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風船は打ち上げられた


先週の土曜日に更新した時は、リアルがもう少し落ち着くんじゃないかと思っていたんですが、あまりどうにもならずに一週間過ぎてしまったので、今年は一年を振り返ったり締め括ったりする記事は書かずじまいになりそうです。
で、先週に引き続き、放送が始まるまでの1時間でアニメ『ラブライブ! サンシャイン!!』2期の記事をどうにかでっちあげる、というミッションに挑もうとしているわけですが、なんでこのアニメに関しては、こうしてどうにかひねり出そうとしているかというと、答えを知る前の思念を文章に留めておきたい、という気持ちが強いからですね。



7話の時点で2、3、5、7話のことは一応書いたけれども、私にとっては、その後もずっと予想を超えて期待通りでした、2期の『ラブライブ! サンシャイン!!』は。8話~9話は、"卒業" というものの重さを、去っていく側が背負っているものではなくて、送り出す側が背負うものに焦点を当てて描き出したところが、個人的にクリティカルでしたし、10話は先週も書いた通り、この物語が何を描く物語であるか、というエッセンスが凝縮された回だったと思います。あえて一つ挙げるなら、たとえいまは雲に覆われて星が見えなくとも、この雨が全部流れ落ちれば星は見えるんだ、というメインヒロインの台詞です。もうじきみんな卒業して別れ別れになる、時間は有限不可逆で出会いは一期一会だとさんざんに強調した末に、雨が全部流れれば星が見える、と主人公に言わせるのです。それから11話。この作品が、優勝を目指すしかない、という道筋が定まったのだから、そこに向けての覚悟・努力・パワーアップ、などという話になるはずがないのは、わかっていたことでした。が、だからと言って、本当にただ文化祭をやって楽しく騒いでいるだけの話で1話終わるとは思わなかった。ただ楽しく騒いでいるだけで終わってしまう話というと、『アイドルマスター sideM』のアニメ8話の合宿回も印象深くて、なるほど、つまり『sideM』はハリアーPの手描きシリーズだったのか、"大人のモラトリアム" "いつまでも続行するモラトリアム" を描くのがこのアニメか、と初めて腑に落ちたのですが。『sideM』がハリアーPなら『サンシャイン!!』は天才カゴシマPで、こちらは物語の中のあらゆる要素が、すぐそこに見えている終わりと別れ、という収束点に向かってきりきりと引き絞られている。

初代『ラブライブ!』のユニット「μ's」(ミューズ)のアニメは、ひたすら勝ち続け、願いを叶え続けて終わりました。初代である、原点である彼女たちの物語は、『ラブライブ!』の世界において、何が頂点であるか、理想であるかを示すために、勝つことを宿命づけられていたのでしょう。
2代目である『サンシャイン!!』の物語は、その点、好き勝手にやれるところが多分にあって、まさかそこで成功はしないだろう、というところで成功する回もあったし、まさかそこで失敗はしないだろう、というところで失敗する回もあった。ただ、全体としては、届くと信じていたのに、もう少しで届きそうだと思えたのに、結局は願いに手が届かなかった、という経験を何度も繰り返してきたのが、『サンシャイン!!』のユニット「Aqours」の物語でした。だからこそ、最後に大会で優勝することで願いが成就されるはずだ、叶わなかった、やりきれなかったすべての想いが昇華されるはずだ、という指針が7話で示されて、表面上、いかにもそこにすべてが集約されるかのように、話が動いてきた。

……でも、それで終わる筈がないよね? ということを、私は先週の記事で書いたつもりで。7話を見た時点で、私はこの作品が描き出そうとしている終着点がかなりイメージできていた自信があるのだけれど、どういう過程でそれを形にするかは本当に読めなかった。11話終了時点で言うならば、いったいこの後、どのタイミングで、肝心の大会決勝の成り行きを描くつもりなのだろう、ということ。13話に入ってから描いたのでは終わりがバタバタ急ぎ足になりそうで、でも、12話内で終わらせたら展開が読めてしまう。
だから、12話を見終わった時にはぞくぞくしました。すべてが終わっているのに何も明らかになっていない、という終わりだったからです。この終わりなら、13話はもう、さて卒業式当日、から話が始まったっておかしくない。終わりを描くのに1話分まるまるの時間が使えて、でもオチは明かされていなくて、しかし、終着点に向かうための布石は11話の中で打ち尽くされている。願いに手が届かない痛切な体験を繰り返してきた彼女たちは、自分たちが、いかに、ありふれた、同世代にいくらもいる、「スクールアイドル」に夢を見た女の子たちのなかのたった一例に過ぎないかを自覚している。そして、11話を通して、彼女たちが考え続けたのは、まさに私が問題にした、"私たちの願いは勝つことなのか" という事柄だったのだから。最終回が楽しみです。






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