FC2ブログ

歳末在庫一掃計画の残骸


2017年秋に放送していたアニメについての記事です。2018年についてのものとまとめて書き上げる予定でしたが、事情があって中断せざるを得なくなったので、これだけで公開することにします。最初に云々書いている点数は、もともともっと多数の作品にまとめて言及する予定でつけていたものなので、この記事単体ではあまり意味をなしていません。





・タイトル脇に⭐︎マークを並べて10段階の点数表示をしていますが、これは意味があるようなないようなものです。最初は点数ではなく順位をつけて、気に入った順に上から並べようとしたのですが、何十個の作品をあれこれ並べ替えているとだんだんわけがわからなくなってくるので、こういう形にしました。この表示をするにあたっても、たとえば "どの回もそこそこに面白い作品" と "ある回はひどいと思ったがある回はものすごく気に入った作品"、"欠陥はあるが個人的にツボな内容の作品" と "いい出来だと思うが個人的な好みと合わない作品"、原作つきの場合に "原作自体が好きだがアニメの表現に不満足な点がある作品" と "原作はあまりいいと思わないがアニメの表現には感心した作品" といったものをどう比較したらいいのか、という問題があって、複数の評価項目を立てる案も検討はしました。
しかし、結局どう項目を分割したところで、この要素をどこで計測してどう比較したらいいのだろう、というファジーな部分は生じるので、単純な一直線の点数にしています。そもそも、なぜ順位や点数をつけるのかというと、自分の頭の中で各々がどういう位置を占めているのだろう、ということを視覚化して整理するためであって、頭の中の整理が出来てしまえば、不正確な近似値でしかない順位や点数そのものは、自分の中でも不要になっていくものです。自分の頭の中がどうなっているかわからないので、まずはその把握のためにこういう作業をしている、ということですね。
・同時に、アニメブログの人がやっているのを見習って、それぞれの作品を絶対的にどれくらい気に入っているかとは別に、"その作品の中で自分がいちばんいいと思う回(の候補)"をすべての作品について選んでいます。



2017年9月期
「ラブライブ!サンシャイン!! 第2期」全13話 ⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
ベスト候補:2話,3話,5話,7話,10話,11話
ワースト候補:13話

このアニメにはとにかく、音と、言葉と、アクションと、心の動きが、重なり合い響き合ってマジカルな爆発を引き起こす劇的な一瞬が幾度もあって、そのどれかひとつだけによってでも、未曾有の大傑作だと断言するのに迷いはない。
まあ、変なアニメではあった。ご当地アニメであり、"バカで向こう見ずな若者の狂おしい青春" を描くものであるという内容に鑑みれば、この次のクールにやった「宇宙よりも遠い場所」がまさにそうしたように、土臭く生々しいヴィジュアルでもってそれを写し出す、という行き方もあったはずだ。しかし、キャラクターにしろ背景、事物にしろ、つるんと小綺麗で生々しさのない絵でもって世界を写し出すのがラブライブ!の芸風である。初代のアニメの場合にはそれを、単にすべてが書き割りの舞台の中のお話、おとぎの国の中のお話だと思って見ていた。「サンシャイン」の場合にはしかし、書き割りの舞台と、その向こうに薄く透けて見える、過疎していく地域、大人の世界の論理、といった現実が、ときどき奇妙な不協和音を奏で、不気味な真空(それはちょうど、3Dモデルの内部の何も設定されてない空間のような)を覗かせていた。一方で、その摩擦、軋轢こそが物語に跳躍力を与えていたとも思う。
台詞回しも、なんだか妙だった。割り台詞的な、つまり、この場面で全体としてこの内容を喋らせる、という事柄があらかじめにあって、その内容を分割してキャラクターに割り付けたかのような場面が多々あって、結果、こんな光景がちょくちょく出現するアニメだった。主人公が「嬉しいね」と言えば周り中みんなが「嬉しいね」と返し、「悲しいね」と言えばみんなが「悲しいね」と答える。「もうやめたい」と言えば「そうだね、やめたい」と口を揃え、「やっぱりやめたくない」と言えば「そうだよ、やめちゃだめだ」と合唱する。こだまでしょうか? いいえ、「Aqours」です。会話の流れやキャラクターの心理の動きを細かく考え出すと不自然、不思議な箇所が多々ある一方で、そういう音の応酬そのものが心地よく、物語に高揚と疾走をもたらしていく。また、そういう台詞回しの結果として、"すごく近くにいて親しいはずなのに、それぞれが何を思っているのか、実はよくわからない" という感触が、終盤のこのアニメの味だったと思う。いつでもとなりにいる大切な人の横顔が、ときどきものすごく遠く見える、そんな感覚を味わう作品。どんなに一緒にいても、他人のことはわからない。わからないけれども、通じあうことはできて、それはとても素敵なことなのだ。
ずらずら並べたベスト候補。まあ、是が非でも一つに絞るなら、"この雨がすべて流れ落ちれば、きっと星が見える" の10話になるだろうが、どこに転がっていくのかわからないお話が最後にひとつの景色に行き着いてそこから歌が生まれる2話、どうあがいてもどうにもならないどん詰まりでの刹那のステージから、そんな解決があってたまるかと哄笑するしかない展開につながる3話、津島善子が津島善子する5話、こだまの響き合いが生み出した巨大な渦を高海千歌が踏んで跳ぶ7話、昼間の狂騒から夜の感傷の11話、どれでも個人的ベストと言うに相応しい。
ワーストに選んだ最終回。いや、内容はあれで良かった。しかし、もっとうまく表現できたはずだった。11話で盛大に"お別れ会" をやり、12話まるまる使って感傷にふけって、最後にまた全時間使って感傷に浸るのはさすがに屋上屋を架した感がある。これまでの回でそうだったように、なんでもない日常や狂おしいから騒ぎをぎりぎりまで引っ張って、最後に感傷を爆発させてほしかった。そして、ラストのステージは、そーいう芸風じゃないのを百も承知で言えば、誰もいない空間を高海千歌がソロで充足させる景色が見たかった。ストーリー的には、まさにそういう境地に収束していたのだから。つまりは、最終話を天才カゴシマPが演出し、ラストステージをわるつPが構成したら最強だったな、というのが私の結論である。



「魔法使いの嫁」 全24話 ⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
ベスト候補:22話、24話

去年の記事のコメントに書いているが、ずーっと、いったい何をやっている物語なんだろう、と疑念と不信の目で見ていた。20話を超えたあたりになってようやく、こんな話だったのか、素晴らしいじゃないか、と膝を打った。この程度の理解力と度量でぐだぐだくっちゃべっております、はい。
主人公は、現実と非現実とを問わず、自分を囲むすべてが嫌いだった。自分を囲むすべてに対しておびえていた。どれかひとつがどうだったから急にこうなった、というのではない、いろいろなひとやものの生と死のありさま、関係の結び合いと断絶にふれて、彼女は少しずつ変わっていった。自分もまた、いろいろなひとやものとの関わり合いの中に生きていることを知って、彼女は、自分自身の "嫌い" 、自分の中にあるの他者に対する拒絶の存在と向き合えるようになった。自分の "嫌い" は自分の中にしかないものであり、他者のせいではない。自分の "嫌い" を自分で消すことはできないが、ただそれに支配されつき動かされるのではない形でつきあっていくことはできる。嫌いでいながら好きを見つけることも、おびえつつ信頼することも、できるのだ。そして、嫌うことから出発した人間であるがゆえに、他者への恐怖と拒絶を知っているがゆえに、自分自身の "嫌い" を受けとめた彼女は、他人の中の "嫌い" とも向き合い、受けとめようとするようになるのである。
そういうわけで、ベスト候補は、主人公が自分の中の "嫌い" と対話する22話、そして、他人の中の "嫌い" と対話する24話。しかし、それは、この回を単体で切り出して見た時に凄い、ということではない。それまでの、個別にはどの回もそんなに切り口が鋭いとか奥深いとか絶妙のシナリオだとかいう気はしない(失敬!)20話あまりの積み上げが、最後にすべてここに流れ込んで収束するところが凄いのだ。



「このはな綺譚」 全12話 ⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
ベスト候補:6話、8話、12話

この世とあの世だか、現実と非現実だか、天国と地獄だか、なんかそんな感じの境界っぽい場所に立つ旅館で、けもの耳のロリロリしい女の子たちが、イチャイチャしつつ、バタバタ騒動を巻き起こしつつ働いていく、なんかそういう感じのアレ。お色気描写まわりなどで、時々個人的にそれってどうなの、とひっかかる点がないではないが("美少女動物園" 的要素のあるアニメで、まったく疑問を感じないものはほぼ見たことがないので、以下の作品では繰り返して書かない)、キャラクターのヴュジュアルの可愛さと人格的な魅力、棘のない笑い、ストーリーの優しく、納得のいく落ち着き方、どこをとっても、素直にああ、いいなあ、と思える作品。
なんといっても、相手のいいところを見つけまくり、出会いを素敵な思い出に昇華させまくり、相手の心を清らかにさせまくり、ついには相手を惚れ込ませずにはおかない、主人公の人たらし力である。1話1殺、一度出会った相手は自然にたらし込まずにはおかない、今日の新キャラも必ずや主人公に陥落するだろうな、という揺るぎない信頼感がある。最終話の納まり方の綺麗さも見事。最後の最後に、ひととひとの絆を結んできた主人公自身の不安と信頼をいま一度見つめ、彼女が過ごしてきた場所、重ねてきた時間がどういうものであったかを照らし出し、そして季節はひとめぐりして、また新しい明日が始まるのだ。
ベスト候補には、主人公が快調に人たらし全勝街道を驀進中の6話、人と人外が入れ乱れ、現実の時間経過を跳躍する世界ならではの謎と解決が仕掛けられた8話、そして120点の着地を決めた最終話を。



「血界戦線 & BEYOND」(2期) 全12話 ⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎ 
ベスト候補:9話、10話

1期の、アッパーでノリノリなBGMがドーン! そこにSEがジャーン! 描きに描きこんだ猥雑で生命力にあふれた街! 疾走するキャラクター! 叫ぶ台詞! 頭でわからなくとも体でわかれ! という勢いが好きだった。無理をしてでも、全体を貫くぶっとい軸のストーリーを立てて走りきろう、という気概が好きだった。なので、同じく描きこみに描きこみ、動きに動いてはいるのだけれど音作りは若干ムーディーで優雅な方向性、シナリオは原作が並べた料理をコツコツと、という、微妙なノリの違いになかなか馴染めなかったのだが、見返してみて、これはこれでやっぱりいいものだな、と。世界全体が、無数の命がからまり合って複合した巨大な生命体のようで、その中にキャラクターが息づいている、この空気。
ベスト候補は9話と10話。9話の、暴力による弱者の圧殺と差別、それに対する憎悪。10話の、仕事と家庭、公と私の相克。それぞれに、ぶっ飛んだ空想でも現実と通底し、ぶっ飛んだ空想だからこそ鋭利に切り出せる、普遍的なテーマをまとめ上げた。



「宝石の国」 全12話 ⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
ベスト候補:4話
ワースト候補:10話

去年の記事で「すごい映像美で繰り広げられる、"カタくてモロいカラダ一発ギャグ集"。」と書いたんだけど、全部見てもだいたいそれであってたw。ものすごーく美麗で独創的な3D表現! からの、あっバナナの皮ですべった、ガッシャーン! みたいなすっげえシンプルなボケをやって、それに対してキャラクターが超ローテンションでぼそっとツッコミを入れて、なんともいいがたいおかしみが漂う。なんかこう、結局この作品のいちばんの味わいどころというか、やりたかったことってそれなんじゃないの? という。シリアスな場面でもだいたいやってることは同じで、あっなんか思いつきでバカなことをやらかしたぞ! あっまた体が壊れた! みたいな。
シナリオ的には、前に「ラブライブ! サンシャイン!!」のストーリーを落語的と書いたが、あれは、道中ではどこに連れて行かれるかわからないだけで、終わってみれば一貫性も方向性もあるお話なのであって、「宝石の国」こそは、真に落語的というか、連想ゲーム的なお話だと言えよう。Aの出来事からBが発生し、Bの出来事からCが発生するのだが、AとCの間にはもはや何の関連性もなく、Cの時点になるとAの時点の出来事は綺麗さっぱり忘れ去られている……という展開を、以下D、E、F……と延々と繰り返していくシナリオなのだ。そしてこれは原作自体がそういうストーリーなので、その中からともかくも初回から話が繋がって一応のオチに出来る箇所を検出して、最終回を構成したアニメは、最善の仕事をしたと言えるのではないか。そもそも、素人目には、原作の絵から、あの3D表現を思い描いて具現化すること自体、自明の道のりではまったくないように思え、ひとえにアニメ制作者の意気と構想力あっての作品だと思う。
ベストは、この先に何があるのかもっともワクワクした回、ということで、ナメクジの女王に海に連れて行かれる4話を。ワーストは、筆舌に尽くしがたいレベルでお話が行き当たりばったりな10話。つまり、「宝石」たちには、かれらの体を狙って襲ってくる敵がいるのだが、敵がいつどこに出現するかは、ある程度の法則性はあるものの、正確には予測できない。そして、敵が現れたら戦って撃退するしかないのだが、弱い奴、敵と能力の相性が悪い奴が戦ったところで負けて壊されるだけであり、敵が出現した際には、対処できそうな仲間を迅速に現場に連れてくる必要がある。従って、どうやって敵の出現出現をすばやく共有するかということ、仲間の所在を常に把握するということは、かれらが生きていく上で最優先に考えなければならない事柄のはずなのだが、そういうことをなーんにも考えてなくて、いつも場当たりの思いつきで行動するのだ、この「宝石」たちは。人間のやっていることだと思うとバカバカしいが(いや、人間の行動も往々にしてこんなものだ、という意見もあるかもしれないが)人間じゃなくて「宝石」のやることだもんねー、仕方がないよねー、っていう。



「アイドルマスター SideM」 全13話+Prologue ⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎ 
ベスト候補:Prologue、8話
ワースト候補:10話、12話

いいトシこいて少年の夢を追いかけている男どもの、この上なくバカバカしくてきらきらした青春の風景を、絵として具現化してみせたアニメ。それに尽きるのではないか。だから、ベストは8話の合宿回。そして、アニマスで語り残されたジュピターの物語を見事にバトンをつないでみせたプロローグには、ひとりのアイマスファンとして別枠で賞を贈呈したい。
ワーストの10話。バンドを組んでるユニットの話はこの回より前にも触れられているのだが、それはユニット内の人間関係すばらしい! という話で終わっていた。尺を考えれば、バンドがどんな音楽をどう演奏するか、みたいな各々のユニットの具体的、技術的部分まで踏み込むのは無理であり、そういう面倒なところには踏み込まないで人間関係だけを見せていくのがこのアニメの行き方なんだな、と私も思っていた。ところが、この回では、リーダーが曲作りで悩んでいる、というネタを振ったにもかかわらず、結局その曲作りの中身、過程は全部すっ飛ばして、メンバーのうちの誰と誰が語り合い、誰は誰のことを的確にフォローして全部の問題が解決しました、と、とどのつまりやっぱり人間関係の話だけして終わったのである。短編シナリオとしての出来不出来を言うなら、間違いなく、効率的でどこにも隙のない、出来のいいシナリオだった。しかし、私は、同時期にやっていた「ラブライブ! サンシャイン!!」2期が2話で、「Wake Up,Girls! 新章」が10話で、それぞれ、シナリオとして不器用でも杜撰でも強引でも、ともかくも、メンバーたちがどんな曲を作ったらいいか考えに考えた末に、これこそが私たちらしい楽曲だ、と自分で胸を張れるものを組み上げて演奏にこぎつけるさまを描いたのを見ているのだ。
12話もひどかった。医師志望の桜庭くんがどう見ても無理をしている、あんな働き方をしていたらいつか倒れる、ということを、周りの人間は全員気づいていたのだ。気づいていて、全員、実際に倒れるまで何もしなかった、なんやかやと自分の中で理由をつけて、結局は手を拱いて見ているだけだった。結果として桜庭の倒れ方が、ちょうどいい休養と反省になったね、という程度で済んだのは、ただ単に、まったく純粋に、抜群に運が良かったというか、ご都合主義の展開だったに過ぎない。あそこで彼が二度とアイドルも医者もやれない体になったり、命まで失う結果にならない保証は、何もなかったはずである。俺はどんなにお前に迷惑がられても、腕ずくでもお前を止める、でもいい。俺はお前がどんなに間違ったバカな真似をしでかしていても支持する、死ぬまで思う通りやれ、でもいい。俺はお前にこうしてほしいからこうする、と言い切って見せなくて、何が夢か、仲間か、アイドルか。アニマス20話で春香が言った「ほっとかない」というのは、そういうことだ。たとえそれがどんなに迷惑で相手を傷つける行為であったとしても、どんなに自分勝手な思い込みだったとしても、私はあなたにこうしてほしい、そう言い切ってみせたのが、アイドルにそう言わせてみせたのがアイマスのアニメだった。その後輩として、恥ずかしくないのか。
まあ、言うて「アイドルマスター SideM」はまだ1クール目が終わったところである。1クールの終わり目の頃にアニマスが何をしていたかと言えば、たかだか赤羽根Pが美希とデートして帰ってきたところであり、アニデレはたかだか新田美波がリーダーに指名されて熱を出して倒れただけである。ラブライブ!先輩もWUG先輩も2クールやっている。だから、私は「アイドルマスター SideM」も2クール目の彼らの姿を描いてほしいと思っている。今のままでは、ただ小器用で如才がなくて誰からも嫌われはしない、というだけの八方美人の作品であり、アニマス、アニデレに肩を並べてアイマスの歴史にこれを刻んだ、と言えるほどのものは、まだ何も残していないのだから。



「ブレンド・S」 全12話 ⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
ベスト候補:7話

ツンデレキャラだったり妹キャラだったり、いろんなキャラづけの女の子たちが応対してくれるメイド喫茶的な店に、目つきが悪すぎて怖い人と勘違いされてしまう女の子が採用されて……というお話。どういう深いテーマをこめている、というのでもなく、ことさらに "いい話" をするわけでもなく、かといってひたすら笑わせようとするわけでもなく、毎回そこそこに女の子が可愛く、そこそこに笑えて、どういう方向においてもどぎつすぎて胃もたれすることがないアニメ。ヒロインそれぞれについて、営業で演じるキャラと素のキャラとのギャップが楽しめて一粒で二度美味しい……というか、そのギャップの存在によって、視聴者に映像の中の女の子がプライベートで近しくしてくれる存在と感じさせる、という、アイマスのコミュと似た効果を発生させている作品ではないか。関連して、男のレギュラーキャラの描き方というか、男性キャラと女性キャラの関係性の演出がよくできていると思う。気のおけない腐れ縁的な距離感、互いに面倒なところまで踏み込まない不干渉の安心感、不器用で初々しい恋愛の甘さ、みたいなものをバランスをとって鼎立させ、ドロドロせず、生々しくならず、あっさりとして居心地のいいのいい範囲でほんのりと楽しめる感じ。
ベストは7話。店長の思いつき、それぞれの機転と演技力による切り抜け、やることなすことが思いと裏腹の結果になる主人公の珍道中、と、各キャラクターのらしさがすべて展開に生きる。



「Wake Up,Girls! 新章」(2期) 全13話 ⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎ 
ベスト候補:10話

各話ごとの短編としてのまとまり、面白さは1期よりも上だった。ただ、それだけと言えばそれだけだった。作中で3年も経過しているという設定を考えると、人間関係、仕事上の悩み等々、それって前に1回やってなかった? とか、3年たってまだそんなことも解決していないのか、と思うエピソードも多かった。3年経ったために、リーダーとしての悩み、メイド喫茶勤務、宝塚志望など、各々を特徴づけていた設定の多くが使えなくなった。1期には、大人数背番号制の大事務所を単に否定する対象として描いていない点、メンバー中もっとも地味で下手くそな林田藍里が、グループのアイデンティティ上重要な役割を担っていた点など、何をもってWUGををWUGたらしめるか、どの部分において他のアイドルアニメにないものを提示するか、という思考は明瞭に見て取れたが、2期でそれらがテーマとして深められることはなかった。もっとも、それは別に2期の責ではない。60分×2本の劇場版で大急ぎで処理してしまった内容を1クールかけて出来れば、何の問題もなく自然に2期が作れていた筈なのだから。1期から全部ひっくるめて、面白くないわけじゃない、魅力がないわけじゃないんだけど、どこでどうボタンをかけ違ってしまったのか、という哀しさがある。
ベストは10話。なんかみんな地味でどこがどうすごいってこともないんだけど、なんかそういう子が集まってわちゃーっと喋っているさまがほんのりと面白い、という"WUGらしさ" がそのまま曲になっていくさまが楽しかった。





関連記事
スポンサーサイト



コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

Vinegar56%

Author:Vinegar56%

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
カテゴリ
月別アーカイブ
全記事一覧

全ての記事を表示する

検索フォーム
リンク
FC2カウンター
FC2カウンター
現在の閲覧者数: