていたことを知るのです。


一ノ瀬志希
黒柴氏 【デレステMAD】GHOST IN THE SHELL ARISE 15年11月07日 09時57分


なんか白衣を着て、実験がどうとか匂いがどうとか言ってる人。特に公式で速水奏・塩見周子・城ヶ崎美嘉・宮本フレデリカと組んだユニット「LiPPS」が出て以降、華やかさ、色っぽさ、オシャレさを表現するのにぴったりのアイドルとして多くのMADで起用される一方で、それ以前からの、一ノ瀬志希個人にフォーカスする動画には、彼女の内面のさびしさ、存在感のはかなさというようなものを表現しようとする流れがあるように思います。
3Dモデルが出て最初期に作られた本作は、彼女の造型の美しさに見とれていたい、浸っていないという感情と、つかみがたくてどこかものがなしい、彼女の内面に迫っていきたい、内面を写しとりたいという感情の交点に生み出された表現だと感じます。


前川みく
ジャバラP 『失望しました』  前川みく 15年04月21日 22時59分


キャラ作りで猫耳つけてにゃあにゃあ言ってる人。モバマスでは、主人公に対して真っ先につっかかってきてチュートリアルで倒される、雑魚キャラの権化みたいな人。アニデレでもまあ、だいたい同じようなポジション。頭につけるオプション全般を推進する立場の私としては、猫耳も大歓迎でありますし、キャラ作りも大いに結構、どんどんやってくれたらいいと思います。
前川みく と言えば、デレステMADで むーろんPの胸の中にあるもの【恋✕前川みく】(16年12月03日 15時00分)、iM@SHUPで黄流Pニャンと☆ラフマニノフ(18年02月16日 00時00分)という大好きな動画がありましたが、どちらももう見られません。佳猫薄命。
ジャバラPの本作はアニデレ素材のMADですが、そもそも私が前川みく に興味を持ったのはアニデレからで、かつ、アニデレを見ていた時の私のモチベーションの6割くらいは前川みく の鑑賞にありました。そして、その後シンデレラガールズへの関心を持ち続けていったのには、アニデレを視聴した思い出が少なからず寄与しているので、アニデレの前川みく なくしては、この記事を書くこともなかったでしょう。まあ、いま見返しても、アニデレの前川みく、別にものがわかって周りが見えている子とかでは全然なくて、ひたすらに自分のことで精一杯な子どもなんだなあ、と思いますが、そこがいいんです。だからいいんです。そうじゃなきゃダメなんです。
……というような、アニデレの前川みく の可愛さ面白さ、自分の思い入れが、この動画の中から見えてくるわけでなくて。この動画に詰まっているのは、いったい俺の "担当"の子の出番はいつ来るんだ!? いったい俺の頑張りはいつになったら報われるんだ!? という、デレマスアイドルの周りに渦巻いて、どこを向いても充満している飢餓感、焦燥感ですね。そういう感情が渦巻く世界を、個人を特定しない形で客観的に描き出した動画はいくつかありますが、特定のアイドルの演技と物語に寄り添いながらここまで克明に表現しているのは、この動画くらいでしょう。ああ、俺がいま生きて浸かっている世界ってなんてクソくだらないんだろう、とうんざりした時に見ると安心する、精神衛生上ありがたい動画です。


赤西瑛梨華
716P デレステMAD 赤西瑛梨華 「Galaxy Bang」 17年09月10日 19時36分


なんか演芸とかお笑いとかそっち方面担当で、難波笑美でも上田鈴帆でもない人。顔はこの記事を書くまで覚えていませんでした。
3Dモデルは顔全体を厚みと重さのある髪が覆って両側に垂れ、胴体にも厚さがあって、立ち姿に迫力があります。716Pの本作は、そのモデルを元気に軽快に踊らせることで、かわいさとセクシーさとお茶目さが絶妙にバランスした魅力を捉えています。要所要所でアップで見せつけてくる仕草のひとつひとつに、ドキッとする威力があって、何度も見返したくなる動画です。


松原早耶
716P デレステMAD 松原早耶 「きみが死ぬとき思い出す女の子になりたい」 16年08月17日 07時48分


瓜実型の小顔に、上目遣い気味の目が非常に記憶に残る顔立ちで、モバマスで立ち絵を何回か見かけただけで名前は覚えていましたが、どんな子なのかは全然知りません。
716Pの本作の凄さの第一は、いかにもキュートでガーリーな曲で踊らせることで、松原早耶の、あざとさを含んだ可愛さを正面から存分に引き出していること。そして第二は、恋する女の子のせつなさを、 恋しているからこそ最高に可愛くて最高に輝いている女の子の姿を、見事に描き出していることです。作り手が公式のストーリーから読み取った、キャラクターの内面的な孤独や純情を表そうとする動画は数多くありますが、本作においては、ストーリーとして提示された、松原早耶の内面のせつなさというものが、あくまでポップで軽やかな曲調に乗っかって、ラストのダンスシーンへと繋げられることで、ステージ上で自分を表現することを、ステージ上で自らの性的な魅力を見る者の目に永遠に焼き付けることを、狂おしく希求する、ダイナミックな動力として表現されているのです。どんな過去でも未来でもなく、他のどこでもなく、いまこの瞬間、この場所で、誰よりも鮮やかにきらめいて、誰よりも凶悪に可愛くあるために、つんのめるように駆け抜けていく女の子の輝き。見ていて、楽しいとか幸せとか美しいとかいうのではなく、動画の中の女の子に射抜かれてしまう、惚れさせてしまう動画です。
松原早耶は、決してMADが数多く作られているキャラクターではありません。けれども、私には、716Pの動画ただ一本をもって、松原早耶は最高のアイドルで、松原早耶は誰よりも輝いていると言い切れる。だから、私は他のどんなコンテンツよりもコミュニティよりも、ニコマスが最高だと確信しています。


相原雪乃
どらけけ氏 La Nuit Etoilee 17年08月06日 21時00分


バニラマリンPの動画でいつも怯えた顔の社長役の人。なんか紅茶が好きとか。3Dモデルで見ると三つ編みめっちゃ長い。
どらけけ氏の本作で見ると、垂れ目気味の優しい面立ちに、太い眉が強さを与えていて、穏やかで落ち着いた、木漏れ日のような色調の世界によく馴染みます。ふぁさりと翻る、長いおさげの動きが楽しい。


宮本フレデリカ
NGR2氏 宮本フレデリカ 『つけまつける』 17年03月11日 00時00分


"怪しいエセ外国人" ポジションの人。「フンフンフフーンフンフフー、フレデリカー♪」という鳴き声を持つ。3Dモデルには、オシャレな動画からアングラな動画、コミカルな動画から癒し系な動画まで、いろんな空気に溶け込み、デュオならどんな子と組んでも自然に絵とストーリーが浮かんでくる雰囲気があって、PVにおいて活躍の場が多いアイドルの一人。
NGR2氏の本作は、彼女のふんわりかろやか、華やかでありながらノーテンキな空気感に曲が絶妙にマッチした、フレデリカの、フレデリカによる、フレデリカのための動画と言えましょう。


小早川紗枝
NGR2氏 Pirates of the Asian 16年08月27日 23時11分


なんか着物着てる人。アニデレで輿水幸子・姫川友紀とユニットを組んで出てくる。バラエティ番組出演時のシーンで、走り出ながらウインクするカットがかわいい。
本作は「選曲Sw@pping_Festival」で製作されたもの。みしお子Pによる選曲はPV作者の間で大きなインパクトがあったようで、このあと、annP、回P、じゅっP、甘香茶Pが立て続けに同曲でMADを作っています。本作ではセンターのアイドルが小早川紗枝(デレステ素材)→依田芳乃(デレステ素材)→律子(無印素材)と交代していきますが、全員のベストワンに押したくなるくらい、3人それぞれが鮮烈な印象を残します。
無印のモデルというのは今から見ると等身が低いし、モーションの自由度も低かったのでしょう、たとえば腕を組んだり互いにつないだり、指先を細かくばらばらに動かしたりするような振り付けはありませんし、背中や腰を大きく曲げたりねじったりする動きもありません。結果、無印モデルのダンスは、いずれも背筋がすっと伸びた姿勢のまま踊り続けるという共通性を持っています。従って、無印素材のMADは、非常にざっくりと言って、足のステップと、それに同期した胴体の中心軸の縦の運動でリズムが捉えられていて、体幹自体で曲に乗っている印象になることが多かったと思います。対して、2以降のモーションを生かしたMADは、より横・斜めの旋回運動と手先・足先の振りで動きを魅せる傾向が強く、等身が高く手足の長さが強調されたミリシタ素材は、その最先端にあるものと言えるでしょう。
他方で、より寸詰りで、背筋を伸ばしたままの動きがダンスの基本となるデレステ素材は、体幹の強さの表現、体幹自体で曲に乗る表現に秀でているという点において、無印素材と相通じる資質があります。そして本作こそは、その事実、アイドルの体幹の強さこそ、他のどの素材でもなく無印からデレステへと受け継がれて脈々と流れている魅力であり、武器であることを証明し、体現した動画なのです。
嵐の夜の陰鬱な海のごとき、暗く広い客席を前にして、すっくと背筋を伸ばして立つ、小早川紗枝の背中の、なんという頼もしさよ。カメラが正面に回れば、煌々と光る舞台の上には、天女のごとき衣装にみどりなす髪と瞳の漆黒が映える、絶世の美少女。しかし彼女が表すものは、幻影のごとき天上の華やぎではなく、鍛え抜かれた筋肉がぴしりと張りつめ、全身を毅然とした意志が貫き通る緊張感。きっと、そこがどんなに暗く、重苦しく、あやふやな世界であったとしても、彼女はその真ん中にまっすぐに立って、何時間でも何十時間でも踊り続けられるのでしょう。センター交代の演出がまた素晴らしい。踊り納めた小早川紗枝の姿が静止して闇に消え、一瞬の静寂の後、虚空に長い髪をなびかせて立つ依田芳乃の背中。そして終盤、ちっとやそっとのダンスでは太刀打ちできない、ここまでの熱く重い流れを無印の律子が真っ向から受け止めてからの、怒涛の流れ。2.5次元の狭間にあって、時も場所も超えて、アイドルは死なない。


西園寺琴歌
FlickShot氏 【デレステMAD】琴歌「努力はします(ドヤッ」 17年11月01日 19時57分


バニラマリンPの動画の、錆びた包丁を持って立っているのがめっちゃ似合うメインヒロイン。いや、ヤンデレとかでは全然なくて、正義心に燃える熱い警官さんです。
その、コテコテに "アニメの中のお嬢様" 然としたヴィジュアルを、いかにも高貴で手の届かない "銀幕の妖精" 的に演出したMADも多くありますが、FlickShot氏の本作の魅力は、彼女をバタバタわちゃわちゃと元気に動き回らせて、動悸や息遣いまでそのまま伝わってきそうな、にぎやかでそそっかしい生な女の子として見せてくるところ。こう、がんばるぞー! とすっごく勇ましく意気込んでる感、つんのめりながら突進している感がかわいいのです。あと、ドヤ顔超かわいい!


双葉杏
おたクララP 【あんきら生誕祭/デレステMAD/AniPAFE2017】それじゃあ あんきら 17年09月02日 00時00分


怠け者だったり天才だったり老師だったりする人。双葉杏のMADというと、BBPのThe Importance of Being Idol(15年09月30日 19時00分)や、牛乳飲むから大丈夫。氏の大  失  敗(15年08月20日 06時32分)など、アニデレ素材の動画が思い浮かびますが、前者は非表示だし、後者は20秒しかないので、これ1本きりというのはちょっと、ということで選びませんでした。ただ、私の中で双葉杏というのは、なにか人生の辛さ、しんどさを表現する、司る存在として認識されていて、その重さというか面倒臭さを背負ったまま、どう笑いとして、エンターテインメントとして昇華して受けとめるか、と考えた時に、これらの動画が思い浮かんでくるのです。
他方、3Dモデルについて言うと、双葉杏の、低身長に、平べったくて四角い顔の組み合わせは、かわいいとか面白いとかいう以前に、なんか人間っぽく見えなくて、マスコット的な生き物かなにかのように私には見えてしまいます。本作は、そんな、生きることの辛さ、しんどさ、哀しみを背負い、人間の心を解しながら人間に想われない怪物であるところの双葉杏が、ダサくて、熱くて、陳腐な励ましの歌を、声を張り上げて歌うことで、他者と自分自身とを救う動画なのです。なんのこっちゃ。


楊菲菲
むし氏 【楊菲菲】風になる【デレステMAD】 17年08月25日 00時01分


「ふぇいふぇいダヨー」というフレーズは知っていたけれども、顔と名前の正確な表記は認識していなかった人。MADでは中国語のアイドルソングや、90年代くらいの流行歌と合わされることが多いですが、いずれにしろ、本作のように、ふんわりと穏やかな陽だまりのような空気が似合うのが、何よりの持ち味なのかな、と思います。


桃井あずき
られへろP 桃井あずき オトナモード 17年07月07日 01時12分


呉服屋の人だそうな。られへろPは桃井あずき専属で動画を上げ続けているPV作者で、私はこの人の動画でこの子の名前と顔を覚えましたが、今思うと、"見た目童顔っぽいけどそんな年少でもない子" "特定の作者のPVで覚えた「キュート」属性の子" ということで、今井加奈と混ざってインプットしていた気がしなくもありません。
られへろPは、一作ごとに違う曲調で、桃井あずきの様々な顔を見せようと工夫を重ねていて、MADとしては現在のところ最後の作品である本作では、ちょっとエロティックでオトナっぽい雰囲気に挑戦。色っぽさの中にも、年相応の可愛らしさが醸し出されてくるのがまた、いいのです。


涼宮星花
tarte氏 【デレマスMAD】GoodTime/涼宮星花 18年11月02日 17時40分


記事を書くまで顔も名前も覚えてなかったキャラクターのひとり。「キュート」属性の "なんか名前に植物が入ってるよくわからない人" その二。バイオリンとか弾くらしい。あれですね、後ろ髪をポニーテールにするとミリマスの二階堂千鶴みたいだ。
本作は、いわゆる「一人合作」動画の中のPVパートを切り出したものですが、本編に「一人合作の良心」「一人合作の良識」とタグがついているのが、キャラクターの人徳を表している気がします。PVは、終盤のステージでみせる笑顔の晴れやかさが印象的。あと、長い髪の結い方飾り方にいろいろなバリエーションがあって、目に楽しいですね。お団子に結んでる立ち絵かわいい。


月宮雅
緑青氏 【デレステMAD】I'm in the Pink 17年10月30日 00時00分


記事を書くまで顔も名前も覚えてなかったキャラクターのひとり。この記事の準備をしていて気づきましたが、私、これまで、髪がボブかミディアムで茶色なモデルは全部並木芽衣子だと思っていた節があり、おそらく月宮雅を見ても "並木芽衣子の一種" と認識して通り過ぎていたものと思われます。
数少ない月宮雅センターのMADを作っているのは緑青氏。甘いふわふわ感の中にも、出るところの出たスタイルの立派さが目立ちます。


兵藤レナ
火凛P What's my name?【im@s_SnD2】 19年03月12日 20時32分


私の中にいつの間にか存在していた、"理由も意味も不明だが、なぜか北川真尋と混同しながら名前だけ覚えていた人" カテゴリに属するひとり。なんかカジノのディーラーみたいな扮装の人。
兵藤レナのMADをほとんど一人で作り続けているのが火凛P。本作は1分少々の動画ですが、ダークな色調に兵藤レナの切れ長の瞳、シックでお洒落な大人のコーディネート、キレのいい動きが映え、短い時間の中で彼女のかっこかわいさが強烈に目に焼き付きます。


道明寺歌鈴
occhan-L氏 【デレステMAD】明鏡止水 -禅ジャズ- 19年02月22日 22時22分


ギスギス胃に痛いバニラマリンP作品の、いつでもまっすぐ前向きで視聴者の心の癒しな主人公。本業は巫女さん。
和風ドレスの衣装が出て以来、衣装を生かしたMADが多くつくられていますが、なかでもocchan-L氏の本作がみせる豪奢な美しさとダンスの熱さは出色。和風ドレス、いいですよね。灯火に映える配色の鮮やかさ。複数人で並んだ時の色合いの対照の美。踊りにつれてはためく長い裾の動きの楽しさ。
桜舞う春の夜、踊るは道明寺歌鈴、浜口あやめ、脇山珠美の三人組。左に構える浜口あやめのスマートさ麗しさ、右に開いた脇山珠美の凛々しさ涼やかさ、そして中央に堂々と立つ道明寺歌鈴の貫禄。古今無双のそのユニットの名は「不惜身命」。……なに、「可惜夜月」が正しい? 巫女と忍者と剣士がうち揃って、月なんか眺めてどうするのか。身も心も惜しまず、歌と踊りに命を捧げてこそのアイドルでありましょう。年末の寒い夜、この動画を開いて絢爛豪華な極彩色の美に迷い、狂おしく踊りに踊って踊り抜ける歌鈴たちに陶然として、わずか2分が永遠にも思われる充足感。人生にこの瞬間以上の至福がありましょうか。これは一夜の夢か幻か、不惜身命を体現する和ふぅアイドルたちの一期一会の花舞台を、神も仏も照覧あれ。


柳清良
迷い中P アイドルマスター『野球拳』柳清良 17年12月15日 10時00分


真里谷氏のゲームセンター輿水 「AIRAM EVA」 【モバマス】(13年02月17日〜)で出てくる、ナースのコスプレをした妖しいお姉さん。……いえ、本当は真里谷氏の動画中でも、普通に本物のまともな看護師さんです。
あまりMADの中で拝見する機会がないので認識していませんでしたが、この人も、ステージ上ではいろいろキャストオフして、あら、こんな美人さんだったんだ、となる系のアイドルなんですね。それでもやっぱり、ちょっぴり妖しい雰囲気が隠し味になっているのが魅力ですよね。こう、野球拳の歌で顔色ひとつ変えずに艶っぽく踊ってみせるような。


井村雪菜
波原氏 Light up my LOVE 【デレステMAD】 16年01月17日 00時32分


「キュート」属性の "なんか名前に植物が入ってるよくわからない人" その三。なんか化粧が好きとか。くせっ毛気味の長い赤毛が華やか。
波原氏はいつも、決してプロデュースする側の腕力でアイドルを無理に飾り立てたり、強引に色付けたりするような演出はせず、それでいてそのアイドル固有のかわいさがにじみ出てくるような動画作りをします。そんな波原氏が井村雪菜をプロデュースした本作。ここでの彼女は、まさに "ナチュラルメイクの素敵な女の子" という感じで、ときめきとあたたかさを同時にくれる動画です。


日下部若葉
緑青氏 【デレステMAD】Masked bitcH 17年09月16日 20時00分


「キュート」属性の "なんか名前に植物が入ってるよくわからない人" その四。これで20歳、らしい。ニコニコ大百科記事では顔がでかい、顔がでかいと強調されていますが、3Dモデルだと "胴体の長さのわりに顔、でっけえな!" と思うキャラクターが他にも何人もいるので、あまりピンと来ません。
MADの中でのアイドルの見せ方というのは、どちらかというと、3Dの造形物を、ただのモノであることを忘れるように、人間っぽく見えるようにする方が普通でしょう。しかし、本作では(意図したことではないかもしれませんが)、人工的なステージと高い彩度によって、衣装のどぎつい原色が、3Dの固さと平面感が強調され、3Dモデルたちが、とりわけセンターの日下部若葉の特徴的な濃い面立ちが、とても人形っぽく、無機物っぽく感じられます。それが、悠然ときっぱりと踊り続けている彼女たちを眺めているうちに、どんどんその造型に目が吸い寄せられていって、最後には、なんというか、人形感と生命感が両立した存在として見えてくる。ちょっと不思議な味わいの動画です。


榊原里美
tman氏 【デレステMAD】ある屑野郎のあいのうた T. C. I. feat. 榊原里美 16年10月04日 13時46分 16年10月04日 13時46分


バニラマリンPの動画で、ほわほわした口調でヤバイことを言って "何かおかしなこと言ったかしら" という顔をしているサイコなマッドサイエンティスト役の人。
本作は歌詞を"アイマス語" に意訳した字幕が、演出の一環をなしています。こういう、"僕が君のことをどう想っているか" ”僕から君がどう見えているか” に視点を定めた動画は大好きです。彼女は画面のこちらの僕や私の共犯者なのかもしれないし、本当はこちらをなんとも思っていない赤の他人なのかもしれない。それは、我々にはあずかり知らぬ範疇の事象です。大事なのは、こんなどうしようもない思い込みの、視野狭窄の、自己陶酔の視界の中でこそ、2.5次元のアイドルの、人間を惹きつけてやまない、魅了してやまない美しさが最大限に捉えられる、ということです。
画面の中の榊原里美の微笑みは、とてもとても近く親しみ深いもののようにも、こちらを遠くつき離す未知のもののようにも見えます。血を吐くように想いを語るテキストにもかかわらず、この動画を見ていて息苦しさや焦燥よりもむしろ、喜びや温かみを感じるのは、モデルのたたえる包容力と揺るぎない強さゆえでしょう。


輿水幸子
真里谷氏 【エアマネ2】輿水飛翔 第1回「幸子さん、飛びましょう」【モバマス】 13年01月19日 11時17分


ミリマス最強の主人公が、登場しただけで物語を傑作にさせずにはおかない、約束された勝利の周防桃子先輩なら、デレマス最強の主人公は輿水幸子に間違いありません。光の見えない谷底にあればあるほどに、淀んだ泥沼に浸かれば浸かるほどに、幸子の内側から尽きずに湧いてくる自信、何をどうやったって枉がらない、鈍らない幸子の "ボクが一番カワイイ!" が輝くのです。幸子の "ボクはカワイイ!" の一言だけで、生きていける気が、世界は大丈夫だという気がしてくる。幸子の "ボクはカワイイ!" を守るためならなんだってできる、なんだってやらなきゃという気がしてくる。架空戦記を見ていて、今まで何度そんな奇跡の瞬間に立ち会ってきたことか。
今のところ、PVにおける幸子の表現は、普通にカワイイ以上のものではないので、いつか、これだよ、これこそ世界一雄々しくて、世界一勇敢で、世界一カワイイ僕らの輿水幸子だよ! というステージを目にしたいものです。


安斎都
花猪口P 【モバマス】探偵・安斎都のミシシッピー殺人事件 15年11月22日 23時02分


探偵(ごっこ)好きという特色から、ミステリーもの中心にテキスト系動画での出番が目立つキャラクター。あくまで探偵"ごっこ" の子、というキャラクター性から、カルテPの刑事エビナホシリーズ(17年06月25日〜)や、陰干しPの【Novelsm@ster】 岡崎泰葉と消えたおやつの謎(17年06月30日 19時07分)のように、真の探偵役、解決役というよりは、情熱と思い込みで突っ走って、動き回って泣いて笑って失敗して反省して成長する、見習いポジションの役どころが多い印象です。しかし、花猪口Pの本シリーズでは、古澤頼子をサポート役につけて、堂々の主人公として真っ向から事件に挑む姿が見られます。こう、ボーイッシュさ、元気発剌さと女の子らしさのバランスが絶妙で、眺めているだけで楽しい子ですよね。


浅野風香 
ひろせ / メタル氏 まほうのことば【浅野風香誕生祭】 18年02月11日 01時55分


記事を書くまで顔と名前を覚えていなかった人。名前に植物……は微妙に入ってないか。あれですね、奥山沙織自体をそんなにちゃんと覚えていなかったので、なんか他にもこんな子がいたような……としばらく考え込んでしまいましたが、メガネでお下げの弱気っぽい雰囲気の子、ということで、見かけても奥山沙織と混同して通り過ぎていたんでしょうね。ステージ上ではいろいろ豪快にキャストオフして一気に垢抜けてみせる奥山沙織に対して、浅野風香の3Dモデルはメガネは掛けたまま、垢抜けない空気もほんのり残したまま華やかになるのが魅力ですね。ひろせ / メタル氏の本作は、そんな浅野風香らしい、地に足のついたきらきら感が光る動画だと思います。


大西由里子
エロラクP 【アイドルマスター】You Suffer 17年06月20日 20時32分


同人誌とか買う腐女子の人。名前はなんとなく認識していましたが、どこで覚えたかは不明。
エロラクPの本作は、"世界で一番短い曲" で大西由里子を踊らせた(?)PV。同曲のMADはかりふらPの前例(亜美が数秒で数回跳ねる動画(Napalm Death - You Suffer) 09年07月11日 18時42分)があります。エロラクPには他にも、夏は、シンデレラの股間もかゆくなる。(17年07月04日 21時41分)なんていう過去のニコマス動画リスペクトのネタ動画がある一方で、鏡の中【デレステMAD】(17年05月21日 21時03分)というシリアスなPVがあったり、嘘字幕動画があったり、静止画とテキスト主体のよくあるタイプの選挙支援動画があったりと、一貫して大西由里子をプロデュースしながら、ネタの幅が多彩なのが特徴的です。デレマスアイドルに、この子のMADはこのPがだいたい全部作っている、という、専属Pかつワンマンアーミー的な動画作者は何人もいますが、こんな風に、ひとりでありとあらゆることをやりながらその中心にひとりのアイドルがいる作者は、この人くらいでしょう。まあ、今は、そういうのは「一人合作」の中に全部盛りにする、という方がスタンダードなのでしょうが、頭の古い人間なもので、エロラクPの大西由里子のように、いろんな方向を向いた個別の動画が寄り集まって、全体として一つの宇宙を形作っているさまをみると、いいなあ、楽しいなあ、と思うのです。


安部菜々
ブラッディP 【rimworld】白きウサミン星と鋼鉄の乙女たち(1) 17年04月10日 00時30分


安部菜々の第一印象と言えば、そば処五三郎氏の弥生時代にタイムスリップするゲーム(13年05月25日 01時30分)で、17歳という公称設定を守るために自ら毒をあおいで死ぬ姿。その潔い出処進退、峻烈な死にざま、これが本物のジャパニーズ・アイドルの生き方か、と、深く感銘を受けました。以来、私にとって安部菜々と言えば、意地とか、誇りとか、義理とか、誓約とか、そういうものを貫き通すためだけに命を賭け、そういうものを守るためにためらいなく命を捨てるラスト・サムライであります。しかるになんたることか、世間で持て囃される安部菜々MADといえば、"総選挙やっと勝てまちた〜、嬉ちいでちゅ〜♡" というような、気の抜けた生ぬるいサイダーみたいなグズグズに甘っちょろい内容ばかりであり、かくのごとくサムライの覚悟を忘れ去った腑抜けたプロデューサーばかりのデレマスに対して、刀をとって討ち入る気概も持てない私自身の不甲斐なさ、慚愧に堪えません。
ブラッディPの本作は、安部菜々が、厳しいサバイバルと戦いの中で仲間を次々と失いながら執念でひとり生き抜いて、暮らしを、家を、国を、文明を建て直し、ついに仲間たちを蘇生復活させるまでに至る……ええと、ネタバレ回避のため一部、情報を伏せたり嘘をついたりしている箇所もありますが、だいたいそんな感じの、安部菜々の安部菜々たる所以を描ききった力作です。PVでもこのように、これぞウサミン星人の士道、これぞウサミン星人の死にざまよ、という、安部菜々の凄みをきちんと表現した動画が生まれてほしいものです。


工藤忍
ジョルジュ氏 【MAD】TOKYO Friday night【工藤忍】 17年03月31日 23時00分


茶髪のショートボブにベレー帽みたいなのを被った子。名前はラツマPのフリスクファンタジーシリーズ(16年03月19日〜)で覚えました。
昔の用語でいう「im@sストーリー系PV」の名手であるジョルジュ氏は、各場面を静止画、フォント、ダンスと異なる素材・異なる表現で構成しながら、全体として緊密な流れ、一体感のある世界を感じさせる動画作りを得意としていますが、ステージダンスメインの本作でも、その力量は遺憾なく発揮されています。要所要所で挿入されるフォントが、曲のリズムに乗って疾走感と緊張感を高めるとともに、その積み重ねが次第にストーリーを形成して、見る者の感情を高めていきます。そして、細かくカットを刻み、カメラを動かしながら見せていくダンスモーションのひとつひとつがクールに小気味よく決まり、工藤忍のさっぱりと爽やかな顔立ちと目力の強い大きな青い瞳を、最高にカッコよく見せるのです。


栗原ネネ
三浦勇士P アイドルマスター 栗原ネネ 「夜明前」 19年04月23日 21時17分


「キュート」属性の "なんか名前に植物が入ってるよくわからない人" その五。黒髪ロングのお嬢さん。三浦勇士Pによる本作は、実写による車窓風景とアイドルのステージ・立ち絵を交錯させ、織り重ねてていく、いかにもこのPらしい表現。三浦勇士Pのこういう、実写を交えた動画には、"プロデューサーである自分が、想いを募らせながら大切なアイドルのもとへとはるか旅をしていく" という感覚がこもっていて、時が経ち、想いを語る場所と対象が変わっても、プロデューサーとしてのあり方は変わらないんだなあ、と思います。


古賀小春
大自然氏 【デレステMAD】ちいさなプリンセス【古賀小春】 17年11月03日 20時00分


コミックの「アイドルマスター シンデレラガールズ U149」に出てくる、ショートヘアの目立たない子。なんとなく、私の中では時によって龍崎薫と成宮由愛のどちらかと混ざっていて、独立の個体として識別できていなかった気がします。
なんかプリンセスプリンセス言ってるらしい子、ということで、大自然氏(「大自然P」とは別人です)の本作はお似合いのお仕事。古賀小春本人も水を得た魚という感じで楽しそうで、見ているこちらも楽しい、というWin-Winな動画。
私、昔 "伊織の頭についてるピンクの物体はリボンではなくプロペラ説" というのを考えたことありますが、こうしてまじまじと見ると、古賀小春さん、このままタケコプターのように回転して上昇していきそうな実に立派なプロペラ……もとい、リボンを装着されていますねえ。衣装にもリボン目白押しなのがまた、実に喜ばしい。見ていると、ああステージ上で踊りに合わせてリボンが優しくふさふわ揺れる光景ってなんて幸せなんだろう、という気持ちが思い出されてきます。リボンを継ぐ者として、今後も頑張っていただきたいところです。


クラリス
もじさんP 【デレステMAD】God is watching you 17年03月08日 05時53分


なんかシスターっぽい扮装をした金髪の人。ニコマスのクラリスと言えば、もちろん相談Pのシスタークラリスのドキドキ相談室(13年08月04日〜)……ではなく、そば処五三郎氏の弥生時代にタイムスリップするゲームで古代日本にキリスト教を布教する人として覚えました。
もじさんPの本作は、ステージ上でもいつでも細目で笑みを浮かべている、というクラリスの特徴を、そのままステージ上で笑顔しか見せられない・見せてはいけない哀しさ、辛さ、ステージ上で笑顔しか見せない強さ、優しさ、という、アイドル・クラリスの内面を語るものとして表現しています。変わらない笑顔の奥に、さまざまな感情の揺れ動きと積み重ね、そのはてに築かれた強靭な決意が見えてきて、だからこそ、その笑顔の尊さ、美しさが胸に沁みてくる。
多くの場合かわいくニコニコ笑っている、アイドルのステージ素材を音楽とどう合わせるか、というのは、im@sコラボPVの古くて新しい課題です。3Dモデルの笑顔の中に、たくさんの感情と物語を見出してきたアイマスMADの歴史の蓄積の上に立って、クラリスというアイドルならではの新しい境地を切り開いた動画です。


佐久間まゆ
ゆのすP 恋愛疾患 19年02月08日 15時41分


なんかヤンデレっぽい雰囲気を振りまいているけれども、具体的に何か事件を起こしたという話はいっこう聞こえてこない人。アニデレでは完全に、言動がいかにもミスリードなだけで中身は普通のいい子、という扱いであり、キャラクターとしてそういう舵取りになるのは仕方のないことですが、もう少しその恵まれたポテンシャルを生かしてもらいたいものです。なにも、直接的に死んだり殺したり病んだり狂ったり、ドロドロ血みどろになれ、とは申しません。そういうのはニコマスでは全部春香さんが済ませてますし、デレマスでいちばん刃物沙汰が似合うアイドルは西園寺琴歌なので。
そうではなく、見た目はあくまで隙なくお洒落に愛らしく、怖さと秘密はその内側にじっと忍びこませて、いつでもあなたの首に刃が届く位置でそっと優しく後ろから寄り添う。そう、ちょうどこの動画のように。それでこそ、人を虜にして離さない王道のアイドルというものです。狂気と妄執は、乙女の純情と切なさ、エロティックさとメインヒロイン力を引き出す最高のスパイスなのですから。


村松さくら
たかCP アイドルマスター × WWW.WORKING!! OP「Eyecatch! Too much!」 16年11月25日 20時00分


「キュート」属性の "なんか名前に植物が入ってるよくわからない人" その六。この動画もそうですが、MADではだいたい大石泉・土屋亜子と3人セットで出てきて、3人組の中の特徴がないのが特徴の子、という感じで、なかなか顔が覚えられません。
たかCPの動画の中の女の子たちにはいつも、よく笑い、よく遊んで、すこやかに生活しているんだろうなあ、という生命感、幸福感があります。本作もまた、そういう幸福感にみちた動画で、ああ、本当に仲良しなんだな、学校生活楽しいんだな、と、眺めているうちに、彼女たちの過ごしている日常がありありと目に浮かんでくるようです。


丹羽仁美
元就氏 丹羽仁美の歴史さんぽ 第一回「小山城」(栃木県)ゲスト・氏家むつみ 17年06月26日 20時48分


なんか歴史オタクの人。この動画で顔と名前を覚えました。「〜でしょ!」「〜よね?」「〜だよ!」という、台詞の語尾に全部「!」「?」がつく喋りが勢いよくて、見ていて楽しい。キャラクターが、自分の好きなもののことを嬉しそうに喋っている光景というのは、それだけでいいものですが、丹羽仁美は、その口調と表情から自信と嬉しさがあふれ出してくる感じがして、とりわけいいのです。
おかっぱの前髪&ストンと落ちる後ろ髪というヴィジュアルもわりとツボなので、PVでももっと活躍を見たいものです。髪留めに花模様のアクセサリーが付いてるののもポイント高い。無印の頭部アクセサリーの「ハイビスカス」を思い出します。……あの、ハイビスカスつけてる春香動画は傑作の法則、ってのがあるんですけれども、その話を始めると長くなるのでここではしません。惜しむらくは、3Dモデルでは花のアクセサリーをキャストオフしてしまうこと。それを外すなんてとんでもない! しかし、どうやら最近、彼女用の和風ドレスが登場して、それには花模様の髪留めもバッチリついてくるようなので、今後の活躍に期待大です。


白菊ほたる
タイ氏 【NNNM16】笑顔を消してやる 16年12月18日 21時00分


なんか不幸な人。私がデレステMADを本気で見始めた頃(16年下半期から17年上半期にかけて)ひときわ多くのMADが作られて存在感があったのが白菊ほたるでした。それはもちろん、ファンコミュニティ全体の中での人気、流行と連動した現象だったのでしょうが、それだけでなく、彼女の3Dモデル自体に、動画を作らせずにおかないパワーがあったからだと思います。
タイ氏は、動画の中で、キャラクターやコンテンツに対する意見、解釈を、直接ストーリーとして表すことはほとんどない作者です。しかし、氏の動画の中には時どき、抑圧され濃縮された強い怒りと悲しみが籠もったものがあると感じます。同時にまた、その強い憤怒と悲哀のフィルターを通して、その向こうにあるアイドルの存在が、澄み切って清冽な美しさを持つものとして見えてくるのもまた、タイ氏の動画の特質であり、それは、作者が、作り手の側のどんなに凶暴で複雑な感情をも受け止めて立ち続けられる、素材としての3Dのアイドルたちの強靭さを、強く深く信頼していることの証左だと思います。
白菊ほたるを写した本作は、その最良の例のひとつでしょう。軋るように、焦げ付きそうに、感情を高ぶらせて迫る音とカメラの中にあって、遠ざかれば遠ざかるほどに彼女の白肌の肢体は鮮やかな光点となって目に刻まれ、近づけば近づくほどに彼女の深い瞳に吸い込まれそうで。最後には、彼女の哀しみをたたえた笑顔の、どこまでも澄み通った強靭な美しさと、「白菊ほたる」というその名前だけが、見る者の胸に強烈に焼き付くのです。


早坂美玲
三浦ものP 【デレステMAD】 「 美 」 【早坂美玲】 17年11月15日 20時41分


八重歯で眼帯で耳付きフードのちっちゃい子。頭部のオプションが多いのは大変よろしいことです。メタル系の曲で踊るMADで星輝子、白坂小梅(か森久保乃々)の次に出てくる3人目の子として覚えました。ニコニコ大百科によると「性格は人と慣れ合わないというかやや粗暴」だそうですが、たしか私がモバマスをプレイしていた時の「シンデレラガールズ劇場」がこの子の出る話で、むしろ常識人でストッパー役で振り回され役のいい子、というポジションだったと記憶しています。まあ、ツンデレなんてみんなそうなる運命だ。ただし、そんな早坂美玲は可愛いと思いますが、伊織テメーはダメだ、なんでお前が常識人面してるんだ猫かぶりもいい加減にしろ。
さておき、組むパートナーによって顕著にステージの傾向が変わる子で、先述のようにメタルでバリバリ踊るぜ! な動画もあれば、可愛らしい歌で元気にキャピキャピと、という動画もある。そんな、動画次第、仲間次第でいろいろな顔を見せるアイドル、早坂美玲の持っている「美」とはなんだろうか、という直球のテーマに切り込んだのが、三浦ものPの本作。
タイトルを読んで、何が「美」なんだろう、と動画を見ていると、ああ、早坂美玲には "かっこいい " があるな、"かわいい" もあるな、"優しい" もあるな、"力強い" もあるな……と、いままでも見知っていたいろいろな側面が浮かんで溶け合っていった末、はたと、ああ、そうか、早坂美玲は "美しい" んだ、と知る。まるで彼女がそこに立つだけで、世界に光が満ちるようで。彼女がそこに在るということそのものが、奇跡のようで。トートロジーですが、早坂美玲が美しいから、この動画の名前は「美」なんだ、と納得するのです。瞳だけじゃなくて、その顔も、体も、立ち姿も、心も、生き方も、全部、美しいんだよ。


有浦柑奈
ナデクロP 【デレステMAD】愛と平和【有浦柑奈】 17年03月06日 00時00分


「キュート」属性の "なんか名前に植物が入ってるよくわからない人" その七。なんか立ち絵で頭にひもを巻いてる人。ラブ&ピースがどうとか言ってるキャラクターということで、MADの中では、この動画だったり、大門氏の教えたい、LOVEのこと【有浦柑奈】(19年03月06日 00時00分)だったり、眠氏の愛平和偶像アリウラセブン(18年03月06日 08時00分)だったり、「愛」や「平和」絡みで、ニコマス的にいろいろ思い出のあるアーティスト、楽曲で踊る機会が多い。
まあ、かつてのニコマスで愛だの平和だのを語る動画が作られたのは、作り手の中に、ニコマス全体ひいてはアイマス全体に対して、MADを通してそういう大きなことを語らなければならない内的な必然性が先にあって、公式の世界の中では別段アイドルとなんの縁もない、愛や平和を歌う楽曲が呼び出されていたわけです。有浦柑奈動画における愛とか平和というのは、そういうものではなくて、単に、読書好きだとか歴史オタクだとかプログラマーだとか看護師だとかシスターだとかいうのと等価な、キャラクターを色付けする部品であって、楽曲はただ、キャラクターを装飾するのにお手頃なアクセサリーとして選択されているに過ぎません。
それはそれで、とてもいい光景だな、と思うのは、有浦柑奈の動画において、使われた楽曲は、"この動画、あの有名Pのあの有名動画の曲に「あえて」挑戦したのか!?" 的な、動画と動画作者を権威化する視聴者の目線から自由に、ひとりのキャラクターだけを想い、ひとりのキャラクターのためだけに贈られ、歌われている。いわば、有浦柑奈と出会うことで、歌がニコマスの中で、"アイドルではない普通の女の子" としての居場所を得ていると思うからです。
他方で、僕にとって目の前にいるひとりの女の子が本当に大事な存在なんだよ、これからも一緒に歩んでいきたいんだ、という原点は大切なものではあるけれど、MADの中のアイドルにはそれだけではない、もっといろいろなものを背負ってほしい、背負わせてほしい、とも思うのです。私はいつか、いまあたしの肩にアイマスのすべてが載っかっていて、あたしの踏み出す一歩がそのまま世界平和の礎なんだぜ、という有浦柑奈のステージを見てみたい。アイマスMADにこそ、それができるのだから。
 

乙倉悠貴
エコノミーP アイドルマスターシンデレラガールズ 乙倉悠貴 『ドリドリ』 17年11月04日 00時56分


なんか13歳だけどめちゃ背が高くて、立ち絵の配色が全体的に薄桃色な子。ましんめいかーPの「ねおあいどるくいず!」に出演しながら、本人はまったくヨゴレにならずに帰っていった、アイドルの中のアイドル。
そのスタイルを生かした、涼やかさと健康さとガーリーさが見事にとけあった素敵な動画が多く、エコノミーの本作はその好例ですね。カードの絵柄に見立てた枠の中で踊らせることで、切り抜き素材の平面感を消し、端が切れるのを自然に見せるというアイディアは、七夕コマンド全盛期の動画作者の手腕を感じさせます。
でも、まあ、あれですね。しょうひら氏の動画リクエスト生放送でこの動画が流れて、しょうひら氏がエコノミーPだ! と反応したら、リスナーから「有名な人なんですか?」みたいなコメントがついた、という話を小耳に挟みましたが。エコノミーPと言えば、ニコマスの中でアイドルと楽曲にいろんな大きなものを背負わせてきた側のひとりであるわけですが、知らない人にこの動画だけ見せて、"どうだ、これが俺らのエコノミーPだぜ!" と自慢できるほどかというと……ねえ? 素材のつなぎ方とかいかにもぶつ切りで、"小手調べにちょっと作りました" 感ありありで、まさかこれだけで終わりってことはないですよね? ……というような話も、続空が一向に更新しないから自分で書いておかなきゃいけなくて、しんどいです。


辻野あかり
ぶどうとう氏 201905022202 19年05月02日 22時02分


2019年になって新登場したアイドル7人のうちのひとり。語尾が「んご」で、りんごを宣伝する人らしい。
ぶどうとう氏は、新しいアイドルたちのPVを多数投稿していますが、その多くに、無人の空間で自分ひとりの前で踊っているアイドルを眺めているような、プライベートな感触があるように思います。けれども、本作の場合には、切り取っているカメラ自体はプライベートなのだけれど、写している姿は、いろんな人の前でお仕事をがんばっている女の子のもので、"みんなの前" だからこそ見られる、彼女の多彩な表情が写り込んでいる。その "みんなの前" というのは、別にドームを埋め尽くす大群衆を前にしたソロステージなんてものではなくて、学校の運動会で駆けっこを頑張ってる、とかそういうものかもしれないんだけれど、とにかく、元気に体を動かしている辻野あかりのはりきり、意気込みが伝わってくるようで、彼女がいま歌い踊りながら肌で感じている空気の新鮮さ、胸をぐるぐるめぐっている喜怒哀楽の新鮮さが伝わってくるようで、辻野あかりがとても愛しくなる動画なのです。


池袋晶葉
ジョルジュ氏 【MAD】アキえもん 18年06月10日 12時00分


なんか道具を作ったり出したりする、キテレツかドラえもんポジションの人。というわけで、動画もドラえもんネタで。
ニコマスには昔から「藤子m@ster」というタグがありますが、そのタグを一人で抜群に発展させ、充実させていたのが足塚Pという作者でした。私の人格の6割くらいは、藤子不二雄の漫画とアニメで形成されたようなものなので、みんなが知っていて作っているあの曲やその曲だけではなく、あんな曲もこんな曲もみんなみんな、こんなにも楽しい動画にしてくれる足塚Pの存在は、ニコマスを見ている私にとって大きな喜びでした。他のどんな場所よりもオリジナルで豊かな藤子不二雄の世界が、ニコマスという私の好きなものの中にある、ということが自慢でした。いつか、足塚Pを中心に「藤子m@ster」の幸せな世界を記録する記事を書きたい、セットリストを組んで生放送で披露もしたい、と心の中で幾度も思い描きましたが、果たさないうちに氏の動画は消えました。
思えば、今年は本当に、本当にひどい一年でした。なにしろ、始まりはウィンウィンPの非表示で、締めくくりはK_1155氏のブログ休止です。我が身に思い出されることと言えば、東方卓遊戯の「こころちゃんはガーデンオーダーがしたい!」の非表示について、どう言おうとずっと考え続けてとうとう何も言えなかったことと、とうとうななななな〜Pについて書けなくなったことです。こうしてこの記事を書いている今も、あれやこれやの動画がなくてもこれがあったと探し出して、理想の193本がやっと揃ったと思ううちに、選んだ動画が目の前で、何も書かないうちに消えていったりするのですから、まるで、積み上げる端から部品がぼろぼろ崩れ落ちていく積み木を積んでいるような気分ですが、それでも今この瞬間は、手を動かして何かしら積んでいる実感があるだけまだましというもので。
それでも、今でもアイマスは続いていて、ドラえもんも続いていて、今日も私の知らない新しいアイドルと、私の知らない新しい歌が出会って、新しい「藤子m@ster」が生まれている。もちろん、池袋晶葉にはそんな私の事情なんか知ったこっちゃないでしょうし、作者も私を慰めようと思ってこの動画を作ったわけではないでしょう。アイドルは誰かのためではなくみんなのために歌うもので、みんなのためである以上に、本当は自分自身のために歌うもので。だからこそ、自分自身のために生きるしかない私は、他人が他人自身のために歌ったMADを見て救われるのです。手の指を折って自分の歳を数えられた頃、私は図書室で藤子不二雄の漫画を開いて、孤独と退屈から救われました。何十年か経って、大人になれた気はしないのに、もう子どもですらない私は、いま、ニコマスの池袋晶葉を見て、孤独と退屈から救われています。アイドルは世界を救うんですよ。何者でもない、人間の想像が作り上げた偶像だからこそ、彼ら彼女らは、世界を救うんです。


原田美世
よぅ氏 【原田美世】揺らして【デレステMAD】 18年05月12日 17時37分


リアルのアイドルでなんかそんな感じの名前の人がいませんでしたっけ? の人。バイクが趣味とか。よぅ氏の動画で名前を覚えました。
ソーシャルゲームの中でのキャラクターを「支援」「応援」する、という、多くのデレマスPの行動目的上、デレマスのアイドルを語る動画というのは、ひとことで言えば、"この子を見てください、知ってください" という方向を向くことが多くなります。そして、私は、簡単に言い切ってしまえば、そういう動画が嫌いです。私が知りたいのは、あなた自身はその子をどう思っているのか、どう見えているのか、だからです。
最近、fukuyaPが、アイドルに恋したいということを書かれました。fukuyaPの書かれている気持ちは少しわかるというか、私自身、このブログを始めた頃は、誇張抜きで、頭の中の9割は常時春香さんのことで埋まっていて、残りの1割でそれ以外のことを済ませるような生活を送っていましたが、いつの間にかそんな没頭感は失われて、きっと、二度と戻ってはこないでしょう。でも、だからどうにかしてもう一度、その没頭感を得たい、とは思っていません。
私は原田美世に対して、さして興味も関心も持っていません。けれども、いま、よぅ氏の動画を開いて目の前にいる、この動画の中にいて他のどこにもいない原田美世は、最高にエロティックで、最高に蠱惑的で、最高にかわいいと、本気で思っています。この動画を見ているいまの瞬間は、私は原田美世に恋していると断言できます。それは、作り手が本気で原田美世に恋していて、自分自身に見えている原田美世のかわいさを、美しさを、動画の中に映しだそうと死力を尽くしたがゆえに、動画を通して、作り手から見える原田美世を、私も見ているからです。動画を見る時、アイドルに恋をしているプロデューサーの目を通して、見る専である私もまた、アイドルに恋をするのです。
ひょっとすると、これから、原田美世に恋をしているもっといろいろな人の目を通して、もっといろいろな原田美世に恋をし続けたなら、いつか、私自身が、いつか誰かさんに対してしたように、そうでなければ他の誰かさんに対してしていたかもしれないように、原田美世に恋をすることもあるかもしれません。そうなる第一歩は、すでによぅ氏のこの動画が踏み出させているのです。
でも、それは私自身のあずかり知らぬ未来の出会いの領分ですし、必ずそうならなければならないとは思っていません。いまだって、私は十二分に恋をしているのですから。アイドルに恋している誰かの恋に、今でも、いつでも、何度でも、恋ができるのですから。私も、もっともっと、恋がしたいです。アイドルに恋している誰かの恋に、もっともっと出会いたいのです。


黒埼ちとせ
銀二ノ介氏 偶物語 ちとせドリーム 19年08月06日 21時00分


2019年になって新登場したアイドル7人のうちのひとり。本物の吸血鬼だったか、吸血鬼と人間のハーフだったか、吸血鬼のクローンだったか、自分を吸血鬼と思い込んでいる想像力豊かな人だったか、とにかくなんか吸血鬼関係の人、もしくは鬼。設定的にもMVの素材的にも、次に出る白雪千夜とセットの扱いだということと、ヴィジュアル的には、金髪でグラマーなバタくさいお姐さんはすでに多数いるということで、ソロの動画は白雪千夜の方が多く作られる傾向にあります。
銀二ノ介氏の本作は、"白雪千夜の主人" ではない、ただの黒埼ちとせ個人、の物語に焦点を当てた、初めてのMADと言えるでしょう。銀二ノ介氏はデレマスアイドルのストーリー系PVを多数作っていますが、デビュー当初の、公式の場面、テキストをそのまま並べてぶつけてくる直接的な手法から、最近は公式のカード絵や会話シーンをほとんど使わずにキャラクター、ストーリーを表現するように作風を深化させています。
本作においても、公式のコミュシーンを引用することなしに、公式が提示したストーリーを分解し、咀嚼して得た表現要素を映像の中に忍び込ませ、音楽に合わせて再構成することで、黒埼ちとせの物語を表現しています。それゆえに、この動画においては、視聴者側のゲーム本編の体験量、ゲーム本編への思い入れ抜きに、ただ動画の表現力それ自体のみによって、黒埼ちとせの個性、黒埼ちとせの魅力が形となって迫ってくるのです。ゲームやアニメや漫画の中でヒトであろうがヒトでなかろうが、吸血鬼であろうが吸血鬼でなかろうが、MADの中のキャラクターは、ただMADそれ自体の力によって、見る者の中で永遠になることができます。なんと、彼女にふさわしい居場所ではないでしょうか。


白雪千夜
日名*hina氏 【白雪千夜】鳳仙花 〜歌愛ユキ cover〜【デレステMAD】 19年03月11日 02時56分


2019年になって新登場したアイドル7人のうちのひとり。黒埼ちとせの従者ポジションの人。白菊ほたるのところでも述べましたが、すでにソロのPVがいくつも作られているのは、パーソナリティの面白さや想像をかきたてる設定だけが理由ではなく、3Dモデル自体に、ソロの動画を作らせる力があるからだと思っています。
無印でも、誰々はスーパーロングで映えるアイドルで、という談義がありましたが、デレステにも、広い広いステージの真ん中にソロで置いて映えるアイドルが、何人もいます。デレステMADを追っていると、この動画はモデルに導かれてこんなソロステージになったに違いない、と感じるPVに時どき出会います。
白雪千夜もまた、そのひとり。鋭角でスマートなシルエットと、伏目気味の、遠く離れてもこちらを見透かしてくるような瞳。3Dモデルがただそこに立っているだけで見る者の胸に湧き起こる、寂寥感と、力強さとが融合した、不思議な感覚。その不思議さに魅せられて、その謎を解き明かしたくて、今日も誰かはMADを作り、誰かはただMADを眺めているのです。


リュ・ヘナ
しあぷ氏 【リュ・ヘナ】ハメ撮りじゃないよ! 15年01月15日 23時29分


韓国版シンデレラガールズのオリジナルのアイドル3人のうちの、「キュート」属性の人。おそらくこの動画が、彼女メインの唯一の作品と思われます。彼女のプロフィールにある趣味「自撮り」が、自動翻訳にかけると「ハメ撮り」になった、というだけの他愛ないネタですが、他愛ない会話が、最終的に彼女の立ち絵の可愛さを見せることにつながっているのがいいですね。頰染めの表情の威力すごい。
この記事は公式の中のアイドルを語る趣旨ではないので貼りませんが、リュ・ヘナの特技が白菜の目利きということで、韓国版の3人が白菜を料理するエピソードが、日本語訳されてニコ動に上がっています。訳した方の工夫もあるでしょうが、ちょっとアイマス公式の書いた会話とは思えない軽妙さ、テンポの良さで、いつかどこかで、彼女が喋る姿や踊る姿をもっと見てみたいな、と思います。









関連記事
スポンサーサイト



コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

Vinegar56%

Author:Vinegar56%

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
カテゴリ
月別アーカイブ
全記事一覧

全ての記事を表示する

検索フォーム
リンク
FC2カウンター
FC2カウンター
現在の閲覧者数: